BIMをタブレットに。簡単操作の施工管理システム

sugitec

こんにちは。最近のニュースで我々の業界にも関連する痛ましい事故が報道されています。

ひとつは今月14日、兵庫県尼崎市の8階建てビルの外窓を清掃中の男性が、30m下へ転落し死亡。ロープに渡した板の上で清掃をしようとした所、板とロープを繋いでいるベルトが切れて転落したと見られているそうです。ライフラインを着けていなかったとのことで、着けていれば助かっていた可能性は高かったかもしれません。

これらが本当であればそのような高所でライフラインを着けないという感覚自体が信じられないことですし、着けなくてもいけるということで常習化していたのであれば、厳しいですが人災という他ありません…やはり安全は組織・個人の意識が影響する所は大きいです。

後ひとつは海外での事故になりますが、昨日あの有名なニューヨークのタイムズスクエアの近くの17階建てのビルから外壁が落下。下の歩道を歩いていた女性に直撃し死亡するという事故がありました。

今年の4月に、市が外壁落下のおそれがあるとオーナーに指摘していたそうですが、これまで補修を行っていないとなると責任を問われますね。しかし本当に痛ましいです。こういうことになってしまうと何も良いことはありません。

これらの2つの事故はどうしようもなかった事象ではなく、結局は認識・意識部分が甘かったという他ありません。地震などの天災もそうですが、こういう事故は安全意識を忘れた頃に不意にやってきます。

2019年も残り少なくなりましたが、怪我・事故などが起こらないよう気を抜くこと無く、最後まで安全を当たり前に意識していきましょう。危険をであることを忘れないうちは安全である。

BIMを用いたプレキャスト工事の統合施工管理システム

さて本日は五洋建設が開発した「BIMモデルを活用し建築工事を統括管理できる」という「五洋建設統合管理システム(PiCOMS:ピーコムス)」をご紹介。同社ではこの「PiCOMS」の現場展開を推進しています。

その現場展開推進の第一弾として、PiCOMSのプレキャスト工事向けの統合施工管理システム「PiCOMS-PCa」を開発。19年9月より同社の新築工事現場にて運用が開始されました。


出典:五洋建設

このシステム「PiCOMS-PCa」によって、超高層建物でのプレキャスト工事の進捗状況が「見える化」され、製造・取り付けの情報を工事関係者間でリアルタイムに共有することが可能になりました。


出典:五洋建設

それにより管理業務量を従来と比較して約半分程度にまで減らし、業務効率を大幅に改善することに成功しています。

BIMツールの習熟度に関係なく誰もが使えるタブレットシステム

これまでも同様のシステムは各社で検討されてきましたが、問題としてBIMツール操作の習熟度や専用の機器を必要とすることもあり、現場や制作工場の関係者全員での活用が難しい側面があったそうです。


出典:五洋建設

そこで同社では、習熟度や専用機器を不要とし、職員・作業員がタブレットなどから3次元BIMモデルの部材を選択し、取付計画や実績を入力できるなど、誰にでも簡単に操作できるシステムを開発。


出典:五洋建設

それが「PiCOMS-PCa」です。閲覧に関してはQRコードでスマートフォンからも最新情報へアクセスできるようになっています。

システム特長

・プレキャスト製作工場との情報共有で、製造から取り付けまでの進捗状況を統括管理

・BIMの専門知識や専用機器が不要。簡単な操作で工事関係者全員で活用可能

・工事関係者の指示・報告等の管理業務量を従来の半分程度にまで削減

まとめ

知識がなくても誰にでも使えるというのは、昨今テクノロジーでは重要なこと。人手不足で大変な時代に「大体○年の経験が必要」というようなシステムは時代にそぐわないです。

BIMソフトというと知識のない人には中々操作が難しいという側面がありましたが、このシステムがあることで、誰もが容易にBIMでの施工管理業務が可能になります。管理業務量が半分にまで削減される効果は素晴らしいですね。

同社では今後このPiCOMSを、プレキャスト工事だけでなく鉄骨工事や他工種への展開も視野にいれているとのことで、施工管理業務の効率化のさらなる拡大が期待されます。

新技術紹介
技術開発でお困りですか?

スギテックでは、DXを推進していく中で、皆様が日々抱えている課題を解決するお手伝いをさせていただきます。

「技術開発を考えているが実現できる技術なのか?」「こんなことをやりたいと思っているが、費用は大体いくらかかるのか?」等、気軽に相談や見積もりができる所をお探しの方は、是非お気軽にお問い合わせください。

SUGITEC|建設業界の最新技術紹介
タイトルとURLをコピーしました