0.1mmの微細な振動も検知。トンネル切り羽の崩落を警告できるシステム

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こんにちは。お盆の休暇も終わりスギテックは本日から営業再開しております。

同じように本日から仕事だという方、昨日からの方、お盆休みなんてないという方、まだまだ休みは続くという方、色々といらっしゃると思いますが、引き続き暑い日が続きますので体調には気を付けていきましょう。

さて、本日はトンネル工事をする際に最も気を付けなければならない、堀削の際の崩落事故。その崩落事故を防ぐために開発されたレーダーシステムのご紹介。

微細な切り羽の振動をレーダーがキャッチし崩落を警告

山を堀り進める堀削の最前線では、当然ながら掘削面は剥き出しの状態になっています。その部分が所謂「切り羽」と呼ばれる部分となります。

作業は事前に地質調査をして情報を得ているものですが、予期しない断層が出てきたり急激な地質変化がおこるリスクも伴っています。崩落事故では一見すると突然に起こったように思われがちですが、そこには微細な切り羽の変化が起こっています。

その微細な変化をレーダーキャッチし事前警告を出すというシステムになっています。

目に見えないレベルの切り羽の動きを捉えるシステム


出典:清水建設 シミズスマートトンネル開発コンセプト

清水建設が次世代型のトンネル構築システムとして「シミズ・スマート・トンネル」を立ち上げましたが、その要素技術として切羽崩落災害の根絶を目指し、今回の技術が開発されたそうです。

崩落そのものを防止するのは勿論ですが、崩落の予兆を捉えて作業員へ事前の退避を促すことが肝心。そんな補助的な災害防止対策技術として開発されています。

システムの構成

レーダーとデジカメが一体になった測定システムで、自動車の自動運転などで使われるセンサー技術が使われています。そのセンサーのメリットは霧や塵などの微粒子よりも大きな波長で、トンネル工事の現場のような見通しの悪い環境でも直進性や透過性が損なわれません。


出典:清水建設

しかし、切り羽を常時モニタリングする際はレーダーと切り羽の間に施工機械や作業員が入り込みます。レーダーはそれらを透過できないので、データに異常値として出てくるそうです。

その異常値をノイズとして捉え、除去してしまうフィルター機能を組み込むことで、正常なデータとして常時モニタリングできるようにしているシステムになっています。


出典:清水建設

レーダーで切り羽の変位を面で捉えながら0.1mm単位で振動などを監視。リアルタイムでPC上に反映しながら可視化することが可能です。

そして崩落の予兆を捉えた場合、フラッシュライトや警告音、モニター表示によって「注意」「警告」「退避」の三段階でアラートを出し、事故を未然に防げるようになっています。

まとめ

トンネル工事の現場においても、これまではベテラン技術者などの経験値などが頼りにされている部分があったようですが、このシステムによって可視化されることでベテラン技術者が不在でも一定の安全性と品質を維持することができそうですね。

今や様々な業界での人材不足、特に今後は高齢技術者の数はどんどんと減少していく一方です。定型的な業務の自動化は勿論、人を限定するような業務を如何にテクノロジーで省人化していくかが重要になってきます。

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