滋賀県建設業協会 高島支部は、2026年9月3日(木)・4日(金)、「令和8年度 高島市 若者ワークシフト事業 修成建設専門学校サマースクール」を修成建設専門学校と実施。
同支部の一員の 株式会社桑原組(以下、桑原組)が、建設現場・プラント見学や実習などのプログラム運営に協力したレポートの様子を本日は取り上げてみたいと思います。
高島市「若者ワークシフト事業」のサマースクール
本サマースクールには、修成建設専門学校の学生36名、教員・事務4名の計40名が参加。
大津市内の建設現場見学や高島市内のプラント見学・体験に加え、ヴォーリズ建築に関するプログラムや「針江 生水の郷」の見学などを通じて、高島市の歴史・文化・暮らしにも触れる2日間となりました。
滋賀県建設業協会 高島支部では、建設業の仕事だけでなく、その仕事が営まれている高島という地域そのものを知ってもらうことを重視しました。
このうち桑原組の担当プログラムとして高島市企業が施工する大津市内の工場見学、高島市内のプラント見学・実習、建設業や地域で働くことについての座学などを実施。
プラントでは全員で工場概要を学んだ後、生コン・アスコンの2班に分かれ、製造設備や試験設備を見学しました。1日目の「先輩との対話」と2日目の「体験発表」には、高島支部の協力企業も参加しました。

実際の建設現場を間近で見学する修成建設専門学校の学生たち
高島の「暮らし」と「建設業」を丸ごと体験する2日間
今回のサマースクールは、体験を通じて高島市と建設業の双方の魅力を伝え、地域の建設業への関心を高めるとともに、高島市そのものに興味を持ってもらうことを目的に実施されました。
建設業は、道路や建物などの社会インフラを通じて、人々の暮らしを支える仕事です。
一方、学生にとって、学校で学んでいる技術や知識が実際の仕事の中でどのように生かされているのかを直接見る機会は限られています。
建設業を学ぶだけではない、「高島の良いところ」を巡る地域体験
建設現場やプラントで地域を支える仕事を知ることと、
その仕事が営まれている高島のまちや暮らしを知ることを一つのプログラムとして組み合わせることで、学生たちに「高島で暮らすこと」「高島で働くこと」の魅力を立体的に感じてもらう構成としました。
そこで本企画では、企業や仕事について「聞く」だけではなく、建設現場・プラントでの見学や実習を通じて、「見る」「触れる」「働く人と話す」といった体験を重視しました。
また、1日目の「先輩との対話」と2日目の「体験発表」には高島支部の協力企業も参加し、地域の建設業で働く人との交流機会を設けました。

施工中の建設現場を訪れ、実際の工事の進め方について学ぶ学生たち
建設現場のスケールを肌で感じる
また、滋賀県建設業協会 高島支部のプログラムの一環として、学生たちは実際に施工が進む建設現場を見学しました。
学生たちはヘルメットを着用し、大型クレーンや重機が稼働する現場を間近から見学。
施工の流れや現場で働く人々の役割、安全管理などについて説明を受け、図面や教科書だけでは伝わりにくい現場のスケール感や、さまざまな職種が連携して一つの構造物をつくり上げる建設業の特徴に触れる機会となりました。

アスコン工場の概要について説明を受ける学生たち
工場概要を学び、生コン・アスコンの2班に分かれて見学
続いて学生たちは、高島市内の桑原組グループのプラントを訪問し、まず全員で工場全体の概要や事業内容について説明を受けた後、生コンクリート(生コン)とアスファルトコンクリート(アスコン)の2班に分かれて見学・体験を行いました。
生コン班では、建物や構造物に使用されるコンクリートについて、材料の計量や練り混ぜ、ミキサー車による出荷までの工程を見学。
アスコン班では、道路舗装などに使用されるアスファルト混合物について、製造設備や品質管理の流れを学び、普段学校で学んでいる材料や施工の知識と、実際の製造現場とのつながりを確認する機会となりました。

生コンクリートの製造設備を見学し、製造工程について説明を受ける学生たち

ミキサー車を間近で見学する学生たち
コンクリート・アスファルトを実際に「触って」学ぶ
施設を見学するだけでなく、建設材料に実際に触れる体験も行いました。
コンクリートを使った実演や試験設備の見学を通じて、材料の状態や品質を確認する工程を紹介。
学生たちは担当者の説明を聞きながら、身近な建設材料がどのように管理されているのかを学びました。また、アスファルトについても、材料の特徴や品質管理について説明を受け、実際に材料を扱う体験を実施しました。

実際のコンクリートを使った実習の様子

アスファルトを実際に扱いながらの体験学習
品質を守るための試験設備も見学
建設に使用する材料は、製造して終わりではありません。安全で品質の高い構造物をつくるためには、さまざまな試験や品質管理が欠かせません。
学生たちは、マーシャル試験機をはじめとする各種試験設備を見学し、建設材料の品質をどのように確認しているのかについて説明を受けました。
実際の機器を目の前にすることで、普段学んでいる試験や品質管理が、建設現場を支える重要な工程であることを体感しました。

アスファルトなどの品質を確認する試験設備について説明を受ける学生たち
「地域で働く」「建設業で働く」を考える座学
実習に加え、地域の建設業で働くことを考える座学も実施しました。桑原組の社員から会社や事業、地域で働くことについて紹介したほか、1日目の「先輩との対話」には高島支部の協力企業も参加。仕事内容や仕事の魅力、働くうえでの考え方などを学生が直接聞く機会を設けました。
会社や事業内容の紹介に加え、建設業の仕事が地域の暮らしとどのようにつながっているのか、実際に働く中で感じる仕事の魅力などを学生へ伝えました。
高島市に根ざす企業で働く人と直接話すことで、学生たちに建設業をより身近なキャリアとして感じてもらうことを目指しました。

