記事のポイント
・株式会社センシンロボティクス（以下、センシンロボティクス）が、ENEOS株式会社（以下、ENEOS）川崎製油所の行っている石油プラントの保守点検業務の効率化に向け、ドローンソリューションを用いた自動点検の実証を行った。
・用いられたドローンソリューションは、センシンロボティクスの「SENSYN FLIGHT CORE」を中心としたもの。安定した自動飛行が可能で、点検にドローンを用いることでタンク上の浮き屋根の点検が可能となる。
石油プラントの保守点検の安全性向上と効率化に向けた自動点検の実証
センシンロボティクスはENEOS川崎製油所と共同で、石油プラントの保守点検業務の安全性向上と効率化に向けた、ドローンソリューションを活用した石油タンク及び配管の自動点検の実証実験を行った。
センシンロボティクスの提供しているドローンソリューションサービスの「SENSYN FLIGHT CORE」を中心とする技術は、簡単な操作でドローンの安定的な自動飛行を実現する。ドローンを点検に活用することで、定期的に行っているという石油タンク上にある浮き屋根点検が可能となる。
今回行われた実証実験では以下のような結果が得られたという。
浮き屋根式タンク定期点検業務
ENEOS川崎製油所では、毎日対象のタンクに人が登って目視で点検を行っているそうだが、それをドローンに置き換えた場合、上空から1基あたり5分程度の作業で対応可能となり、目視確認の代替手段として活用できることが確認された。
出典：センシンロボティクス
配管点検業務
ドローンにより複数段かつ横10列程度並んだ配管の奥まで、サポート部の劣化状況を確認することができ、機体のカメラをサーマルカメラに切り替えることで配管の劣化箇所も特定することができた。
出典：センシンロボティクス
出典：センシンロボティクス
出典：センシンロボティクス
現在、石油精製などのプラントにおいて、生産性向上や安全・安定的な操業の維持が求められる中、プラント設備の高経年化や若手人材の経験不足、ベテラン人材の引退などによる保安力低下が懸念されているそうだ。
そのような背景の中、ドローンを活用することによって、塔などの高所点検の容易化や大型石油貯槽タンク塔の日常点検頻度の向上によって事故の未然防止や災害時の迅速な現場確認が可能となり、プラントの保安力・利便性の向上や労働災害の減少に繋がることが期待されている。
センシンロボティクスでは、将来的にユーザー自身がソリューションで設備の自動点検を簡単に行い、デジタル技術を活用した製油所安定、効率操業体制の確立支援を目指す。また、ドローン以外のロボティクス技術を活用したソリューションも視野に入れているという。
□株式会社センシンロボティクス
「センシンロボティクス、ＥＮＥＯＳ 川崎製油所と共同で 石油プラントにおける保守点検業務の安全性向上・効率化に向け、 石油タンク及び配管の自動点検の実証実験を実施」
リリース記事：https://www.sensyn-robotics.com/news/eneos-kawasaki
