学習機能搭載ドローンプラットフォーム「エッジドローン™」誕生

sugitec

こんにちは。管理人のHashitecです。昨日ドローンによる人身事故がまた起きています。場所は熊本市西区。体育館で専門学校の運動会の練習風景を撮影するために、教員の飛ばしていたドローンが観客席に落下。ドローンの重さは1kgだったそう。

10代の女子生徒2人が顔などに切り傷を負って救急搬送されたとのこと。何とも痛ましいです。体育館内ということで屋内飛行となり、この場合は人口密集地域でも許可なく飛行が可能となりますが、それが仇になった感じですね。

許可がいらないからといって、安易に第三者の上空を飛行させるのは危険です。いつも上手く飛ばせていたからと言って、どこでどうなるか分からないのが今のドローン。飛ばす方は万全の安全対策と意識を持つべきだと思わせられるニュースでした。

さて、本日は高度自律飛行制御と学習機能を搭載したドローンプラットフォーム「エッジドローン™」が発表されたという話題。


出典:PRTIMES

自律飛行による障害物回避や撮影データのクラウドアップロードなどを実現

リベルダージ合同会社が発表したこのドローンですが、従来の自動飛行で実現できていない障害物の回避、用途に応じた撮影データのクラウドへのアップ等、高度な航路の設定を可能にするエッジコンピューティングを搭載したドローンプラットフォームとなります。

エッジコンピューティングとは?
クラウドコンピューティングでは、データの保存容量や処理速度はクラウド側の処理になるので、機器やデバイスを選ばず活用できるのがクラウドのメリットでしたが、離れた場所にあるクラウドに対しネットを介して利用するというスタイルは、大きなデータになった場合リアルタイム性が失われます。
一方エッジコンピューティングでは、クラウドのように離れた場所ではなく、機器の物理的近くにサーバー等を配置する技法となっており、近くの端末で処理することで通信の遅延や上位システムへの負荷を解消できるものです。

要するに、クラウドを使いドローンの自動飛行で障害物を回避しようとすると、通信の遅延やそもそも通信できない環境になる場合もあるので、実質実現が難しいという状況でした。それがエッジコンピューティングを搭載することで可能になるという訳です。

現在のクラウド型ドローンの自動操縦

現在利用されているドローン自動飛行の仕組みは、下図のようにクラウド技術を使ったものとなっています。メリットはデータの保存容量や処理速度などは機体に依存しない点や、あらゆるデータを複数デバイスで利用できるという点。


出典:PRTIMES

しかしインターネット接続が必要になるので、センサー情報をリアルタイムに収集し判断するということは難しくなるのが課題。また、クラウドでは安全面やセキュリティ面の課題もあり、自律制御の自動飛行ドローンを実現することは難しいのが現状です。

エッジコンピューティング型ドローンの必要性

従来の自動飛行で実現ができていない、ドローン自体の自律的判断での障害物や他ドローンとの衝突回避、用途に応じた撮影データのクラウドへのアップなど、より高度な航路の設定が可能になります。

また、センサーやカメラで取得したデータの暗号化や、データをクラウドにアップした上で削除できるなど、ドローンに対し高度なセキュリティ対策も行うそうです。

今後飛行するドローンが増加することで、自動車の自動運転以上の安全性が求められますが、都度クラウドにアクセスするには判断が遅れるほか、飛行経路によっては通信そのものが出来なくなる環境下も考えられるため、あらゆる環境・状況下においての確実で安全な飛行を実現するためには、現場で自律的に判断する仕組みが必要不可欠です。


出典:PRTIMES

純国産エッジドローン™のプラットフォームアーキテクチャ

エッジコンピューティングを搭載したドローンプラットフォームのエッジドローンは、フライトコントローラーに専用のAI機能を持つエッジコンピューティング型のIoT統合ソフトウェアプラットフォームを組み込んだソリューション。

搭載可能ドローンは3DR社のPixhawk2やParrot社のBebopのように、OSにLinuxを搭載したオープンプラットフォームのフライトコントローラーであれば全て搭載可能とのこと。

ユーザーが多いと思われるDJI社のようなクローズドプラットフォームの場合、フライトコントローラーに別途オプションで機器を取り付けることで問題なく対応できるようです。


出典:PRTIMES

エッジドローンの主な活用例

プラットフォームであるエッジドローンは、あらゆるドローンの活用に役立ちますが、その中でも代表的な活用例として下記があげられています。


出典:PRTIMES

まとめ

従来であればネットワークを介してクラウドで処理する形でしたが、物理的に近い場所にあるフライトコントローラーをエッジデバイスとし、そこでセンサーなどの管理やデータの保存等を行います。

このエッジドローンですがAIを活用したプラットフォームなので、現在はいくつかの用途で実証実験を行っており、日々データ学習とチューニングが行われているそうです。2019年内には実証実験を終えて、来年2020年に一般リリースされる予定とのこと。

実証実験先は現在も募集されているそうなので、興味がありご協力したいという企業様はお問い合わせしてみてはいかがでしょうか?

リベルダージ合同会社 担当 : 松原晋啓
E-mail:info@liberdade.co.jp

記事参考:PRTIMES「【リベルダージ】 高度自律飛行制御・学習機能(エッジコンピューティング)搭載ドローンプラットフォーム「エッジドローン?」を発表」

記事URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000033099.html

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