ボーリング孔壁画を鮮明化。不鮮明な画像からも割れ目判別

sugitec

こんにちは。地盤の調査をする際の基本となる作業にボーリング調査があります。ボーリングした孔内にカメラ(ボアホールカメラ)を入れて撮影することで、その孔壁の映像から地盤を評価判定するものです。

しかし、その孔壁に地下水などの濁りなどの影響で取得した画像自体が不鮮明なものになる場合があり、そうなった場合に洗浄したり、再撮影が発生するという課題がありました。

その課題を解決すべく、この度「西松建設」は、「株式会社ボア」「ジーエスアイ株式会社」「東京理科大学」との協力で、ボアホールカメラの画像を鮮明化する画像評価支援システムを開発したそうです。

画像評価支援システム「N-IESS(エヌイース)」で不鮮明画像からも判別可能に

同社は、ダム現場等における地盤調査で用いるボアホールカメラの画像を鮮明化できる画像評価支援システム「N-IESS(Nishimatsu Image Evaluation Support System)西松式画像評価支援システム」を開発。

このシステムにより、濁りなどで不鮮明な画像を鮮明化することで撮影の手戻りや評価時間の削減、地盤の割れ目や破砕箇所などの判定精度向上を図ることが期待できます。


出典:西松建設

開発背景

ボーリング調査は、ボーリング孔内にボアホールカメラを挿入し、撮影した孔壁画像から地盤の状態を評価判定することがありますが、その際にボーリング削孔時の孔壁の乱れや削孔水・地下水の濁り等の影響で、不鮮明な画像が取得されることがあります。

そのため、そもそも地盤状態の評価判定には熟練が必要だったり、再撮影の為に孔内を洗浄する必要が出てきたりするなど、求める結果が出るまでに多くの手間と時間が必要であるのが現状です。


出典:西松建設

そこで画像の鮮明さ程度や作業者の熟練度を補い、画像を用いた地盤調査における評価精度の向上と、作業効率化を目的に「N-IESS」の開発に至ります。

システム概要

この「N-IESS」では、様々な電子デバイスで撮影された画像の陰影や凹凸等の特徴を強調して処理するようになっており、東京理科大学の小島教授により開発された「VIS(錯視誘発画像特徴強調システム)」という画像処理方法を採用しているとのこと。

処理の前後の画像をパソコンの画面上で確認しながら画像内の特徴の強調処理を自由に設定でき、画像を用いた調査での対象物の評価において、最適な処理画像を記録として保存することが可能です。


出典:西松建設

ボーリング孔内における外的要因による不鮮明な画像の処理をはじめ、建設中のトンネルや建屋内などの光量が不足する環境で撮影した画像の先鋭化処理にも応用が可能。現場調査での対象物の評価を迅速化します。

現場でのリアルタイム評価及び保存した画像データの事後解析も可能で、どんな画像データにも適用できるとのこと。また、タブレットやモバイル端末への組み込み、専用機器への実装等、使用状況・ニーズに合わせた展開ができるそうです。

VIS(錯視誘発画像特徴強調システム)とは

錯視誘発処理:元画像1コマに対し、システム上で擬似的に8方向のエンボス効果画像を連続表示させ、画像の凹凸部を強調する先鋭化(残像錯視効果)・画像特徴強調処理であり、元画像の特徴(凹凸、線構造、エッジ、キメ、粗さ)の判読性を向上。

視認性処理:錯視誘発処理後の画像特徴強調の特徴部分・変化点の見え方の違い(8方位分)を定量化し、画像の持つ特徴(線上構造、キメ、ざらつき等)を別に表示することで元画像の特徴を鮮明化、強調。


出典:西松建設

期待される効果。構造物の調査確認への活用にも

システムは各種画像の特徴を強調させることで、元画像の画質を劣化させることなく判読性の向上が可能です。よって鮮明な画像の再撮影等の手戻りの削減や解析・評価時間の低減等の作業効率化が期待されます。

このシステムの実証実験では、基礎岩盤の調査に適用した場合、削孔水の濁りによる不鮮明画像でも従来比で平均50%以上割れ目判定性が向上することが確認されたそうです。

主にボーリング時の孔壁の画像を判定できるシステムとして開発されたこのシステムですが、建設中や既設のインフラ構造物の点検、調査、確認作業等、他分野での活用の期待されています。

まとめ

同社では今後も様々なハードウェアへの適用性や、撮影対象の範囲拡大を図り、さらなる業務の効率化と生産性の向上を目指していくとのこと。

撮影した画像に対し、設定された項目の部分を強調することで、ひび割れ等を判別できるようになっています。これであれば建物の外壁等にも活用ができそうですね。

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