ドローン技術を活用して社会課題の解決に取り組む株式会社manisonias(以下「manisonias」)が、
神奈川県ロボット実装促進センターが実施する令和8年度「ドローン開発支援事業」において、「打音点検を省人化する吊り下げ式壁面吸着ドローン開発」プロジェクトを採択というリリースニュースをおとどけします。
打音点検を省人化する吊り下げ式壁面吸着ドローン開発
このプロジェクトを通じて、深刻化するインフラ・建築物点検の人手不足という社会課題の解決にとりくむとのことです。
採択プロジェクトの概要
| 事業名 | 神奈川県 令和8年度「ドローン開発支援事業」(神奈川県ロボット実装促進センター) |
| プロジェクト名 | 打音点検を省人化する吊り下げ式壁面吸着ドローン開発 |
| 代表事業者 | 株式会社manisonias |
| 支援内容 | 開発に係る経費支援(1プロジェクトあたり税込最大1,200万円)ほか、実用化に向けた伴走支援 |
| 開発目標 | 3年以内の実用化および神奈川県内での実装 |

機体イメージ
開発の背景:迫る「点検の担い手不足」という社会課題
国内では築40年以上のマンションが今後急増する一方、建設技能者は減少・高齢化が進んでおり、限られた人員で点検品質と実施量をいかに維持するかが喫緊の社会課題となっています。
とりわけ外壁調査で行われる打音/打診点検は、足場・ゴンドラ・ロープアクセスなどによる高所作業を伴い、作業者の安全リスクや身体的負担、点検記録作成の負担、熟練者への依存といった課題を抱えています。
開発するドローンの特長
本プロジェクトで当社は、「壁面吸着型吊り下げ式外壁接触点検ドローン」の開発に取り組みます。壁面に吸着し構造物に接触しながら点検を行うことで、従来ドローンでは難しかった打音/打診による点検の省人化を目指します。
外壁・橋梁・擁壁等における打音/打診点検業務の省人化
高所・狭隘部・構造物近接部での点検における安全面・身体面の負担軽減
点検記録作成の負担軽減と、記録品質のばらつき解消への貢献
本開発を通じて、インフラ維持管理・建築物点検業界が抱える人手不足、熟練者依存、高所作業リスク、点検記録のばらつきといった課題の解決に資するドローンサービスの実現を目指します。
今後の展望
manisonias社はこれまで、海難・水難レスキュードローン「SAKURA」の開発(令和6年度 同事業採択プロジェクト)をはじめ、人命と安全を守るドローンの開発・実証に取り組んでまいりました。
本プロジェクトでは、こうした開発で培った機体設計・運用の知見を活かし、3年以内の実用化と神奈川県内での実装を目指して開発を進めます。将来的には、マンション等の建築物にとどまらず、橋梁・擁壁などのインフラ点検分野への展開も視野に、点検の現場を支える新たなドローンサービスの確立を目指してまいります。
建物やインフラの点検は、そこで暮らし、働く人々の安全を静かに支えている大切な仕事です。しかしその現場では、担い手の減少と高齢化が進み、今も多くの方が高所作業の危険と隣り合わせで点検を続けてくださっています。
私たちは、壁面に吸着して打音点検を行うという新しいアプローチのドローンによって、点検に携わる方々の負担とリスクを減らし、点検の品質を将来にわたって守り続けられる仕組みをつくりたいと考えています。
『今日と同じ明日の笑顔を守る』という理念のもと、神奈川県の皆様とともに、実用化に向けて全力で開発に取り組んでまいります。
代表取締役 橋本 綾子
神奈川県「ドローン開発支援事業」について
神奈川県ロボット実装促進センターが、ドローンを活用した社会課題の解決や市場ニーズを踏まえた新たなサービスの提供を推進するため、3年以内の実用化と神奈川県内での実装が見込める斬新なドローン開発プロジェクトを全国から募集し、採択プロジェクトに対して経費支援(1プロジェクトあたり税込最大1,200万円)などを行うものです。
詳細:https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0604/jisso_center/drone/
資料引用:manisonias
おわりに
本記事では、株式会社manisoniasが取り組む「吊り下げ式壁面吸着ドローン」による打音点検の自動化プロジェクトとその実用化への道のりについて考察してきました。
「ラインで吊り下げながら壁面に吸着し、接触・打音点検を行う」というアプローチは、従来の「空中に浮遊して撮影するドローン」の域を超えた極めて画期的なコンセプトです。
長時間の安定稼働が期待できる一方、実用化における最大の関門は「正確かつ漏れのない壁面サーチ技術」の確立にあります。
ビル風によるテザーの煽り制御、配管や目地といった壁面の突起物回避、さらにはGPSが届きにくい高層壁面でのミリ単位の位置特定(ローカライゼーション)など、物理・制御の両面で高度な技術統合が求められます。
この高い壁を乗り越えるには、段階的な開発プロセスが鍵を握ります。
要素技術の検証:強風や凹凸に耐える吸着機構の確立と、モーター音の中から打撃音のみを抽出する音響フィルタリング。
協調制御の構築:ラインの張力と機体の推進力を同調させ、振り子運動や風圧を打ち消すアクティブ制御。
自律サーチの実装:カメラ(Visual SLAM)やLiDAR、ライン繰り出し量エンコーダー等を融合し、格子状に漏れなく走破する自動ラスタースキャン。
これらを順を追って統合・最適化していくことで、初めて実現場で「安全かつ高精度な自動点検」が成立するのではないかと推測されます。
老朽化する建築物やインフラが急増する一方で、高所点検を担う熟練者の減少と高齢化は待ったなしの社会課題です。
作業者の重大な転落リスクを減らし、点検品質のばらつきを解消するこのプロジェクトは、まさに業界の構造変化を促すポテンシャルを秘めています。
神奈川県での3年以内の実用化に向け、この革新的なドローンがどのように現場の風景を変えていくのか。今後の開発の進展に大いに期待が膨らみます。
【リリースニュース配信元】
株式会社manisonias (マニソニアス)
リリースニュース: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000156068.html
ホームページ: https://manisonias.com/
広報担当 藤井
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