測量用無人ボートが登場

sugitec

こんにちは。先日の記事で、無人で桟橋の劣化調査をおこなう無線LANボートの紹介をしましたが、今回も新しい無人ボートが登場してきましたのでご紹介します。

以前に紹介した無線LANボートは、ボートから桟橋の写真撮影をおこない、それを画像処理することで劣化の診断をおこなうという製品でしたが、今回は測量専用のボートになります。

港湾や湖沼・河川などで深浅測量が可能なボート

CARPHIN V(カーフィンブイ)と名付けられたこのボートは、従来の人が乗って測量をおこなう有人測量船では困難だった港湾や小規模な河川など、様々な場所で深浅測量をおこなえます。勿論ですがこちらは自律航行できます。


出典:OKI

このボートができた背景

様々な目的・場所で、港湾や湖沼・河川などでの深浅測量はおこなわれてきました。その中でも、特にハザードマップの作成などの防災の基礎データになる詳細な水量や水底の地形の把握など、のニーズが高まってきているそうです。


出典:OKI

昨今では「観測史上最大」「◯◯年に一度の」と形容されるような豪雨などが増加していきているのもあって、有人の測量船が入れないダムの上流などの水深が浅い河川までに、そのデータのニーズは広がってきています。

その社会的なニーズに応えるべく「OKI、OKIシーテック」「ビィーシステム」「コデン」の3社により今回開発、リリースされました。

防衛分野で高い信頼性を得ているOKIの水中音響センシング技術。そのOKIの水中音響センシング技術をベースにしたOKIシーテックのマルチビーム測探機。

ビィーシステムはマルチビーム測深機のナビゲーション及びデータ解析ソフトウェア。コデンの測深機が搭載可能なリモコンボード等、それぞれ各社が得意とする技術が集約して「CARPHIN  V」は開発されています。

CARPHIN  Vの4つの特長


出典:OKI

1.小型軽量
約25kgの小型軽量な本体。コンパクトなので大人1人で運搬が可能です。あらゆる場所で使用可能。

2.オールインワンシステム
深浅測量に必要な機器全てが船体に装備。しかも一体構造になっているためキャリブレーションは不要。作業時間の短縮が可能な他、誰でも簡単に測量が可能です。

3.リモコンボート船体
自律航行が可能な他、自律回復機能も搭載しています。勿論マニュアル操作も可能。

4.測深機・ソフトウェア・船体はすべて国産
国内3社の開発でサポート、整備対応も安心。

これができたことで、今まで測量が困難だった渓谷のようなダム湖上流の河川、整地されていない浚渫工事現場でも測量が可能となります。

以前にご紹介した桟橋の調査ボートは無線LANで遠隔操作をするものでしたが、こちらはGNSS(全地球測位衛星システム)を用いた自律航行システムを搭載しており、GNSSが使用可能なエリアであればボートは自律的に航行して測定をおこないます。

このボートを使用することで、持ち運ぶのも測定するのも1名でできるため、測定の工数は1/2に効率化されたということです。

まとめ

ダムや河川など、ボートが必要になる調査は色々とありますが、ボートに人が乗り込んで調査をする為には、ボートへの機材の取り付けやキャリブレーションなど事前・事後の作業もあり、それなりに手間と時間がかかるものだと思います。

人工知能に人の仕事を任せるといった流れは進んできていますが、技術は違えどこれもそれと同じですね。人の代わりに作業をさせて効率化を図る。

高齢化とマンパワー不足の業界では、今後もこういったものが増えてくるのは間違いないでしょう。

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