外壁劣化浮き調査「JAIRA赤外線セミナー」福井で初開催

sugitec

こんにちは。相変わらずの暑さですね。何やら台風がまた発生しており今週の半ば辺りには列島の上陸してくるという予想がされていますので、そちらの方も警戒しておきましょう。

お知らせ

本日はタイトルにあります「JAIRA赤外線セミナー」が福井県(福井県中小企業産業大学校)で初開催されたという話題。JAIRA(一般社団法人日本赤外線劣化診断技術普及協会)ちなみに弊社代表の杉山はこのJAIRAの近畿支部長を務めています。

JAIRAが福井県内でセミナーを行うのは初となり、セミナーには発注機関の県市、大学、コンサル、施工関係者など約45人が集まり、JAIRAの工法の特長や考え方を中心に研修する組と、具体的方法論を学ぶ組にそれぞれ分けておこなわれました。講師はJAIRA会員で技術責任者の西野孝明氏(キューブコンセプト)と南出重克氏(ジビル調査設計)。

セミナーは2日間の実施となり内容は、1日目は講義中心で赤外線調査法の概論からJAIRA赤外線のガイドラインと信頼性、調査の流れや画像を使った事例の紹介など。そして2日目は、実際に赤外線サーモグラフィカメラを用いての実習がおこなわれました。

JAIRA法による赤外線調査の特長

赤外線カメラによる外壁調査は全面打診調査と比較してコストも抑えることができ、調査~報告書提出までもスピーディーなこともあり、コストを抑えられるのであれば…と検討されている方も多いと思います。しかし、値段だけを見て依頼してしまうと後々トラブルに繋がる可能性があります。

理由としては、業者によっては撮影方法の定めがない場合が多く、本来適切な結果が得られる撮影角度などの条件に関係なく撮影をおこなってしまうため、外壁の浮きを見逃してしまう可能性があること。

また、個人の経験で診断しているために個人差があることや、ソフトで機械的に浮きを抽出している場合、正確な浮きとノイズの識別ができていない可能性があります。

赤外線カメラで撮影した画像は皆さん見たことがあると思いますが、基本的には温度の高くなっている所が赤外線調査において「浮き」という考え方ですが、実際はそんなに単純なものではありません。

中には撮影した際に温度が高い部分が出てきたが、別角度から撮影したらその部分の温度は高くない、という矛盾した「ノイズ」と言われる現象が起こります。

このノイズ部分を適切に判断できる教育を受けた技術者、またその技術に信頼できる裏付けが必要です。自社での規格や個人の経験だけで解析をおこなっている場合、浮きとノイズの識別が正確にできていない可能性は高いです。

JAIRA法では撮影方法や解析に至るまで厳格に定められており、その安定した技術力で誰が調査・解析を実施しても同じ結果が得られるようになっています。


出典:JAIRA

JAIRA法での調査のススメ

JAIRA法は撮影のトレーサブルとして「誰が、いつ、どこで、どのような状況で撮影したか」の表示の義務化や、手順書により現場監督、撮影の画角割、撮影機材の仕様など厳しく規格化。

これら技術はJAIRAサーモグラファーステップ2認定試験で公正な審査を受けた技術者のみに継承されています。そしてこの高品質の調査手法は高く評価されており、国交省告示第282号に沿う「特殊建築物等の定期調査における外壁の劣化損傷状況の赤外線調査のガイドライン」としてJAIRAより市場開示されています。


出典:JAIRA

いかがでしょうか?個人の経験ややり方だけで調査・解析をおこなうのとは、明らかに信頼性の度合いが違います。定期報告の提出の為にコストを抑えて赤外線調査を選択するのは間違いではありませんが、本来の目的は建物の維持保全。

その診断結果はエビデンスとして信頼足り得るものなのか?が非常に重要です。コスト面を見すぎて結果、後々のトラブルに発展したり最悪は建物の利用者の安全が脅かされることです。


そうならない為にも発注側も安全第一の意識は高く持たねばなりません。調査をおこなう側も安心と信頼を担保するためにJAIRA法のような厳格な規格は必須と言えるのではないでしょうか。

まだまだこれからのストック時代、赤外線カメラでの調査市場も成長してくると思われますが、そこではJAIRA法のように確立された診断手法が根付いていることを願います。

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