手作業の4倍の効率。木造床版工事を省力化するビス打ちロボット

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記事のポイント

・清水建設株式会社が、木造建築工事の生産性向上施策の一環として、木造床版のビス接合を行うビス打ち機「Robo Slab-Fastener」を開発した。

・施工条件を作業員が指定することで、自走しながら一定ピッチでビスを打ち込む。このロボットによる作業効率は手作業の約4倍となる。

連装ビス打ち機「Robo Slab-Fastener」で床版ビス接合作業効率が4倍にアップ

清水建設株式会社(以下、清水建設)は、木造建築工事の生産性を向上させる施策の一環として、木造床版のビス接合を行う連装ビス打ち機「名称:Robo Slab-Fastener」を開発した。

Robo Slab Fastenerは、エアシリンダーで上下動する電動ビス打ち工具4台を自走式台車に搭載したロボットだ。自走しながら床面に一定のピッチでビスを打ち込み続ける。ビスのピッチや移動距離は作業員が条件を指定する形となる。このロボットを活用することで、ビス打ちの作業効率は手作業時の約4倍にまで高まるという。

近年、平成22年施行の「公共建築物等木材利用促進法」を機に、非住宅建築物にも木造化の動きが広がっており、木造床版採用の工事が増加している。一方木造床版工事では、床面の合板を作業員が電動工具により大量のビスで張付けていくが、電動工具の振動や作業姿勢など、作業員にかかる身体的負担は少なくなかった。そこで、このビス打ち作業の省力化・省人化を目的とし、今回のRobo Slab-Fastenerが開発されている。


出典:清水建設

Robo Slab-Fastenerは、ビスの自動充填機能を備えている電動工具4台とエアシリンダー、コンプレッサーを組み合わせたビス打ち機構、自動走行ユニット、制御盤、タッチパネル式の操作盤から構成されている。

使用時は、ビスの接合仕様に応じ工具の間隔を調整。次にタッチパネルで工具の取り付けピッチ、ビス打ちのピッチ、そして移動距離を設定することで、ビス打ちと移動の繰り返しパターンをロボットが自動計算し、自動連続施工の準備が完了。完了後、開始ボタンを押すことで、ロボットが30本/分のペースでビス打ちしながら走行する。


出典:清水建設


出典:清水建設

このロボットは、清水建設の施工現場「(仮称)神田錦町一丁目計画新築工事」のCLT床版工事に実適用し、生産性向上効果を確認できたという。清水建設では、今後も木造床版工事においてロボットの実装を進め、協働ロボットの適用工種の拡大に向け、新規ロボットの開発に注力していくとのことだ。


□清水建設
連装ビス打ち機「Robo Slab-Fastener」で木造床版工事を省力化
プレスリリース:https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2021/2020049.html

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