地下の狭小空間を自律飛行で調査できるドローン

sugitec

こんにちは。昨年8月に、日本初となる「ドローンを使った老朽下水管きょの点検調査」をおこなった事例をご紹介しました。下水管はGPS電波の届かない地下にあることもあり、ドローンを飛ばすのは難しいとされていました。

それがドローンインテグレーターのブルーイノベーション株式会社さんの技術で可能となり、実験では作業員が点検作業を1日中おこなって600mである所を、ドローンを使うことで5.4kmという驚異的な作業効率を得られることが実証されました。

更なる進化を遂げたドローンで点検実験実施

今回プレスリリースのあったドローンの点検ですが、ブルーイノベーションさんの他に、三菱地所株式会社丸の内熱供給株式会社株式会社Liberawareの4社共同で実施されています。

場所は東京都千代田区の「丸の内オアゾ」周辺の地下。オフィスビルの空調用エネルギーを供給するプラント間を結ぶ熱供給用の洞道で点検されたようです。


出典:ブルーイノベーション

洞道は内径2m前後で、その内部に冷暖房用の蒸気配管や冷水配管、通信線等が収められているようなので、通路幅は約60cmという狭小空間。


出典:ブルーイノベーション

そこに20cm幅のドローンを飛行させるので、周囲の配管に衝突させずに飛行させるのは、かなりの精密さが必要となります。

地下環境で自律飛行ができるドローン

その点検に使われたドローンですが、驚くべきことに地下という環境にも関わらず自律飛行が可能です。以前にご紹介した時のものは、電波で手動操作していた調査イメージでした。


出典:ブルーイノベーション・日水コン

それが今回、手動ではなく自動的に飛行し、点検をおこなっていくようになっているのですから、わずか半年でこの進化は驚きです。

何故GPS電波がないのに位置を把握し自律飛行できるのか?

ドローンは屋外での飛行を想定して作られているので、GPSでの位置制御が当たり前になっていますが、その電波の届かない地下空間の点検に適用すること自体、そもそも難しいというのが普通の意見です。

以前の老朽下水管きょの点検の際のように、手動操作でドローン操作をする形になるでしょう。


出典:ブルーイノベーション

GPS電波無しで自律飛行ができる技術としては、ドローンに搭載された衝突回避センサーでの衝突回避と、複数のカメラでの空間情報の解析、距離の把握、そしてそれを地図データと組み合わせることで自機の位置把握が可能になるので、それらで自律飛行を可能としています。

まとめ

このドローンが本格的に実用化されることで、洞道のような人の入りにくい環境、危険な環境なども安全に迅速に作業が進められるのは大きいですね。

地下などはGPSは届かない環境でも、風の影響を全くといっていい程受けなくなりますので、安定感のある飛行ができることは一つのメリットであると言えます。

以前の記事で、斜張橋のケーブルを点検するのに改造されたドローンがあったように、ドローンも外で飛行させるだけでなく、使い方は色々と考えられると思います。

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