アトラックラボ 現場データで進化するAI点検ロボット向け「AT-SYNAPSE 追加学習サービス」を提供開始。

sugitec

株式会社アトラックラボ(以下、アトラックラボ)が、AI点検ロボット向け制御プラットフォーム「AT-SYNAPSE」のオプションとして現場で収集した点検画像を使ってAIモデルを最適化する「AT-SYNAPSE 追加学習サービス」の提供を開始というリリースニュースをおとどけします。

AT-SYNAPSE 追加学習サービス

サビや腐食、機器特有の不具合を追加学習。
画像収集から異常検出・位置記録までローカル環境で実行。

本サービスでは、サビや腐食をはじめ、機器の構造や使用環境によって異なる固有の不具合をAIに追加学習させます。学習用画像の整理からAIモデルの学習・評価、ロボットへの実装、現場での動作確認まで一貫して対応します。
NVIDIA DGX Sparkを活用し、追加学習から推論までローカル環境で実行するため、機密性の高い設備画像を外部クラウドへ送信しない運用が可能です。

※一言でいうと「自分のデスクの上に置ける、手のひらサイズの超小型AIスーパーコンピューター」です。ChatGPTのような大規模な生成AI(LLM)を動かすには、データセンターにある巨大なサーバーが必要でした。DGX Sparkはお弁当箱や小型デスクトップPC(Mac Studioなど)ほどのサイズでありながら、本格的なAIの開発や運用を手元で完結できるように設計されています。
NVIDIA DGX Sparkの日本国内での販売価格は、およそ90万〜100万円前後(税込)

ローカル環境での追加学習

開発の背景

プラントや工場、インフラ設備では、サビや腐食などの異常を人が目視で確認する点検作業が数多く残されています。
一方で、設備の材質、塗装、照明、汚れ、撮影角度などの条件は現場ごとに異なります。
同じ種類の設備であっても、構造、設置環境、使用状況によって発生する不具合が異なるため、汎用的なAIモデルだけでは正確な検出が難しい場合があります。

また、点検画像には設備の構造や配置など、外部へ送信しにくい情報が含まれます。
アトラックラボは、こうした現場固有の条件と情報管理上の課題に対応するため、ローカル環境で追加学習と推論を行い、ロボットによる画像収集から異常検出までを一体化するサービスを開発しました。

「AT-SYNAPSE 追加学習サービス」の特長

1.現場データで点検AIを最適化
お客様の現場で撮影したサビや腐食、機器特有の不具合などの画像をもとに、追加学習用のデータセットを構築します。
対象や撮影条件に応じて、数百枚から数千枚規模を目安に画像を収集・整理し、LoRA(Low-Rank Adaptation)などの手法によってAIモデルを追加学習します。
点検対象に応じて、VLM(画像と言語を扱うAI)、画像分類、物体検出などから適切な手法を選択し、現場の使用環境や点検基準に適したモデルへ調整します。

2.クラウドに依存しないローカル処理
NVIDIA DGX Sparkの演算性能と大容量メモリを活用し、大規模なVLMを含むAIモデルの追加学習と推論をローカル環境で実行します。
お客様のセキュリティ要件に応じて、導入先または外部ネットワークから分離した環境で処理することで、機密性の高い点検画像を外部クラウドへ送信せずに運用できます。

3.運用データを使って継続的に改善
初期モデルの導入後も、実際の点検で蓄積された新たな画像と確認結果を追加学習に活用できます。
現場で発生した機器特有の不具合や新たな事例を継続的に学習させることで、設備や撮影環境に合わせて段階的にモデルを改善します。

4.画像収集からロボットへの実装まで一貫して対応
アトラックラボは、学習用画像の整理、アノテーション、データセットの構築、AIモデルの追加学習と評価、AT-SYNAPSEへの実装、現場環境での動作確認まで一貫して対応します。
AT-SYNAPSEは、UGV、レールドローン、クローラーロボットなどと連携できます。ロボットが設定されたルートを移動しながら画像を収集し、追加学習したモデルが異常箇所を検出します。
検出結果を画像や位置情報と関連付けて記録することで、点検履歴の管理や経年変化の確認にも活用できます。

想定される点検対象

  • サビ、腐食
  • 亀裂、欠損
  • 塗装の剥離
  • 漏れ、にじみ
  • ボルトや部品の脱落
  • 異物、堆積物
  • 機器の構造や使用状況に起因する固有の不具合
  • 雪庇など、形状を一律に定義しにくい異常

