ウレタン舗装材「レオタンαエンボスSF」
三井化学株式会社と共同で開発された、発がん性物質「MOCA」無配合のウレタン舗装材です。
2021年に実用化に成功し、今年9月に滋賀県で開催予定の「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025」の大会スタジアムに本製品が導入されています。


MOCAは、膀胱がんとの関連性が明らかにされている物質でした。
従来の舗装材はMOCAの含有量が1%を超えていたため、製造および施工中にマスクを着用しなくてはならないなどの規制がありました。
これに対して本製品は、特定化学物質障害予防規則の対象にならない「特化則フリー」であり、また、シックハウス症候群の原因物質でもあるホルムアルデヒド・VOCフリーも実現しています。
本製品の採用により、競技場のメンテナンスの費用低減と期間短縮が可能です。
表面の摩耗やスパイク傷に対しては、舗装材を全て撤去・新設することなく、表面の切削オーバーレイ工法でリニューアルできます。このため、工事により利用できない期間が短くなり、施設の有効活用に寄与します。

陸上競技場のほか、公園のジョギング走路、学校グラウンド、多目的グラウンドなどにも使用可能で、
環境対応型ウレタン舗装材であるため、保育園・幼稚園の園庭、病院のリハビリテーションスペースなどでも安心して導入できるウレタン舗装材です。
資料引用:日本体育施設株式会社
おわりに
現在、京都市左京区の散策路・哲学の道で、アスファルト舗装の維持か砂利道の維持かを巡り、議論がなされています。
もともと疎水の管理用道路だった約1.5kmの哲学の道は、西田幾多郎らが散策したことから名付けられ、1970年代に砂利道として整備されました。
一部区間は過去に舗装されましたが、約900mが砂利道のまま残っています。
しかしながら、舗装区間の老朽化や、沿線の住民から砂利道の舗装を求める要望が出たため、京都市は2024年に有識者や住民らによる検討会議を設置し、議論を始めています。
議論の主な争点は、自然保護や景観維持(ゲンジボタル生息地、桜への影響など)の観点から砂利道の維持を求める声と、自転車・ベビーカー・車いすが通りにくい、土ぼこりや水たまりができるといった利用者の利便性や住民の困りごとから舗装を求める声です。
砂利道の一部に舗装区間を設ける折衷案も出ていますが、現状は平行線のままの様子です。哲学の道は桜並木などの自然環境と地元による名称付与で観光名所となりましたが、観光地としての価値と住民の生活の両面を踏まえ、今後検討会議で結論が出される見通しです。
こうした背景で、今回取り上げた「ウレタン舗装材」は折衷案となる資材となりうるのではと取り上げてみました。
■問い合わせ先
□日本体育施設株式会社
https://www.ntssports.co.jp/
ウレタン舗装材「レオタンαエンボスSF」
https://www.ntssports.co.jp/product/sf-special/