岩崎電気株式会社は、福岡県糸島市で画期的な次世代型街路灯「エネルギーポール」の実証実験をスタートしました。このポールは、単なる街路灯の枠を超え、再生可能エネルギーや無線給電、直流LED照明を活用して、災害時のライフライン確保やドローンを活用したインフラ監視を実現するものです。
「エネルギーポール」は、通常時の街路灯としての機能に加え、非常時にはスマートフォンなどの充電スポットとして機能するほか、ドローン用無線給電ステーションとしても活用可能です。このように、光環境に「プラスアルファ」の価値を提供し、安全で安心な街づくりを支えます。
「エネルギーポール」の特長とサステナブル社会への貢献
この革新的なポールの特徴は以下の通りです。
- 照明機能の進化
再生可能エネルギーを活用した自立型の直流LED照明は、エネルギー効率が高く、通常時・非常時を問わず安定した光環境を提供します。 - ドローン活用の基盤整備
無線給電技術を用いたステーション機能により、災害時の迅速なインフラ確認や道路状況の監視が可能になります。これにより、復旧作業や見守り活動がより効率的に進むことが期待されます。 - 非常用電源スポットとしての役割
スマートフォンやその他小型機器を充電できる臨時電源スポット機能を備え、災害時の情報アクセスを確保。被災者の不安を和らげる助けとなります。

段階的実証で実用化を目指す取り組み
今回の実証実験は2026年までを目標に2段階で進められます。
- 第1ステップ:耐環境性能と電源供給能力の検証
フレキシブル太陽電池や無線給電部の耐久性や実用性を確認します。 - 第2ステップ:ドローン運用の総合検証
ドローンを活用した実際の運用方法を検証し、災害時の活用可能性を探ります。
この実証実験は、地域の直流給電システムを推進するDC Power Vil.株式会社や、無線給電技術を提供する株式会社ビー・アンド・プラスと連携して進められており、「エネルギーポール」は意匠特許も出願済みです。
光と技術がもたらす未来像
「エネルギーポール」は、サステナブルな社会を実現するための重要な要素を体現しています。自然災害が頻発する現代において、非常時に迅速に情報を収集し、人々の不安を和らげることは欠かせません。また、再生可能エネルギーを活用することで、環境負荷の低減にも大きく寄与しています。
岩崎電気の取り組みは、地域社会に安全・安心を提供するだけでなく、再生可能エネルギーや新技術を活用した次世代型の都市インフラ構築を推進するものです。特に、街路灯が持つ機能を超えて災害対応やドローン活用にまで展開するこの発想は、未来の街づくりのモデルケースとなる可能性を秘めています。

まとめ:技術革新と持続可能性の融合が鍵に
「エネルギーポール」は、単なるエネルギー効率の向上にとどまらず、災害対応や地域の安全性向上にも直結する先進的な取り組みです。このような「プラスアルファ」の価値を提供する技術は、これからの社会に求められる重要な要素といえるでしょう。
日本では近年、災害対応力の強化や脱炭素化が喫緊の課題となっています。「エネルギーポール」のような取り組みが全国的に展開されれば、地域社会の防災力と環境保護意識を同時に高めることができるはずです。今後の実証実験の成果が注目されるとともに、こうした取り組みがさらに多くの地域に広がることを期待しています。
□岩崎電気株式会社
事業内容:各種光源、照明器具、光環境機器(紫外線・赤外線・電子線応用)の製造および販売
URL:https://www.iwasaki.co.jp/
□DC Power Vil.株式会社
事業内容:直流機器の開発、直流安全技術の実装、導入支援、コンサルティング
URL:https://dcpowervil.co.jp/
□株式会社ビー・アンド・プラス
事業内容:ワイヤレス給電・充電技術の専門メーカー
URL:https://www.b-plus-kk.jp/