※対象物や撮影環境、必要な判定精度によって、使用するAIモデル、学習方法および必要な画像数は異なります。

想定される導入分野

  • プラントや工場設備の巡回点検
  • 配管、タンク、鉄骨、橋梁などの定期点検
  • 屋根、壁面、高所、雪上など、人による点検が困難な場所
  • 通信環境が不安定、またはクラウドを利用できない施設
  • UGVやレールドローンを活用した自動点検
  • 点検画像の蓄積と経年変化の記録

サービス概要
サービス名 :AT-SYNAPSE 追加学習サービス
提供内容  :学習データの整理、アノテーション、データセット構築、AIモデルの追加学習・評価、ロボットへの実装、現場での動作確認
対象    :製造業、プラント、インフラ、建設、設備保全事業者など
提供価格  :点検対象、画像数、学習内容、ロボット構成に応じた個別見積もり

点検AIは、汎用モデルを導入するだけで完成するものではありません。
サビや腐食の見え方は、設備の材質、塗装、照明、撮影条件などによって異なります。
また、点検対象となる機器ごとに構造や使われ方が異なり、その機器特有の不具合も学習させる必要があります。
実際の現場データを追加学習し、運用を続けながら点検精度を高めることが重要です。
AT-SYNAPSE 追加学習サービスでは、機密性の高い画像を外部クラウドへ送信せず、ローカル環境で学習と推論を行います。
ロボットによる安定したデータ収集と組み合わせ、人が立ち入りにくい場所や負担の大きい点検作業を、より安全で確実なものにしていきます。

株式会社アトラックラボ 代表取締役 伊豆智幸

AT-SYNAPSEについて

AT-SYNAPSEは、画像認識や自然言語処理と、ROS 2による移動・運動制御を組み合わせた、AI点検ロボット向けの制御プラットフォームです。
安全に関わる走行制御や停止処理はAIに依存しない構成とし、AIは画像解析、点検対象の検出、作業指示の理解などに活用します。
UGV、ドローン、USV、レールドローンをはじめとする各種無人機に展開できます。

資料引用:アトラックラボ

おわりに

今回ご紹介したアトラックラボの「AT-SYNAPSE 追加学習サービス」は、単なるAI点検ロボットの発表にとどまらず、これからの社会インフラ維持管理における大きな転換点を示しています。
その本質的な価値は、「現場データのローカル処理」と「現場特有の追加学習」の融合にあります。

この技術のポテンシャルは、プラントなどの産業設備だけに留まりません。
今後、市場の絶対数が圧倒的に多いマンションの外壁や公共施設の定期点検(法定点検など)へと技術転用が進めば、点検業界に劇的なイノベーションをもたらすはずです。

特に、住宅街や公共施設での点検において最大の壁となっていた「プライバシーとセキュリティ」に対し、外部クラウドへ画像を送信しないローカルAI処理は決定的な解決策となります。
住戸の室内の写り込みを現地端末で即座に自動マスクし、クラック(ひび割れ)やタイルの剥離といった劣化情報のみを安全に抽出・蓄積する——こうした運用が可能になれば、住民や管理組合の合意形成は格段にスムーズになるでしょう。

さらに、ドローンやクローラー(UGV)など複数のロボットを同一プラットフォームで制御し、建物全体を立体的にカバーできる点も大きな強みです。将来的に赤外線サーモグラフィや経年変化データと組み合わされば、より精度の高い予測保全へと進化していきます。

少子高齢化による人手不足と建物の老朽化が同時に進む日本において、「クラウドに依存しない安全で高精度な自動点検」のニーズは高まる一方です。現場の条件に合わせて賢く進化し続けるローカルAIロボットが、私たちの街や暮らしの安全を支える標準となっていく未来に、大きな期待が寄せられます。


【リリースニュース配信元】
□株式会社アトラックラボ
リリースニュース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000123.000052796.html
Webサイト:https://attraclab.com/
E-mail:sales@attraclab.com

株式会社アトラックラボは、UGV、ドローン、USVなどの無人機と、それらを制御するロボットシステムの研究開発を行っています。
現場ごとの課題に合わせ、機体設計、ROS 2制御、通信、センサー、画像認識を組み合わせた実用的なシステムを開発しています。

タイトルとURLをコピーしました