空飛ぶクロネコ。ヤマトホールディングスの狙い

sugitec

こんにちは。管理人のHashitecです。急速に技術進歩が進むドローンですが、本日はドローン配送の話題。

昨日ヤマトホールディングスから「貨物eVTOLシステムを用いた空輸/ラストワンマイル一貫輸送サービスの2020年前半のサービス導入に向けた機能実証実験に成功」というニュースがありました。


出典:ヤマトホールディングス

2018年に米国のテキストロン社の傘下であるベルヘリコプター(以下ベル)と、ヤマトホールディングス株式会社(以下YHD)は「空飛ぶ輸送」を実現すべく協力することに合意していますが、その合意内容を基に2020年前半のサービス開始に向けた取り組みの第一段として実証実験を行っています。

ベル開発の自立運航型ポッドとYHD開発の空輸ポッドユニットの機能実証

実験の背景と概要

ベルとYHDはお客様に新たな価値を提供すべく、両社の培ってきたノウハウを融合させた空の新たな輸送モードの構築を進めており、その実現で大型・中型eVTOL機(電動垂直離着陸機)を活用した物流領域においてグローバルリーダーとなることを目指しています。

今回の実証実験に使用されたドローンですが、以下の写真のようによくある形ではなくかなり大型。


出典:ヤマトホールディングス

このベル社の「APT70」ですが、テイルシッター(垂直離着陸機)型というこれまでドローンではあまり見なかった形。昔サンダーバードでこんなのありましたね。

時速160kmで飛行するそうで、この「APT70」のスペックによって完全に別次元の輸送サービスやオペレーション効率の向上を実現できるそうです。


出典:ヤマトホールディングス

荷物の積載にはYHDが開発した「PUPA70XG」という貨物ユニットで積載量は32kg。この独特の形には意味があり、巡航中には高い空力特性を持ち、地上では様々な環境下でも荷積みや荷下ろしが容易になります。

これには人間中心設計思想に基づいた、ヤマトグループの100年分の物流ノウハウが活かされた未来の貨物ユニット。

ヤマトのドローン配送に対する考え方

最近ドローン配送の話題が増えてきており、このブログでも何度かご紹介してきましたが、共通しているのが「ラストワンマイル」をドローンで完結しようとしている部分。

ラストワンマイルとは、末端になる配送拠点から届け先のエンドユーザーを結ぶ区間のこと。配送ドライバーがエンドユーザーの元へ向かい荷物を受け渡ししている部分ですね。

多くの企業ではこのラストワンマイルの部分をドローン配送に置き換えるという技術の競争をしている状況ですが、ヤマトはそこではなく、拠点センター間の輸送にドローンを活用することに重点を置いています。


出典:日経新聞

そしてラストワンマイルの部分は、無人運転車を利用した移動式の宅配ロッカー的な「ロボネコヤマト」で配達を行うという実現可能性の高い非常に現実的な内容です。

※ロボネコヤマトは2017年より実用実験が行われ、昨年で一旦終了しています。

まとめ

ドローン配送と聞くと、ドローンで個人宅まで配送する、というイメージもあり実際にそれが実現すれば、人手不足に悩む物流業界としてはメリットも大きいであろうことは想像がつきます。

しかし、現実問題として本当にドローン配送が実現するのか?というと、懐疑的な方は多いのではないでしょうか?普通に考えてみて、既に技術的には可能だと思いますが、ドローンの着陸や荷物の投下に必要とするスペースの問題や、そもそも人口密集地域における住民のコンセンサスは取れるのか?といった所などクリアすべき課題は山程あります。

個人的には、ドローン配送よりも先にロボネコヤマトのような自動運転車(ロボット)などによる配送の実現が先だと思っていますし、そうなるでしょう。

あくまで拠点センター間への輸送の効率化に舵をとっているヤマトの方向性は、実現可能性が高く非常に現実的。完全なドローン配送よりも圧倒的に早く実現するのは間違いないと思われます。

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