NEDOが自律運航AI搭載ドローンで、配送の実証実験を実施

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概要

革新的ドローンAI技術の研究開発プロジェクトに取り組む、国立研究開発法人新エネルギー産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、佐川急便株式会社(以下、佐川急便)の協力のもと、物流分野を担当している東京大学、イームズロボティクス株式会社と共に、自律運航AIを搭載するAIドローンで荷物を配送する実証実験を実施した。

実証では、飛行中にAIが人を検出した場合に自動で一旦停止し、人がいなくなると自動で飛行再開する機能や、衝突リスクが低いルートを自動生成する機能などが確認された。

レベル4環境下の物流現場でドローンが利用される社会を目指して

政府では2022年12月を目処に、有人地帯における補助者なし目視外飛行、所謂「レベル4」を実現を目指しているが、ドローンはオペレーターが地上からの操作で監視や操作を行う必要があり、パイロットの判断で様々な状況に対応ができる通常の航空機とは異なることから、レベル4飛行の実現には自律運航が可能なAI技術が求められている。

これを踏まえ、NEDOでは2018年度から「人工知能技術適用によるスマート社会の実現」で、東京大学、産総研、イームズロボティクス、日立システムズと「人工知能技術の社会実装に関する研究開発/サイバー・フィジカル研究拠点間連携による革新的ドローンAI技術の研究開発プロジェクト」を推進している。

プロジェクトでは、必要になるAI技術を3つのフェーズに分けて、産学官連携による段階的研究開発の中、概念実証(PoC)と随時評価を行いながら開発を行っているという。

フェーズⅠ:人・車両など物体を認識する機能により安全を確保する「自律運航AI技術」
フェーズⅡ:機器故障に起因する異常を検知・判断する「故障診断AI技術」
フェーズⅢ:機器故障時に環境認識により無人地帯を選択し安全に着陸する「緊急着陸AI技術」

今回、佐川急便の協力のもと、上記フェーズⅠ「自律運航AI技術」開発の一環で、自律運航AIを搭載したAIドローンを用いた荷物配送の実証実験が実施された。

飛行中にドローンが人を検出した際の自動一旦停止や、人がいなくなった際に自動飛行再開からの配送を行う機能など、物流事業者の実フィールドで検証され、有効性を確認したという。

資料:NEDO URL:https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101542.html

実証では、イームズロボティクス製のドローン(UAV-E6106FLMP)に「自律運航AI」を実装したAIドローンを用い、佐川急便相馬営業所と柚木公会堂を結ぶ1.5kmを往復で飛行する実験が行われた。

資料:NEDO URL:https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101542.html

東京大学とイームズロボティクスは、佐川急便相馬営業所から柚木公会堂へ向けた荷物輸送(往路)において、ドローンに搭載されたAIが飛行中に人を検出した場合に自動で一旦停止し、人がいなくなると自動で飛行再開する機能を確認。

資料:NEDO URL:https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101542.html

また荷物の配送を終えた復路では、AIドローンが住宅や道路などのリスクの高いエリアを判別することで、柚木公会堂からの飛行前にリスクの高いエリアを回避する最適なルートを生成したことが確認されたという。AIドローンは飛行ルート通りに佐川急便相馬営業所まで約7分で飛行したとのことだ。

資料:NEDO URL:https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101542.html

各社、機関では今回の実証で得た知見を基にさらなる飛行実績を蓄積し、安全な飛行技術の研究開発を進め、レベル4環境下の物流現場でAIドローンが利用される社会を目指していくとしている。

参考・関連情報・お問い合わせなど

□NEDO:https://www.nedo.go.jp/
参考記事:https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101542.html

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