10cm厚の鉄を透過できるインフラ検査用X線イメージング装置

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スギまる
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こんにちは。本日は雨の予報となっていますが相変わらず気温は高いので、くれぐれも熱中症にはお気をつけを!ということで本日14日は温度計の日だということです。水銀温度計を発明し華氏温度目盛りの(℉)の名前にもなっているドイツの物理学者のファーレンハイトの誕生日から温度計の日になっているそうです。

スギヤマ
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日本を含む多くの国で使われているのは摂氏温度(℃)だが、華氏温度(℉)はアメリカや西欧諸国などの英語圏で使われている。この単位の違いは知っているか?

スギまる
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摂氏が水の氷点が0度、沸点を100度としているのに対して、華氏は何度でしたっけ?全然違う値になっているくらいしか分からないです(^_^;)

スギヤマ
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華氏(℉)は水の氷点が32度。沸点が212度と設定し、その間の180を等分して1度としている。

スギまる
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氷点と沸点が切りの良い数字じゃないからでしょうか?なんだか訳が分からなく…

スギヤマ
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摂氏の方が感覚的に分かりやすいからな。しかし華氏温度を使うと地球上のほぼ全ての地域の温度は0℉~100℉に収まるようになっている。だからマイナス○℃という表現は華氏温度を使っている国からすると、余程異常な場合以外なりうることがないので違和感があるらしい。後、180等分で表現している分1℃の差が細かいのでほぼ小数点を使わないからシンプルだ。

スギまる
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なるほど。確かにマイナス表記や小数点の表記がないのはシンプルかもしれませんね。使ってみると意外と馴染みそうな気もします。

スギヤマ
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摂氏に馴染んでいると一見ややこしく感じるかもしれないが、知るとそんなこともないだろう。根強く使われているのも分かるな。

10度台 – 厚い霜が降りる。即座に凍え死ぬ寒さ。 20度台 – 薄い霜が降りる。 30度台 – 寒い。氷点に近い。極寒。 40度台 – 寒い。厚い衣服が必要。 50度台 – 涼しい。適度な厚さの衣服で十分。運動には適温。 60度台 – 暖かい。薄手の衣服が必要。 70度台 – 適度に暑い。夏服が必要。 80度台 – 暑いが耐えられる。少なめの衣服。猛烈な暑気。 90度台 – とても暑い。過熱に対する予防措置が必要。 100度台 – 危険なほど暑い。生存には危険な酷暑。

引用:Wikipedia 華氏

産業用インフラの非破壊検査を効率化する高感度デジタルX線イメージング装置

さて、本日は産総研の放射線イメージング計測研究グループが開発したという、インフラ構造物を効率的に検査できるデジタルX線イメージング装置のご紹介。

産総研ではこれまでに開発していたというデジタルX線イメージング装置を大面積、高精細化し、有感エリア43cm×35cm、800万画素でバッテリー駆動ができるように進化しています。


出典:産総研

今回の物はバッテリー駆動型の小型X線源と組み合わせることで、鉄厚が10cmまでの構造物をその場で非破壊検査できるようになったとのこと。

また、デジタル画像をリアルタイム取得・確認ができることで、大規模な産業インフラ検査の効率化に有効。この技術はインフラ構造物の老朽化による事故を低減し、安心安全な社会実現への貢献が期待されます。

開発背景

ご存知の通り、今の日本国内には高度経済成長期以降に建設された社会インフラ・産業インフラが多く存在し、それらを今後も安全に有効活用していくには、インフラ構造物の効率的検査が必要。

特にプランとの配管などに代表されるインフラは、鉄厚数cm~10cm程度の構造物で構成されていることが多いそうで、それらを効率的に非破壊検査できる技術が必要とされていました。

X線での検査法は非破壊で内部の可視化が可能なので、これまでも産業インフラの検査法として用いられてきましたが、検査対象のインフラ構造物が厚く重くなると、X線の透過量が極端に減少することから、その場での画像の取得・確認は困難。

撮影のたびに現像が必要なX線フィルムか、現像装置による処理が必要なイメージングプレートと大型のX線装置を組み合わせた診断が主で、多大な労力と時間を要していたそうです。

開発されたデジタルX線イメージング特長

下記写真を見ると一目瞭然ですが、これまでに開発された物と比較して有感エリアの面積が2倍になっていることで、一度で広範囲を検査できるため大型バルブやプラントの配管など、厚みのある金属部材の欠陥箇所を効率的かつ、高分解能で検知できます。


出典:産総研

また、鉄厚10cm相当の構造物のX線検査画像をその場でリアルタイム取得できるようになり、従来の検査に比べて検査時間は1/10以下にまで短縮。さらに検査に必要なX線量を大幅に低減できるので、小型X線源との組み合わせで、漏洩するX線量も1/100以下に抑えられているとのこと。

軽量でバッテリー駆動できる利点を生かして自動検査ロボットなどに搭載することで、インフラ構造物の調査現場で効率的な検査が可能となり、前述の安心安全な社会実現への貢献が期待される技術となっています。

まとめ

X線での構造物の調査といえば、弊社でもX線を使用してコンクリート内部の鉄筋や電配管の場所を検査することがあります。

X線点検のメリットとしては、コンクリート構造物の場合では「主筋・枝筋の区別がしやすい」「鉄筋と電線管の識別ができる」「客観的な判定方法」「技術レベルが確保されている」など、メリットは色々とあります。しかし装置がそこそこ大きいことから、スペースの問題で装置のセットが困難な場合も多々あります。

しかし、今回の産総研さんの開発した技術ではそれらも解決。小型でバッテリー駆動な上に画像もリアルタイムで取得。そして何より安心安全。素晴らしい製品ですね。

小型なのでロボットもそうですし、もっと小型化が進めばドローンに搭載されるようなこともあるかもしれませんね。

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