狭空間の点検ロボットがインフラ用に進化

sugitec

こんにちは。今年の1月11日(犬の日だそうで)に、ソニーが12年ぶりに進化したロボット犬のAiboを発売し話題となりました。何でもクラウド上に飼い主とのデータが蓄積される、所謂クラウド型AIを搭載し、どんどんと学習し賢くなっていくそうです。

やはり今時代のロボットとしてはクラウドでの集合知を使うのがスタンダードとなりそうです。しかしロボットにも色々と種類があり、我々の業界でAIロボットを使って自動化、というのもこれからはどんどんと出てくると思いますが、現時点では操作したり決まった動きをこなす、という物が多いでしょう。

大和ハウス工業が狭小空間点検ロボットを開発

そんなロボット技術ですが、大和ハウス工業株式会社では約6年前に、戸建住宅の床下空間や溝などの狭い空間の点検ができる狭小空間点検ロボットの「moogle(モーグル)」を発売しています。


出典:大和ハウス

そしてこの度、その「moogle」の機能に、新たにインフラ点検等として有効な新機能を搭載した新型のmoogle、「moogle evo(モーグル エヴォ)」を3月6日より販売開始しました。

開発の背景

国内の橋や道路などのインフラは、1960年代に一斉に整備されてから耐用年数とされる50年を超えており、全国各地でインフラの老朽化が進行しています。

インフラ点検に関しては全体的に進捗が緩やかと言わざる得ない状況で、橋梁などに関しては8年後の2026年には、耐用年数50年を超えるものが全体の44%を超えるという予測になっています。

これはあくまで今のままで推移していくと、、という計算なので、実際には色々な点検技術が生まれて効率化されてきていますので、この通りにはならないとは思います。

国土交通省では、インフラ管理者に5年に1度の定期点検と損傷の把握を求めており、その点検のサポートとして、点検用カメラの性能向上やクラックの判定機能を向上した「moogle evo」の開発に至ったそうです。

ちなみに「moogle」という名称の由来は、モグラ(mole)からきているそうで、床下に潜るというところから命名されています。

evoとなり新しくなった6つの機能

1.高解像度カメラ
従来のカメラよりも解像度を4倍に高めることで、クラック幅の確認を従来の0.3mmから0.1mmまで確認可能。

2.クラック幅自動判定機能
クラック幅に応じて自動で色分けをして表示することが可能。

3.コードレス無線中継器
バッテリー駆動式の無線中継器を利用することで、最大で200mまでの通信が可能に。バッテリー式にすることで屋外での検査も容易。

4.温度・湿度計
水漏れ確認を促せるように点検箇所の温度・湿度を測定しモニターに表示。

5.バッテリーの長時間化
連続稼動時間を従来よりも約2倍向上。最大2.8時間連続稼動できます。

6.LANポートの追加
本体にLANポートを追加。優先LANによる操作を可能にする他、本体と接続可能な機器を搭載することで機能の拡張も簡単にできます。


出典:大和ハウス

まとめ

以前に、配管や通信線などが収められている狭い洞道空間をドローンで調査するという話題がありましたが、どうしても人が入って作業をするには危険な空間だったり、そもそも無理な状況の場合もあると思います。

そのような場所を点検するという用途では、ドローンも優秀だと思いますが問題点としてはバッテリーの駆動時間や、地下の場合の電波環境、それにそもそもドローンすら飛ばせないような狭い空間もあると思います。そんな場所にこの「moogle evo」はかなり有用なのではないでしょうか?

ただ、ドローンのように自律飛行をさせて全てをカメラに収めるという手法ではなく、PC上でロボットからくる現場の映像を見ながらコントローラーで操作し疑わしい場所を見つけるような感じなので、あくまで人の入れない場所を調査できるようにする。というのが目的のロボットですね。

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