竹中工務店
2025年大阪・関西万博へ。都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」の実証実験を実施。

sugitec

概要

株式会社竹中工務店(以下、竹中工務店)を代表法人とする海床ロボットコンソーシアムは、都市型自動運転船「海床(うみどこ)ロボット」の実証実験を12月7日(水)、8日(木)に大阪城公園の東外堀にて実施。その模様をお届けします。

「海床(うみどこ)ロボット」の実証実験

「海床ロボット」は、海床ロボットコンソーシアムが開発する純国産制御システムを搭載し、海や運河・河川並びに湖沼などの水面に浮かべた床(3m四方)が自動で動き、離着岸する自動運転船です。
今回の実証実験は、昨年12月に大阪城公園の東外堀にて実施した実証実験に続くものです。座席型海床ロボットに乗った乗客に、店舗型海床ロボットに乗った店員が飲み物を提供するといったシチュエーションを設定し、2台のロボットの自動航行および着桟時にロボットを非接触充電する仕組みを実証しました。

(※)海床ロボットコンソーシアム 株式会社竹中工務店、国立大学法人東京海洋大学海洋工学部清水研究室、株式会社IHI、炎重工株式会社、株式会社水辺総研、新木場海床プロジェクト、一般社団法人ウォーター・スマート・レジリエンス研究協会、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社から成る共同プロジェクト。

本年の実証実験

「海床ロボットの2台制御」
実験にあたり、高精度GPSを搭載し、ドッキング機構を有した座席型・店舗型の2台の海床ロボットを試作しました。
実証実験では、予め設定したルートを自動で航行し、2台が衝突しないよう制御し、スタート地点の桟橋から目的地を往復しました。航行中に、座席型の乗客から呼び出した店舗型に飲み物を注文し、2台の海床ロボットがドッキングし店舗型で作った飲み物を受け渡しました。その後、座席型と店舗型は離れて航行しました。

浮桟橋から出た店舗型(左)と座席型(右)
海床が一体化し、飲み物を受け渡しする様子

「海床ロボットへの非接触充電」
実証実験にあたり、乗降用の桟橋に、非接触充電機能と踏切バーによるロック機構を持たせました。
電気で動く海床ロボットの実用化には、簡易で安全な充電方法が求められます。
着桟時に海床ロボットに充電する仕組みを実証しました。

非接触充電機能とロック機構を持たせた桟橋
桟橋で非接触充電する様子

昨年の実証実験(参考)

以下について実証しました。

① タブレットのインタフェースで操作し、「水上自動走行」を実証しました。
② 高い精度の位置制御を行い、桟橋への「自動離着岸」を実証しました。
③ デジタルファブリケーションを活用し、用途に応じて船の上屋の変更が可能な仕組みの
  検証を行いました。

2023年以降の実証実験では、「運搬ドローン連動機能」「海ゴミ清掃ロボット」「複数ロボットの群管理」の検証を目指し、運搬・環境・エンターテイメント・防災など用途に合わせた開発に取り組む予定です。都市型自動運転船が、都市部の水辺を拠点に、地域の魅力や付加価値の創造、更には水辺の交通・物流などのさまざまな都市課題の解決に貢献することが期待されます。

このたび実証実験を実施した「海床ロボット」は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(博覧会協会)と大阪商工会議所の主催する、「2025年大阪・関西万博の会場予定地である夢洲における実証実験の提案公募」に2021年5月に採択されています。

本実証実験に関してご協力戴いた企業・団体

・岩手県大船渡市綾里漁港(開発フィールド提供)
・センティード株式会社(上屋製作協力)
・東京湾マリーナ(開発フィールド提供)
・ヨッティングワールド株式会社(フロート提供)
・株式会社ダイヘン(非接触充電装置提供)

プロジェクト背景

日本の都市は水辺(川辺・海辺)を中心に形成されてきましたが、東京・大阪等の大都市も例外ではありません。近年、大都市臨海部は、都市過密化により、交通、物流、環境、防災等の課題が複雑に絡み合っています。
こうした課題に対して、人・物の移動を支えるうえで、都市部の低未利用化した水域の活用が重要な糸口になります。
海床ロボットコンソーシアムでは本プロジェクトを通じて、これらの社会課題の解決に向け、都市型自動運転船「海床ロボット」が都市内水域を動き、水辺のさまざまな都市課題を解決し、水辺を変革していく未来を目指しています。

資料引用:竹中工務店


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社竹中工務店
リリースニュース:
https://www.takenaka.co.jp/news/2022/12/03/

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