5G活用を活用。i-Construction実現に向けた実証実験

sugitec

こんにちは。次世代通信の5Gですが、いよいよ2020年3月から商用サービスが始まります。とは言え、現状では都市部を中心としたエリアに限定されてくるでしょうし、高速・大容量などの部分に関してもサービス開始からすぐにそうならないのは、一足先に展開している韓国の例を見ても明らかでしょう。

予想では5Gの本来のポテンシャルが引き出されるのは2023年辺りからとも言われており、やはり成熟してこないことには難しく、直ぐに世の中が変わっていくという感じでもなさそうです。

そんな期待される5Gですが、WCP株式会社(Wireless City Plannning)とソフトバンクが、大成建設と協力し、総務省の「多数の端末からの同時接続要求を処理可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」で、5Gを活用して、トンネルの工事現場における作業員の安全管理を目的とした「i-Construction」の実現に向けた実証実験を実施したそうです。

i-Construction実現に向けた実証実験


出典:大成建設

この実証実験は、北海道の余市郡で建設中の「北海道新幹線、後志トンネル他工事」で2019年12月に行われたもの。昨今の生産年齢人口の減少によって、様々な業種の労働生産性の向上策として、ICT機器の高度化や、データの利活用における労力の削減、生産性向上が急務となっています。

また、日本では山岳が多く、多数のトンネルがあります。そんなトンネルの工事現場では、落盤や土砂崩れ、酸欠、火災などの重大事故が起こることもあり、安心・安全な労働環境の実現が求められているそうです。

5Gネットワークで遠隔操作


出典:大成建設

その課題に対し、WCPではソフトバンクの開発した「おでかけ5G」を工事現場に設置し、5Gネットワークを構築し、センサーによるトンネル工事現場のデータ収集と建設機械の遠隔操作に関する実証実験を実施。実証実験の詳細は下記。

1.ガスセンサーや環境センサー、ウェアラブルセンサーによるトンネル工事現場の安全監視

トンネル工事現場の安全監視として、ガスセンサーや環境センサー、ウェアラブルセンサーを使用し、トンネル現場で発生する危険性の高い毒性ガスや可燃性ガスのデータ収集や、温度・二酸化炭素等をリアルタイムに監視します。

そこで危険が値が検出された際に作業員へアラートを送る仕組みを検証し、トンネル現場の環境を外部からモニタリングできる他、危険時にはトンネル内の作業員に通知することで、迅速な避難誘導を可能とします。


出典:大成建設

2.災害時の初期安全確認を想定した建設機械の遠隔操作

株式会社カナモトが開発した遠隔制御装置「カナロボ」を搭載した、油圧ショベルおよびクローラーダンプに「おでかけ5G」の端末を搭載し、トンネル外に設けた操作室から建設機械を遠隔操作できる環境を構築。

5Gの大容量通信とMECサーバーを活用することで「おでかけ5G 」から約1,400m地点で操作室からの建設機械の操作と、4台のHDカメラを搭載した建設機械から操作室への映像伝送が問題なく行えることが確認されている。


出典:大成建設

3.さまざまな通信要件を統合するスライシング機能確認

ガスセンサーや環境センサーなどのIoTデバイスを多数設置したトンネル工事現場で災害発生時の安全策として大容量通信を必要とする建設機械の遠隔操作を行うことで、無線通信の容量が逼迫した場合を想定し、スライシングによる優先制御機能の確認を実施。

これにより、通信容量の逼迫した状況下でウエアラブルセンサーやガスセンサーによるトンネル工事現場の安全監視システムの維持と、建設機械の遠隔操作を問題なく行うことが可能になると期待される。


出典:大成建設

まとめ

安全に関する件に関しては、リアルタイム性が求められる部分も少なくありません。特にトンネル工事などの場合は、有毒なガスなど目に見えない驚異があることから、センサーで感知した際に迅速に作業員に伝える必要があります。

5G通信が本格的に普及されるようになれば、IoTデバイス等の活用価値も益々上がることになるのは間違いないでしょう。

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