取締役副社長桑原勇人から、会社や建設業の仕事、地域で働くことについて説明を受ける学生たち
体験したことを、自分たちの言葉に
2日間のプログラムの最後には、体験した内容を振り返り、学生同士で共有するワークショップと体験発表を行いました。2日目の「体験発表」には高島支部の協力企業も参加し、学生たちが建設業だけでなく、高島市の暮らしや地域の魅力について感じたことも共有しました。
現場で見たこと、実際に材料に触れて感じたこと、地域企業で働く人との会話から得た気づきなどを整理し、グループごとに意見交換を実施。
単に見学・体験して終えるのではなく、「自分は何を感じたのか」「建設業や高島市のどこに魅力を感じたのか」を言葉にすることで、今後の学びや将来のキャリアについて考える機会につなげました。

2日間の体験を振り返り、高島市や建設業の魅力についてグループワークを行う学生たち

グループごとにまとめた内容を発表し、体験を通じて得た気づきを共有
今回、修成建設専門学校の皆さんを高島にお迎えし、建設現場やプラントを見て、建設材料にも触れていただく機会をつくることができ、大変嬉しく思っています。
学校で学んでいることが、実際の現場でどのようにつながっているのか。そこで働く人がどのような想いを持って仕事をしているのか。それは、実際に現地を訪れて初めて感じられる部分も多いと思います。
建設業は、完成した建物や道路だけを見るとなかなか気づきにくいですが、地域の暮らしを長く支え続けていく仕事です。今回の体験を通じて、建設業の仕事を少しでも身近に感じてもらい、これからの学びや将来を考えるきっかけの一つになればと思います。
同時に、今回のサマースクールでは、建設業だけでなく高島の歴史や文化、暮らしにも触れていただきました。まずは「高島にはこんな場所や仕事があるんだ」と高島市そのものに興味を持ってもらうことが大切だと考えています。今回をきっかけに、また高島を訪れてみたい、もっと地域のことを知りたいと思ってもらえれば嬉しいです。
桑原組としても、滋賀県建設業協会 高島支部の一員として、若い世代と地域をつなぎ、建設業の魅力とともに高島という地域の魅力を伝える活動を今後も続けてまいります。
株式会社桑原組 取締役副社長 桑原勇人
今後の展望
滋賀県建設業協会 高島支部では、学校・行政・地域企業と連携し、若い世代が建設業や高島の地域に触れる機会づくりを進めています。桑原組も同支部の一員として、次世代への教育・キャリア支援に取り組んでいます。
今後も、現場見学や仕事体験、地域の歴史・文化・暮らしに触れるプログラムなどを通じて、建設業と高島市の双方を「知る」だけではなく、実際に「見て、触れて、感じる」機会を創出してまいります。
また、高島市に根ざす建設企業・団体として、地域の魅力と建設業の魅力を次世代へ伝え、若者が高島市に関心を持ち、将来のキャリアや地域との関わり方を考えるきっかけづくりに貢献してまいります。
事業名:
令和8年度 高島市 若者ワークシフト事業
「修成建設専門学校サマースクール ~高島の『暮らし』と『建設業』の魅力~」
実施日:2026年9月3日(木)~9月4日(金)
参加者:修成建設専門学校 学生36名、教員・事務4名 計40名
主催:修成建設専門学校、滋賀県建設業協会 高島支部
実施協力:高島市
主な内容:大津市内の建設現場見学、高島市内のプラント見学・体験(生コン/アスコン)、
建設材料に関する実習・座学、先輩との対話、ヴォーリズ建築に関するプログラム、
「針江 生水の郷」見学などの地域体験、体験発表・ワークショップ等
資料引用:桑原組
おわりに
AIの進化に伴い「代替されない仕事」として建設業をはじめとするブルーカラー領域に関心を寄せる若者が増えています。しかし、単に「AI時代を生き抜くための消去法」として選ぶのではなく、いかにして「自分たちの手で地域を護り、創る」という誇り(パーパス)を育めるかが、今後の持続可能な人材確保の真の鍵と言えます。
そうした中で注目されるのが、現場の見学・実習と「地域の暮らしや文化」の体験を掛け合わせた、高島市や桑原組のような最新の教育・採用アプローチです。
この取り組みが示す大きな意義は3つあります。
第一に、実際の工事現場やプラントに触れ、現場で働く人と直接対話することで、仕事への手応えと「地域を護るプロフェッショナル」としての誇りを醸成できる点。
第二に、仕事内容だけでなく街の歴史や暮らしを丸ごと体感させることで、「この街で働き、暮らす将来像」を立体的にイメージさせ、地域定着やUIJターンへ繋げられる点。
そして第三に、丁寧な品質管理や安全管理の実際を見せることで従来のイメージを刷新し、入社後のミスマッチを防げる点です。
安全管理や受入コストのハードルから一企業単体での継続が困難だった現場見学も、自治体・建設業協会・学校が一体となる「プラットフォーム型」で実施することで、地域社会全体で若い担い手を育てる持続可能な仕組みへと進化します。
「技術を学ぶ」にとどまらず、「この街を愛し、護る心」を育む体験型アプローチ。これは建設業に限らず、インフラ、農林水産業、物流など、地域の未来を足元から支えるあらゆる産業にとって、次世代を呼び込むための大きな示唆となるのではないでしょうか。
【リリースニュース配信元】
□株式会社 桑原組
リリースニュース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000157651.html
事業内容:総合建設業(建築工事・土木工事・建設資材製造販売 等)
設立:1959年(昭和34年)
URL:https://kuwahara-group.com/