戸田建設、引抜力と靭性に優れた繊維補強モルタルを開発

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記事のポイント

・戸田建設株式会社(以下、戸田建設)は、ポリプロピレン繊維と円形状の鋼繊維(リングファイバー)を混合した独自の繊維補強材(ハイブリッドファイバー)を無収縮モルタルに添加した繊維補強モルタルを開発した。

・従来よりも引抜力と靭性が高いこの繊維補強モルタルは、道路橋の鋼桁と道路床版の接合部に適用し耐火性能向上に繋げるなど、幅広い用途への適用と品質向上が期待されている。

鋼桁と道路床版の一体性を高め、道路橋の耐荷性能を向上

戸田建設は、ポリプロピレン繊維と円形状の鋼繊維を混合した独自の繊維補強材を無収縮モルタルに添加した、新たな繊維補強モルタルを開発した。道路橋の鋼桁と道路床版の接合部に適用し、従来よりも耐荷性能向上に繋げるなど、幅広い用途への適用と品質向上が期待されている。


出典:戸田建設

ハイブリッドファイバーは、ポリプロピレン繊維と円形状の鋼繊維(リングファイバー)を混合したもので、コンクリートに添加することで、低コストでひび割れの発生の抑制(曲げ靭性向上)が可能となる。

これまで、トンネル工事で使用される吹付コンクリートに適用し、上記の利点と施工時の安全性向上が確認されているそうだが、戸田建設ではさらなる適用範囲拡大に向けた研究開発を続けてきたという。

技術の特徴

この新技術は、ハイブリッドファイバーを無収縮モルタルに添加したもので、ポリプロピレン繊維のみを添加した繊維補強モルタルと比較して、引抜耐力の向上とひび割れ発生後の荷重保持力が高く、さたに靭性が向上することが実験で確認されている。


出典:戸田建設

近年、道路橋の老朽化に伴い、傷んだ道路床版をプレキャストPC床版へ取り替える工事が全国各地で行われている。この工事において鋼桁とPC床版はスタッドジベルと呼ばれる鋼桁に設けられたズレ止めによって接合しており、ジベル孔開口部に充填する材料の品質はスタッドジベルとPC床版の一体性を確保するために極めて重要である。

そこで靭性と引抜力に優れた今回の技術を道路橋の鋼桁と道路床版の接合部に適用することで、従来よりも密着性や一体性を高め、道路橋の耐荷性能向上に繋がることが期待されるという。


出典:戸田建設

戸田建設では、道路橋の大規模更新工事の品質向上および工期短縮の実現に取り組んでおり、今回の技術を道路橋の品質向上技術として積極的に展開するとともに、材料の特性を活かした幅広い用途への適用拡大に向け、さらなる技術開発を続けていくとのことだ。


□戸田建設株式会社
引抜力と靭性に優れた繊維補強モルタルを開発
リリース記事:https://www.toda.co.jp/news/2021/20210617_002943.html

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