ゼネコン21社が共同開発する配筋検査システムが次の段階へ

sugitec

ゼネコン21社※は、施工現場の生産性向上を目的としたAIおよび画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発を2019年の4月より進めてきている。この共同研究開発で目指しているのは、配筋工事の施工管理を支援する「配筋チェック機能」と、配筋検査の業務効率を改善する「配筋検査機能」の2つの機能を兼ね備える統合システムの実現だ。

この度、現場にてタブレット端末を用いた「配筋チェック機能」を試行した結果、多様な施工環境において迅速かつ正確な配筋チェック作業に一定の目途が立ったという。これら現場での試行では、各社の配筋画像のAI分析に基づき、システム改良の目標を共有することで効率的開発を実現できることが分かり、今後も現場試行を繰り返すことでより汎用性の高い機能開発を目指すという。

新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮し、人との接触を避けながら施工品質を確実に確保するため、ゼネコン各社には施工情報の効率的な共有と各段階での確認の確実性が求められている。この共同研究開発に参画するゼネコン21社は各社が培ってきた技術やノウハウを協働し出し合いながら急激な社会変化に対応している。

配筋チェック機能照合概略図と検証結果一例


出典:五洋建設株式会社

1.配筋チェック機能概要

配筋チェック機能に必要となる設計データは、この研究開発でフォーマット化した配筋設計データベースに格納される。また、設計値のデータ化はAIエンジンを活用し、設計データを効率的にデータ変換する。

現場ではタブレット端末でチェック位置を指定。十字マーカーを画像の中心にセットし、対象となる配筋写真を複数枚撮影。その写真データを処理サーバーに送信する。

サーバー内ではディープラーニングと画像処理を用い、撮影された配筋の径と本数、ピッチ等を算出。その結果は設計との照合を行い、予め設定された管理値に基づき正誤判定を行う。

2.特長

配筋チェック機能は、クラウドサーバー内に実装されているディープラーニングモジュールで処理を行う。確認者は十字マーカーとタブレット端末があればこの機能が利用できる。そのため配筋作業後は、すぐに配筋チェックができ検査の見落としや検査後の手直し等が防止できる。

また、ディープラーニングモジュールはサーバー上に格納されており、システムの運用中に配筋の追加学習および学習モデルのバージョンアップが容易に実施できるという。

各社では今後もシステムの現場試行を検証結果の分析を続けながら、システム改良・改善を進める。また各社の多様な検証結果の反映、学習モデルのバージョンアップによりシステムの性能を向上させていくことで、利用範囲の拡大や様々な状況にも対応するとのことだ。

共同研究参画会社(五十音順)
[青木あすなろ建設株式会社]、[株式会社淺沼組]、[株式会社安藤・間]、[株式会社奥村組]、
[北野建設株式会社]、[株式会社熊谷組]、[五洋建設株式会社]、[佐藤工業株式会社]、
[大末建設株式会社]、[髙松建設株式会社]、[鉄建建設株式会社]、[東急建設株式会社]、
[戸田建設株式会社、[飛島建設株式会社]、[西松建設株式会社]、[日本国土開発株式会社]、
[株式会社長谷工コーポレーション]、[株式会社ピーエス三菱]、[株式会社松村組]、
[村本建設株式会社]、[矢作建設工業株式会社]


五洋建設株式会社
ゼネコン21社「配筋検査システム共同研究開発」は次のステージへ- 配筋検査チェックシステムを現場試行開始! –
http://www.penta-ocean.co.jp/news/2020/201215.html

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