画像認識AIを活用したカラスの巣の検知サービス

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記事のポイント

・NTTコムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は、画像認識AIである「Deeptector®」を活用した営巣(カラスなどの動物が巣を作る事)検知サービスを提供開始した。

・この営巣検知サービスは、配電設備上のカラスの営巣を発見し、撤去を行う営巣巡視の業務を効率化できるサービスとなっている。

AIがリアルタイムにカラスの営巣を発見・通知、電力設備点検をスマート化

電力会社は、日々安全で安定した電力供給をおこなうために、予防保全を目的に設備点検を日々実施している。特に春先に増加するというカラスの営巣は、その材料として樹枝のほかにハンガーなどの金属製の材料も使われることがあるため、高圧線に接触した場合、停電を引き起こす可能性があるという。

そんなリスクを回避するため、カラスの巣の早期発見と撤去が求められているが、そのためには定期的な巡視が必要となるが、カラスの巣は例え撤去しても繰り返し作られるために、巡視業務に多くの労力を要するのが課題となっていたそうだ。

そんな課題解決のためにNTTコムウェアと四国電力送配電株式会社(以下、四国電力送配電)では、画像認識AIである「Deeptector」を活用した営巣の自動検知と判定の実証実験を続けてきたとのことで、その結果を踏まえてNTTコムウェアは、AI技術によるリアルタイム検知を可能にする営巣自動検知・判定システムを開発し、四国電力送配電が2021年3月にこのシステムを導入した。そしてこの度、2021年4月8日より営巣自動検知・判定の仕組みをサービスとして提供開始するに至ったという。


出典:NTTコムウェア

この「営巣検知サービス」では、自動車やバイクに装備したカメラで、走行しながら電柱などの配電設備を撮影していく。撮影された画像データを画像認識AIの「Deeptector」で解析することで、営巣の検知から判定結果の可視化までを瞬時に行い、撤去指示者へ通知を行うものとなる。

リアルタイムで検知できることで、営巣検知から撤去作業までの時間を短縮する。一般的な営巣検知では、車両から営巣の有無を目視で確認するが、その際に2名の巡視体制が必要となっていたそうだ。しかしこの営巣検知サービスを活用することで、車両の運転手のみで対応が可能となる。

また、詳細確認するために車両を停止する頻度も軽減できることで短時間で広範囲の巡視ができるようになる。


出典:NTTコムウェア

特長

リアルタイム検知・判定機能
対象となる動画や画像からリアルタイムに営巣を検知することが可能。これによって即時に巡視作業者に気づきを与えるとともに、事務所側にメールで判定結果を通知することで撤去までのリードタイムを短縮する。

地図情報と連携した判定結果の可視化
営巣判定した情報はメールで撤去指示者に通知される。また通知される判定結果と位置情報も共有していることから、地図にマッピングして営巣を把握することができる。そのため撤去作業を迅速に手配することが可能になる。


出典:NTTコムウェア

NTTコムウェアでは、今後鉄道などの車両にカメラを搭載することで、営巣巡視業務の適応領域を拡大できる可能性があるという。さらに鉄柱などの様々なインフラ維持管理にも活用が可能で、多様な業界の業務効率化を加速させることが期待されている。


□NTTコムウェア株式会社
画像認識AI「DeeptectorR」を活用した「営巣検知サービス」の提供開始
~AIがリアルタイムにカラスの営巣を発見・通知、電力設備点検作業をスマート化~
リリース記事:https://www.nttcom.co.jp/news/pr21040801.html

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