一建設「基礎一体打ち工法」と専用金物を自社開発!来春より一般販売を開始。

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飯田グループホールディングスの中核企業である一建設株式会社(以下、一建設)が、住宅の基礎部分を対象とした新工法「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µ(ミュー)セパ」を開発し、来春に一般販売を開始というリリースニュースをおとどけします。なお、本工法と専用金物は、2025年5月16日に特許を出願し、現在審査中とのことです。

HT Base基礎一体打ち工法と専用セパレーター金物「µセパ」

「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µセパ」の開発背景と目的

住宅の基礎工事において一般的な、ベタ基礎の底盤と立ち上がり部を1回の打設で一体化する「ベタ基礎コンクリート一体打ち工法」は、少数棟現場において合理的な施工方法です。作業を1日で完了できることに加え、打ち継ぎ部が生じないことから、工期の短縮と基礎構造体の高品質化が期待できます。

しかしながら、既存の一体打ち工法には以下のような課題があり、一建設における導入は困難でした。
これらの課題を解決するため、一建設オリジナルの新工法「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µセパ」を開発いたしました。

【既存工法における主な課題】

①深基礎など、根切りの深さによって型枠のレベル差に対応しにくい。
②型枠を支えるための消耗品の種類・数量が多く、資材コストが増加し、設置作業にも手間がかかる。③施工の難易度が高く、熟練者の感覚に依存する作業が多い。

「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µセパ」について~社内技術プロジェクトと現場からの発想~

本工法と製品は、社内の技術提案プロジェクトから生まれた取組みで、現場スタッフの提案を起点に、省力化と高品質化を両立する施工法として具体化されたものです。

特長は、専用セパレーター金物「µセパ」を使用することで、型枠の設置レベルの調整を可能とし、消耗品や型枠の種類を大幅に削減できた点にあります。
さらに、合理的な型枠設置とコンクリート打設方法については、現場の作業者および監督者による実施工を通じて検証を行い、そのノウハウを教材化。
現在では、一建設の基礎施工技術として標準化が進められています。

専用セパレーター金物「µ(ミュー)セパ」

「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µセパ」の製造・販売および概要

本工法と製品は、建築金物メーカー・タカヤマ金属工業株式会社の協力のもと開発されたものです。
同社とは特許技術およびノウハウに関する使用許諾契約を締結し、今後、製造・販売および普及を進めてまいります。

【商品情報】
・商品名:「HT Base基礎一体打ち工法」と専用セパレーター金物「µセパ」
・販売開始予定日:来春
・実際の施工動画:https://youtu.be/pRBtwIY0nVw

【主な特長】
①ベースと立ち上がり部の同時施工により、打ち継ぎ部を解消。
②雨水やシロアリの侵入リスクを軽減。
③コールドジョイントの排除により構造強度が向上。
④専用金物「μセパ」により施工精度を確保。

【お問い合わせ先】
タカヤマ金属工業株式会社 営業部 
Email:minami@takayama-kk.co.jp(担当:ミナミ)

専用セパレーター金物「µセパ」を設置した住宅の基礎部分

コンクリ-ト打設状況

基礎仕上がり状況

資料引用:一建設

おわりに

今回取り上げた一建設の「HT Base基礎一体打ち工法」は、住宅の基礎工事に革新をもたらす可能性をみてとれます。

この工法の最大のメリットは、底盤と立ち上がりを同時に打設する「一体打ち」にあります。
これにより、従来の「打ち継ぎ」そのものがなくなり、構造的な弱点となるコールドジョイントは原理的に排除されると言えます。これは、将来的な雨水やシロアリの侵入リスクを大幅に低減し、基礎の構造強度と耐久性を根本から向上させる画期的な手法です。

しかし、コンクリート施工は繊細です。
一体打ちで打設量が増えるからこそ、ジャンカ(豆板)を防ぐための緻密な打設・振動管理が不可欠となります。
この工法では、専用金物「µセパ」による施工精度確保に加え、同社が培った標準化されたノウハウをセットに提供することで、一体打ち特有の施工難易度を克服する取り組みも期待したいところです。
コールドジョイントの懸念を構造的に解消し、さらに施工技術を標準化することで、「高品質な基礎を安定供給する」という強い意志が読み取れます。
今後の住宅基礎のスタンダードとなり得るか、引き続き注目していきましょう!


〔本件リリースに関するお問い合わせ先〕

□一建設株式会社 経営企画部 経営企画課
E-mail:hajime-pr@hajime-kensetsu.co.jp
リリースニュース
https://www.hajime-kensetsu.co.jp/news/2025/53318/

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