城東リプロン株式会社(以下、城東リプロン)は、清水建設株式会社(以下、清水建設) と協業し、
日本道路(株)(本社:東京都港区、社⾧:石井敏行)と伊藤忠プラスチックス(株)(本社:東京都千代田区、社⾧:林 英範)の協力を得て、清水建設の建設現場で回収した廃プラスチックをプラスチック製雨水貯留槽(ハイドロスタッフ🄬)の構造体にマテリアルリサイクルし、清水建設の建設現場に戻す取り組みを開始というリリースニュースをおとどけします。
建設現場由来の廃プラを長期間地中に固定し資源循環社会へ

樹脂製品の製造工場で発生した不良品/端材などの未製品の廃プラスチックを原料とするリサイクル材(PIR 材)は、品質が安定している事もあり50 年以上前から再生プラスチックとして産業分野でマテリアルリサイクルされてきました。
一方、消費者使用済みの製品の廃プラスチックは、汚れや異物が多く、複数の樹脂製品が混在して品質も安定しにくいため、リサイクル材(PCR 材)としての利用が難しく、マテリアルリサイクル拡大の課題となっています。
その中でも、建設現場由来の廃プラスチックのマテリアルリサイクル率はさらに低い状態でした。
城東リプロンは、1988年より再生プラスチックのマテリアルリサイクルに取り組んできました(2016 年に3R 推進協議会より3R 推進功労者等表彰「経済産業大臣賞」を受賞)。
原料調達から材料配合設計/コンパウンド化(材料造粒)/射出成型/組立まで自社で一貫製造しているノウハウを活かし、清水建設(株)の建設現場内で高度分別され、再資源化事業者(リサイクラー)で材料化した廃プラスチックを、プラスチック製雨水貯留槽の構造体にマテリアルリサイクルできるように、材料配合設計/現物試作試験を行い、使用方法を確立しました。
プラスチック製雨水貯留槽として利用する事で、1つの物件で大きさによっては数トン~数十トンの廃プラスチックをマテリアルリサイクルする事が可能です。
また、⾧期間(一般的に50年以上)地中に埋められて使用されるため、消耗財とは違い、廃プラスチックを⾧期間安定的に固定でき、環境への貢献度も高い用途となります。
今後、雨水貯留槽への利用を拡大するとともに、さらに新たな材料開発・製品開発も進めて、雨水貯留槽以外の用途にも展開していく事で、建設現場由来の廃プラスチックの更なる利用拡大を促進し、資源循環社会の実現に寄与していく考えです。
資料引用:城東リプロン
おわりに
今回のリリースニュースから、建設現場由来の廃プラスチックが、高度なリサイクル技術によって長期安定性と構造耐久性を兼ね備えた材料へと生まれ変わることが確認できました。
現在、この材料は地中に50年以上固定される雨水貯留槽の構造体として活用されています。
これは、廃プラスチックを消費財ではなくインフラの一部として長期間固定するという点で、環境負荷の低減に大きく貢献する優れた転用モデルです。
この「耐久性」「長期固定性」「非装飾性」という強みを活かせば、今後さらなる利用拡大が見込めます。具体的な転用先を考えてみましょう。
●土木・インフラ資材: 道路建設用の軽量盛土材、舗装ブロック、側溝、水路関連製品など。
●クローズド・ループ資材: 現場から出た廃材を再び現場で使う養生板、仮設フェンス基礎など。
●機能性建材: 遮音パネルや非構造壁材など、耐久性や機能が重視される分野。
建設廃プラスチックのリサイクル率向上は、資源循環型社会実現の鍵となります。雨水貯留槽以外の幅広い分野への展開に、今後も大いに注目していきましょう。
【本件に関するお問い合わせ先】
□城東リプロン株式会社
リリースニュース
https://lyprone.com/infomation/1327/
ハイドロ営業部 / マテリアル事業(担当:古武(こたけ))
お問い合わせフォーム https://lyprone.com/contact/#mail_contact
□清水建設株式会社
リリースニュース
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2025/2025040.html