三菱電機と産総研がAI開発で連携

sugitec

こんにちは。本日2月6日は「ブログの日」らしいです。2と6でブログのブロ(26)の語呂合わせということで、なんだそれはと言う感じですが、サイバーエージェント社が日本記念日協会に認定を受けているそうです。

とはいえ日本記念日協会自体が一般社団法人であり、公的機関ではないので誰でもお金さえ払えば申請可能。昨今ではネット上で◯◯の日というのをよく見かけますが、あれは冗談で言っているのではなく実際にこの記念日協会に認定を受けたものです。

身も蓋もないですがいい商売です。記念日があればそれでアピールできますし作りたい人は多いでしょう。考えた人は賢いですね。

さて、本日はAI技術のご紹介。三菱電機と産総研(国立研究開発法人 産業総合研究所)が工場での生産前に必要な機器の調整などの生産準備作業を効率化するAIを開発したそうです。

FA機器システム技術の三菱とAI技術の産総研の融合


出典:産総研

生産工場では、生産の前に必ず必要になってくるFA(ファクトリーオートメーション)機器の調整や、機器によってプログラミングなどの生産前準備が必要となります。

この生産前準備作業を大幅に効率化できるAI技術を開発したそうです。これは産総研の保有していたAI技術が三菱電機との連携によってFA分野で有用となったものとのこと。

今後は三菱電機のAI技術である「Maisart®(マイサート)」のひとつとして、三菱電機のFA機器・システムに実装を進めていくそうです。


出典:三菱電機

Maisartとは

17年5月24日から開始された三菱電機のAI基盤技術および応用技術などをAI技術ブランドとして展開するもの。独自AI技術を三菱電気の製品に順次搭載することで、全ての機器をより賢くし、より安心・安全・快適な社会の実現に貢献していくものです。


出典:三菱電機

研究開発特長

1.サーボシステムの位置決め制御を1日で自動調整
・三菱電機の駆動制御技術と産総研のベイズ最適化応用技術を融合し、熟練技術者でも調整に1週間以上かかる位置決め制御を1日で自動調整。

・熟練技術者でも調整が困難な8種類720個のパラメーターを調整し、位置決め時間を最大で20%短縮できる高速位置決め制御を実現。

詳細

速さが求められるサーボシステムの位置決め制御では、目標の位置や移動する距離によりシステムの振動などの特性が異なることが多いため、それぞれに合わせ最適な駆動速度や加速度を設定する必要があります。

それらを設定するパラメーターの種類が多くなると調整が困難なので、これまでは熟練技術者が2種類18個のパラメーターを調整していましたが、今回熟練技術者でも調整が難しい8種類720個に拡張し、AIを活用して自動調整を可能にしています。

結果、熟練技術者が1週間かかっていたパラメーター調整をたった1日で完了。位置決め時間を最大で20%短縮することができたそうです。

2.熟練技術者に頼らないレーザー加工品質の自動判定を実現
・三菱電機のレーザー加工のノウハウと産総研の画像認識向け機械学習技術を融合。加工面の画像からその品質を熟練技術者と同等のレベルで自動的に判定。

・判定結果に基づき良好な加工品質が得られる条件を、熟練技術者に頼らずに調整できる標準的手順を開発。

詳細

レーザー加工機による板金切断加工では、工作物の表面状態など様々な要因で加工面の品質が低下することがあり、熟練加工者が目視で品質を判定しつつ、状況に応じ適切な加工条件を変更し加工品質を向上させていたそうです。

今回のAI技術では、熟練技術者と同等レベルで加工品質を自動判定できるようになり、さらに判定結果に基づき加工機オペレーターが自分で加工条件変更し、品質を向上させる標準的手順も開発。これによって熟練者に頼らない品質向上の調整が実現。

3.産業用ロボットの異常処理プログラム作成時間を1/3に削減
・三菱電機の力覚制御技術と産総研のデータ分析向け機械学習技術を融合。産業用ロボットを用いた組立作業における異常発生状況を効率よく学習。

・産業用ロボットシステムの立ち上げ時に大きな負担となる異常処理プログラムの作成時間を3分の1に削減。

詳細

産業用ロボットは異常状態をあらかじめ想定し、異常が発生した際に正常動作へ復帰させるための異常処理プログラムが必要。従来ではロボットの動きよりも異常処理プログラム作成に多くの時間が費やされていたそうです。

今回の技術では、ロボット動作時に得られる力覚センサーの出力から異常発生状況を学習させることで、システムごとに個別で作成していた異常判定のアルゴリズム開発が不要になり、異常処理プログラムの作成時間を3分の1にまで削減。

まとめ

工場の生産機器などは一旦流れ出すとそのままスムーズに作業は進んでいきますが、そこに至るまでの準備段階に時間をとられることは比較的多いです。

サーボシステムの位置決め制御というのがどういうものかよく知らないのですが、人が設定を行おうとするとパラメーターの数に限界がある上に調整に1週間かかるということで、いかに大変なものかが分かります。

後は品質面ですね。これも熟練技術者が加工品質を確認しながら加工条件を変更する必要があるので、加工していく中で品質が落ちた際に再度見直す手間があります。熟練技術者が設定した条件で経験が浅い人が加工したとしても、軌道修正ができないので結局は熟練者に頼ることになります。

これらの問題がAIで解決できるのは大きいですね。おそらく生産工場共通の悩みの種になっている部分だと思われますので、このような技術が普及すれば生産性はかなり向上するでしょう。

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