マプリィ
小型橋梁の義務点検を効率化する「Mapry橋梁」を発売開始。

sugitec

概要

地理空間情報アプリプラットフォームサービス「mapry」を提供する株式会社マプリィ(以下、マプリィ)は、2024年2月から小型橋梁の点検業務を支援するアプリケーション「Mapry 橋梁(呼称:マプリィ・ブリッジ)」を販売開始します。
それに先駆け、公共・民間のインフラ施設管理者向けに社会インフラ管理プラットフォームのSIMPL®を展開する株式会社ベイシスコンサルティング(以下、ベイシスコンサルティング)と販売代理店契約を締結し、両者間にて戦略的パートナーシップを構築したリリースニュースをお届けいたします。

Mapry 橋梁とは

マプリィ・ブリッジはiOS mapryの地図機能をベースに、地図上で登録した橋梁の図面(損傷図、平面図、立面図等)に、3Dスキャナー機能で撮影した点群、及びスマートフォンのカメラによって撮影された写真を関連づけて保存・表示できるスマートフォン向けアプリです。

本アプリケーションによって、小型の橋梁における点検の現地調査や点検現場において、技術者が手作業で記録していた野帳やデジカメで撮影していた記録業務が、携帯電話ひとつで完結することが可能になりました。

あらかじめMapry 橋梁上に入力した橋梁の過年度調書や損傷図、位置図を、現場で取得した点群及び写真データを紐づけます。整理された現場のデータは、2023年11月に発表されたマプリィ社のWebGISアプリケーションのmapryGIS上の記録野帳に自動配置され、現場と事務所のデータのやりとりを容易に行うことを可能としました。これにより現場業務の簡素化だけでなく、内業で行っていた膨大な紙資料をもとにした図化作業の労務を省き、インフラ点検の記録の在り方そのものも革新するソリューションとなっています。

Mapry 橋梁が必要とされる橋梁点検の市場

2014年から国や自治体が管理する道路の橋梁やトンネルに対して、5年に1度の定期的な点検が義務化されました。現在、日本には約73万の橋梁が存在しており、単純に計算して毎年14万以上の橋梁を対象に点検が全国で行われています。

近年はドローン等に代表される多くのデジタル及び新技術が橋梁点検業務に導入され、現場業務の負担軽減や点検業務のDXが実現しつつあります。しかしながら、全体の4分の3相当を占める約55万橋梁が、全長2〜15メートル程度の小規模橋梁であり、多くは基礎自治体の管理下にあるそれらの橋梁には潤沢な点検予算は割り当てられていません。

国内の橋梁点検市場においては、ドローンのような新技術の導入・運用コストに見合った現場というのは、実は全体的には少数派です。このため、担い手不足やアナログ規制の見直しが進むなか、点検に大きなコストがかけられない小規模橋梁の点検業務に適した新技術が求められていますが、有効な新技術は未だ普及していないのが現状です。

こうした市場において、一般的に普及しているスマートフォンさえあれば点検が出来るマプリィ・ブリッジは、全国の自治体が管理する多くの現場で期待される新技術になると言えるでしょう。

*ベイシスコンサルティング市場動向資料より抜粋

橋梁点検を行う調査会社のペインポイント

マプリィ・ブリッジを開発するにあたり、独自に調査会社に調査を実施したところ、現場業務の安全性向上や点検作業の効率化などの改善要求以外にも、内業時のデータ整理作業の負担軽減に対する期待が非常に大きいことが分かりました。

現場で作成された手書きの野帳は、技術者の悪筆な記録や、天候の理由により汚れで判読し辛いという事もあれば、現場からの記録写真はどれも似通っており、どの写真が損傷図面のどの部分にあたるのかが判別し辛く、紙に転写した膨大な資料を何度も見返す単純作業に時間を取られていました。

