Google 「Chrome」に内蔵された機械学習でサイトを識別し、迷惑通知を自動で遮断できる機能を追加したと発表。

sugitec

概要

Google社がウェブブラウザ「Chrome」において、ブラウザに内蔵された機械学習でウェブサイトを識別し、危険なサイトへの移動や、危険なファイルをダウンロードしようとすると警告を表示するセーフブラウジング機能を搭載している。今年3月から新しい機械学習モデルを導入し、悪意のあるサイトやフィッシング攻撃を以前のモデルの2.5倍多く特定できるようになったニュース。


本日、7月15日はGoogleの親会社であるアルファベット(GOOG/GOOGL)は、1株を20株に分ける株式分割を実施する予定日です。

第1四半期、アルファベットは売上の80%をGoogleの広告ビジネス(YouTubeを含む)から得ていました。同社の広告ビジネスもマクロ経済の影響に無縁ではなく、インフレやCOVID-19のパンデミックの両方で一時的な減速を強いられ、さらにFRBの銀行金利のさらなる利上げが加速するとの投資家達の思惑が全分野で入り交ざり、市場は日々、大きく乱れるまさに時化の中での株式分割という船出。
週明けからのアルファベット号は、いかなる航路が待ち受けているのでしょうか。

アルファベットの株価はこの1年間の最高値から23%下落していますが、この分割により、アルファベットの一株の株価は約2,300ドル(約32万円)から115ドル(約1万6千円)に下がりますが、時価総額やバリュエーションが変わることはないと思われます。

また、株価が下がることで個人投資家の注目を集める可能性はあります。くわえて、株価が低くなることから、いずれは価格加重方式を採用しているダウ平均に採用される可能性もあります。

2011年から2021年の間に、Googleの年間広告収入は365億ドルから2095億ドルに増加し、年平均成長率は19.1%に達しました。
市場調査子会社eMarketerは今年、Googleが米国のデジタル広告市場の27.7%を支配し、メタ・プラットフォームズ(FB)、アマゾン(AMZN)を抑えて首位に立ち、中国以外のほとんどの市場でも首位を維持すると推定しています。

Googleのコアビジネスがこれほどまでに急成長したのは、そのエコシステムが事実上、私たちのデジタルインフラに定着しているからでしょう。

ご存知のように世界最大のオンライン検索エンジン、世界で最も広く使われているモバイルOS(Android)、最も人気のあるウェブブラウザ(Chrome)、トップシェアのウェブメールサービス(Gmail)やオンライン地図サービス(Google Maps)、最大の無料ストリーミング動画プラットフォーム(YouTube)を同社は所有しています。
さらに、YouTube Music、Google Workspace、Google Pay、Googleフォトなど、サービスのリストも増え続けています。

これらのサービスによるデジタルな触手は一貫してユーザーから個人データを収集し、エコシステム全体でより良い広告のターゲットを絞るために使用されています。このアプローチは、特にプライバシー擁護派や反トラスト法規制当局の間で議論を呼んでいますが、広告主にとっては驚くほど効果的なパートナーです。

さて、本日はGoogleのサービスの一角であるウェブブラウザ、Chromeからのリリースニュースをお届けします。

みなさんがご使用されているウェブブラウザは「Chrome」でしょうか?
それとも、iPhoneを愛する国民性から「safari」でしょうか。
または、ビジネスPCの定番の「Microsoft Edge」でしょうか?

セーフブラウジング機能を搭載している「Chrome」

Googleでは、機械学習(ML)などのテクノロジーを使用して、スパムメールの除外から最新地図の維持、より関連性の高い検索結果の提供まで、より便利なサービスを構築しています。
Chromeも例外ではありません。

MLを使用して、目の不自由な人や視力の弱い人がWeb画像にアクセスしやすくします。
また、騒がしい環境の人や難聴の人にサービスを提供するために、オンライン動画のリアルタイムのキャプションを生成しています。

Chromeでもこの機能は継続されているため、より安全で、よりアクセスしやすく、よりパーソナライズされたブラウジングエクスペリエンスを提供する現在、および未来のMLの改善点を共有したいと思いました。

機械学習 ML:Machine Learning
簡単に記しますと、人間が経験から学ぶように、機械がデータから学習することを機械学習ML)と呼びます。例えば犬や猫の画像データから「あれが犬」「これが猫」と判断できるように機械(ここではデバイスのOSに組み込まれているAIなど)が学習する。
機械学習には例えば、回帰分析や主成分分析、決定木、サポートベクタマシン、ディープラーニング(=ニューラルネットワークという仕組みを発展させたもの)など多くの手法があります。

