ソニー
「Airpeak S1」を産業用途利用に可能にする「RTKキット」発売。

sugitec

概要

ソニーグループは4月18日、プロフェッショナル向けドローン「Airpeak S1」を産業用途で使用できる「RTK(Real Time Kinematic)キット」「バッテリーパック」、専用ジンバル「ジンバルPX1 for Airpeak」を4月から順次発売すると発表。「Airpeak S1」に使用することで、幅広い産業での安全で効率的なドローン運用が実現に、というリリースニュースをお届けします。

「Airpeak S1」を産業用途利用に可能にする「RTKキット」

「Airpeak S1」は、独自開発のモーターやプロペラや制御システム、センシング技術などを装備したドローンです。高い敏しょう性を持ち、ダイナミックで緻密に飛行ができることで、主に映像撮影に特化した機体です。
そして、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α(アルファ)」を搭載しており、高解像度撮影が行るところがソニーとしての強みです。

「RTKキット」は、センチメートル単位での高精度位置測位に可能にするキットです。
このキットを装着することで、画像データの撮影タイミングと位置情報が高精度に同期し、イメージセンサーの中心位置にオフセットした位置情報が記録されます。

また、ビジョンセンサーと併用することで、より誤差の少ない自己位置推定が行え、減速時の機体挙動やホバリングの安定性、自動飛行の精度を向上できます。

再現飛行を使用すれば、定期的な点検フローを高精度で何度でも再現ができ、操縦者の技術に依存しない効率的で高精度な運用ができます。

「バッテリーパック」は、従来よりも長い時間の飛行に対応できるように、また、「ジンバル PX1 for Airpeak」は、Gremsy社製で、軽量化を図りました。

価格は「RTKキット:RTK-1」が、希望小売価格 594,000円(税込)で5月に発売。

「バッテリーパック」は、日本製で、同4万5000円。発売は5月。

「ジンバル PX1 for Airpeak」は、同48万円で、4月に発売されます。

RTK-1 特長をくわしくフォーカス

システム構成
機体にインターフェースユニットを取り付けることによって、2台の機体用アンテナを装着できます。

■固定局用アンテナを使う場合
送信機と、USBケーブルで接続する固定局用アンテナによって、RTK GNSS受信機の固定局を構成します。送信機から機体にGNSS補正データを送ります。

■GNSS補正データ配信サービスを使う場合
モバイルデバイスの「Airpeak Flight」アプリでネットワークRTKの設定をすることで、 GNSS補正データ配信サービスに接続することもできます。GNSS補正データ配信サービス利用時は、固定局用アンテナは使用できません。

RTK GNSSによる高精度位置測位

機体に取り付けて使用することで、RTK GNSS(リアルタイムキネマティック全球測位衛星システム)による高精度位置測位が可能になります。
GNSSでの数メートル単位での誤差に対し、RTKを採用することで数センチメートル単位の正確な測位により、高精度な点群や3Dモデルの作成が可能です。
取得された位置情報は、対応する画像データのファイル名と共にインターフェースユニットに挿入したSDカードに、マッピング用データとして記録されます。
マッピング用データは各種SfM(Structure from Motion)ソフトに対応した形式で保存されます。
位置情報は画像データの撮影タイミングと高精度に同期し、アンテナ位置からイメージセンサーの中心位置にオフセットした情報として記録されます。これらを利用することで、高精度な位置情報を画像に紐づけることが可能です。

高精度自己位置推定による「マニュアル飛行・自動飛行」の高精度化

RTK GNSSによる高精度位置測位情報を用いて、飛行時の機体制御を高精度化します。
マニュアル飛行、自動飛行時の自己位置精度が向上し、精密な操作や、精度の高い自動飛行の経路再現が可能です。また、GNSS単独測位よりホバリングや飛行の安定性が向上します。

磁場の干渉が強い環境下での操作性

機体に取り付ける2台の機体用アンテナにより、機体に内蔵されているコンパスを使用できないような磁場の干渉が強い環境下でも機体方位を認識し、飛行することができます。

その他の機能

  • PPK用ログ記録に対応
  • GNSSレベル(単独測位)の観測位置を蓄積して平均を取り、固定局の設置されている座標を推定。
  • 簡易的に相対的な位置座標の取得が可能
  • 固定局の移動・転倒検知機能搭載。強風や人の衝突で固定局の位置に変化があった場合に、アプリ上に通知
  • サブ送信機に固定局を繋ぐことで、デュアルオペレーションモードでの運用にも対応。ニーズに合わせた柔軟な運用が可能
  • 機体用アンテナは、機体に取り付けたまま折り畳んでドローン「Airpeak S1(ARS-S1)」の梱包箱に収納することができます

資料引用:ソニー

おわりに

ドローンAirpeak S1が発売されたのが、2021年9月17日。販売価格をオープン価格とはされているものの、市場価格は約110万円。

8K撮影が可能なα1(フルサイズカメラ)を初期搭載しているうえに、αシリーズを搭載できるジンバル「T3 for Airpeak」を組めば、搭載可能なボディはFX3、α7R/S、α9、α1の5種類に、レンズは14~85mmをカバーする12種類と豊富なバリエーションを有している。
そこに産業用途で使用できる「RTK(Real Time Kinematic)キット」のリリースで国産ドローンの追撃を世界へ名乗りを挙げたソニー。

ソニーが培ってきた独自技術であるAI、ロボティクス、センシング、イメージング、通信の結集は、高い飛行性能や品質向上につながり、最大の強みとなる。その強みを集結させ、インフラ施設点検を通じて地域社会に貢献できるユニット機体が飛び立つ日は近い。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□ソニー株式会社
https://www.sony.co.jp/

□ドローン Airpeak
https://www.sony.jp/airpeak/

□産業用アクセサリー
https://www.sony.jp/airpeak/about_ARS-S1/industrial/feature_1.htmls_pid=jp_/airpeak/_about_ARS-S1/about_ARS-S1/industrial/feature_1

□ドローンに高精度位置測位機能を付与するRTK GNSS受信機
https://www.sony.jp/airpeak/products/RTK-1/

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