水中ドローンで船底検査の実証実験

sugitec

こんにちは。本日はかなり暖かくなりました。とはいえ本日以降、また気温は下がり気味な予想なので体調管理には気をつけましょう。そろそろ花粉も飛び始めているということなので、花粉症の人には辛い季節にもなりそうですね。

さて、本日はSEKIDOが株式会社商船三井、株式会社MOLマリンと共に、MOLマリンの運行管理するケーブル敷設船の船底の状況を水中ドローンを用いて確認する実証実験を実施したという話題。

水中ドローン「ROV」を使ったケーブル敷設船検査


出典:SEKIDO 

今回の実証実験はケーブル敷設船ということで、海底に光ファイバーなどのケーブルを敷設したり修理、回収をおこなう船になります。大体全長は100m以上あるものも多く大きな船です。

一般的にはケーブル敷設船に限らず、全般的に船というのはその船体や船底、推進に使用するスクリューなどに損傷があると速度や燃費が悪化し運航に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があるので、定期的な点検や清掃は必須です。

その点検を「BlueROV2」と「CCROV」という水中ドローンを使用し実証実験を行われています。


出典:SEKIDO 

背景

これまでその定期点検などはダイバーを起用し、潜水での点検作業をおこなっているのが現状です。しかしその方法の場合、気象状況などが作業に影響し、時間と費用がかさむケースがあったそうです。

さらに問題なのがその危険性。岸壁の水深は東京湾で16mほどであり、船底と海底のクリアランスは最短で50cmになることもあるそうです。ここに潜水し作業をおこなうというのはリスクが伴います。さすがに海中で50cmの間に入って作業をするのは想像するだけで恐怖しかないですね。

点検実証実験の詳細

船体の後部からスクリューにかけてを「BlueROV2」にて点検。そして船首付近に装備されているバウスラスターの内部に「CCROV」を投入し点検しています。


出典:SEKIDO 

バウスラスターとは船の旋回能力を高めるために装着するスクリュー。大型の船などの場合は後部のスクリューのみで効率よく旋回をおこなうのが困難なので、時間や手間を省きまた安全性の確保を目的として装備されることが多い機構です。

BlueROV2の船体後部点検

後部スクリューの故障の有無や清掃が必要かどうかの点検をおこなった所、海水が濁って前方の視界が劣悪な環境にあったが、船体をカメラ正面に捉えながら横移動をおこなうことで、操縦用のカメラでも十分な視認が可能という結果が確認されたそうです。

CCROVでのバウスラスター内部の点検

バウスラスターは船体を横方向に突き抜けるように装備されており、外側には格子が設置されています。そのためダイバーの潜水作業はその危険性から内部に入ることはできません。

しかし小型の水中ドローンCCROVでは問題なく格子を抜け、内部のスクリューに到達し点検を実施できることが確認されました。

水中ドローンによる点検結果

今回の実証実験では、海中での操作性や撮影した画像の精度を確認することができ、従来のダイバーによる潜水での状態確認に対し、代替え可能な手段として有効かつ安全・確実な方法であるということが、株式会社商船三井により確認されたそうです。

まとめ

船の定期点検は種類にもよりますが、5年に1回の定期点検を受ける必要がありますが、定期点検は基本的にドックへ入渠しておこないます。定期点検の次の5年までの間に1年ごとに中間検査というものを行う必要もあるのですが、それは潜水での検査も認められるそうです。(船種により違いがあると思いますが)

水中での点検はドックへ入渠するよりもコスト面も抑えられるので、そちらを選択する場面は多いでしょう。水中ドローンが出てきたことで、安全面でも大きなメリットがありますし、大手海運会社のお墨付きを得たとも言える水中ドローンでの点検。これから広がってきそうですね。

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