より安心で煩わしさのないプロンプト

Chromeのセーフブラウジングは、人々が危険なサイトに移動したり、危険なファイルをダウンロードしたりしようとしたときに警告を表示することで、毎日何十億ものデバイスを保護するのに役立ちます(下の大きな赤い例を参照)。

今年の3月から、以前のモデルの2.5倍の潜在的に悪意のあるサイトとフィッシング攻撃を特定する新しいMLモデルを展開しました。これにより、より安全で安全なWebが実現します。

ブラウジングエクスペリエンスをさらに向上させるために、ユーザーがWeb通知を操作する方法も進化させています。

一方では、ページ通知は、関心のあるサイトからの更新を配信するのに役立ちます。
しかしながら、通知許可プロンプトは迷惑になる可能性があります。

ユーザーが最小限の中断でウェブを閲覧できるように、Chromeは、ユーザーが以前に同様の権限プロンプトを操作した方法に基づいて、権限プロンプトが付与される可能性が低い時期を予測し、これらの不要なプロンプトを停止しています。

Chromeの次期リリースでは、これらの予測を完全にデバイス上で行うMLモデルをリリースする予定です。

資料引用:Google Chromeの次のリリースでは、これがフィッシングの試みが検出された場合に表示され(左)
ユーザーが許可要求を許可する可能性が低い場合(右)、Chromeは許可要求を通常での表示をします。

常にあなたの言語で重要なものを見つける

今年の初めに、人々がオンラインで自分の行動履歴をたどるために「Journeys」を立ち上げました。

※くわしくは、こちらで(https://blog.google/products/chrome/finding-answers-gets-better-chrome/

例:国立公園への訪問の計画に数週間を費やす場合があります。
  アトラクションの調査、フライトの比較、ギアの購入などです。

MLとJourneysを使用すると、Chromeは特定のトピックについてアクセスしたページをまとめ、中断したところから簡単に再開できるようにします(ブラウザーの履歴を確認するのとは異なります)。
検索したハイキングブーツやキャンプガイドのページに戻ると、MLを使用してこれらのWebサイトを希望の言語で利用できるようにしています。

特に、ページの言語を把握し、好みに合わせて翻訳する必要があるかどうかを判断するために、更新された言語識別モデルをリリースしました。その結果、毎日何千万もの翻訳が成功しています。

資料引用:Google Chromeのジャーニー機能は、トピックや意図に基づいて検索履歴をグループ化します。

あなただけのために作られたブラウザへ

朝にニュース記事を読みたいと思うかもしれません。
片方の手にスマホ、もう片方の手にシリアルスプーンがあるので、Chromeからのリンク記事を提供してくれます。あるいは、トランジットに乗って仕事をしているときに、リサーチには音声検索の方が便利かもしれません。

いずれにせよ、Chromeが現在の場所で、あなたに適した検索手段を選べるように、近い将来、MLを使用してツールバーをリアルタイムで調整し、その瞬間に最も役立つアクションを表示します。(例: 共有リンク、音声検索など)。
もちろん、手動でカスタマイズすることもできます。

資料引用:Google Android上のChromeのツールバーは、ニーズに応じて調整されます。

おわりに

意識していないと、Googleのニュースリリースを察知するのを見逃してしまいがちです。
知らないうちに、手持ちのデバイスが自動的にデータ更新され、「あれ?こんな機能あったか」というご感想をお持ちの方も多いでしょう。
または、アカウントの設定を操作していて、ご自分の行動履歴をGoogleに「監視」されていると、ふと思われる方もいらっしゃるでしょう。ライターも、ふと思う時もあります。

しかし、今回のニュースリリースのようなユーザーの安全を守護する社会的役割として、悪意のあるサイトの回避やフィッシング攻撃の防止できるセーフブラウジング機能は、世界の人々により安全で、より快適に情報発信と取得、そして、ユーザーが次に続くアクションへの手助けに蔭ながら寄与していると思います。必要な空気や水のように、時に風のようにでもあり・・・

本日も読んでいただき、ありがとうございました。


参考・関連情報・お問い合わせなど

Google
リリースニュース:
https://blog.google/products/chrome/building-a-more-helpful-browser-with-machine-learning/

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