ドローン映像から災害状況をAI解析する基礎技術

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記事のポイント

・株式会社日立製作所(以下、日立)が、ドローンやヘリなどの空撮映像から、災害の状況等を高精度に解析できるAI技術を開発した。これにより人が入れない現場状況を、迅速に容易に把握することが可能となる。

・この技術はアメリカ国立標準技術研究所主催の映像解析ワークショップであるTRECVID2020にて、映像解析タスクであるDSDIにおいてトップレベルの認識精度を達成したという。

災害状況をAIで把握する映像解析の基礎技術を開発

日立は、ドローンやヘリコプターによる空撮映像から、災害状況を高精度に解析できるAI技術を開発した。この技術により、災害の発生時に人がすぐに辿り着けない現場の状況を、迅速かつ容易に紹介に把握することが可能となる。

この技術はアメリカ国立標準技術研究所主催の映像解析ワークショップ「TRECVID2020(TREC Video Retrieval Evaluation)」にて、災害映像の解析タスクである「DSDI(Disaster Scene Description and Indexing)」において、トップレベルの認識精度を達成したという。

近年、多くの国や地域において、気象変動がもたらす洪水や土砂崩れなど、自然災害による人命や財産の被害が社会問題となっており、災害の発生時には迅速な状況把握、避難経路への誘導など、被害を減らす対策が求められている。この世界的とも言える要望に応えるため、ドローンなどの導入が進められており、またAIを活用した映像データの自動解析が注目を集めている。

しかしながら、空撮映像から災害状況を解析する場合、災害によっては学習データが少ない為に認識の精度に影響が出るという課題があるそうだ。また、広範囲を撮影した映像は、特定したい対象が小さく映っていたり、災害状況が同時に映っていたり(浸水家屋、橋梁倒壊、地すべり等)することがあり、そういった場合の起きている状況を正しく認識することは困難だったという。

そこで日立は、防犯や製造業向けに開発してきた映像解析技術の知見を活かし、自然災害映像を高精度に認識できる災害映像解析技術を開発した。その技術の特長は以下となる。

1.映像内に映るものが複数であっても、それらを同時に精度良く認識可能。


出典:日立製作所

2.広範囲を撮影した映像内から、人が見つけにくい小さなものまで見つける事が可能。


出典:日立製作所

3.学習サンプル数が少なく、AIに学習させることが困難な災害状況に対しても精度良く認識が可能。


出典:日立製作所

4.見逃しや誤分類などの誤った情報を多く含む学習サンプルに対応したAI学習により、人でも判断が難しい災害状況の誤認識や見逃しを減らすことが可能。


出典:日立製作所

今後日立では、この技術を活用した災害時の対策を支援する社会イノベーションを推進し、自治体や設備保守、保険会社などのパートナーとの協創を通じ、レジリエントな社会、人の安全安心な暮らしの実現に貢献していくとのことだ。


□株式会社日立製作所
災害状況をAIで把握する映像解析の基礎技術を開発
リリース記事:https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/02/0219.html

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