同時に、公共事業の点検業務は秋口に集中するため、繁忙期においては現場での点検業務が続く外業担当者は、内業担当者へ書類を渡すためだけに週末稼働を取られるなど、外業と内業の間でのコミュニケーションのための労務も負担になっているという実態があります。
これら点検業務に付随する情報の行き来そのものをマプリィ・ブリッジによって改善できると、小型の橋梁点検に係る作業量が大幅に削減できるため、インフラを支える担い手不足への対応も大いに期待されます。

*マプリィによる点検事業者への独自調査から抜粋

昨年から開発を進めていたMapry橋梁は、一年前の近畿地方整備局主催のインフラDXコンペにて初めて世にお披露目させていただき、結果として優秀技術賞を受賞させていただきました。
インフラ点検同様にアナログ業務が中心の林業で養ってきた弊社のノウハウを活かし、橋梁点検における手書きから図化というアナログな作業工程を、3次元点群と画像自動整理によって効率化させることで、全国の基礎自治体におけるインフラ点検費用の削減を達成し、国土強靭化及び持続可能な社会作りに貢献出来ることを願っております。

マプリィ山口代表

弊社では現在、複数の自治体においてインフラの維持管理データをマネジメントするSIMPL®(Smart Infra Management Platform)を運営し、橋梁だけでなくトンネルや河川など、既に17種類、80,000以上の施設データを管理しています。

SIMPLの運営を通じて自治体や点検事業者の方々から現場の現状や課題を伺う機会も多く、今後導予定されているアナログ規制の見直しやドローンやBIM/CIM等の新技術の導入は、自治体や事業者にとって重要なの課題だと感じています。

Mapry橋梁の最大の魅力は、デジタル技術によるワークフローの簡素化により、点検業務の習熟度が低い老若男女問わず橋梁点検に参加できることにあります。またその業務を一般的に普及しているスマートフォンで出来るため、自治体や点検事業者の導入の障壁が限りなく低い点も重要だと考えます。予算が潤沢には無い基礎自治体にこそ使って頂きたいソリューションです。

弊社のSIMPLも、小さな自治体でも簡単に始められる誰でも簡単に使える安価なシステムを目指しており、Mapry橋梁とは親和性が高く、将来的には橋梁以外にも自治体が抱える道路標識など細かなインフラ維持管理で両者のシナジーが作れると幸いです。

ベイシスコンサルティング石川代表

マプリィについて

マプリィは測量・林業・防災・農業・建設に関わる全ての方向けのサービスです。
これまで測量機器費用負担や機器操作/解析が難しく、ハードルの高かった三次元データなどの取得、解析や活用を容易に行えるソリューションを提供しています。

資料引用:マプリィ

おわりに

現在、日本には約73万橋の橋梁があり、そのうち地方公共団体が管理するのは約66万橋で、全体の9割以上を占めています。特にコンクリート構造物では、目視点検によるひび割れなどの状況把握と補修が長寿命化の観点から非常に重要です。

道路橋については、2014年に国土交通省が「道路橋定期点検要領」を示し、5年に1回の頻度ですべての橋梁に定期点検を義務化しました。しかし、少子高齢化や人口減少による自治体の財政難、技術職員の不足などから、十分な点検が行われていない実態があります。

さらに、建設後50年以上経過した橋梁の割合は2016年時点で20%であり、10年後には44%に急増する見込みです。このため、より効率的な橋梁点検手法の開発が急務となっています。ドローンやロボット技術の活用には、工期の短縮や費用の削減に加え、客観性の向上など点検の効率化と高度化に期待が寄せられています。

そうした状況下に丹波の地より開発された「Mapry 橋梁」は調査員の手元で管理できるデジタル橋梁野帳の先駆けだろう。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社マプリィ
リリースニュース:https://mapry.co.jp/service/3791/
本件に関する問い合わせ:info@mapry.co.jp

□株式会社ベイシスコンサルティング
https://basisconsulting.co.jp/
本件に関するお問い合わせ:info@basisconsulting.co.jp

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