鹿島建設株式会社(以下、鹿島)は、岡部株式会社(以下、岡部)、株式会社丸久(以下、丸久)、株式会社楠工務店(以下、楠工務店)と共同で、コンクリート構造物の施工に不可欠な型枠工事の70年ぶりの新工法「型枠一本締め®工法」を2024年5月に開発しました。同工法は、在来工法で使用していた鋼製パイプをアルミ製パイプに変更して軽量化を図るとともに、施工方法を簡素化することで、安全性と生産性を同時に向上させるもので、多くの建設現場で導入されています。
このたび、鹿島は、同工法の普及をさらに加速するため、株式会社加門組(以下、加門組)を加えた5社共同で、角形のアルミパイプ、クサビ式のフォームタイを使用した西日本向けの型枠一本締め工法を新たに開発というリリースニュースをお届けします。
2024年5月に開発した専用アルミパイプ(かまぼこ型)、ネジ式のフォームタイの組み合わせに、新たなラインナップを追加したことで、全国で利用できる型枠工法となりました。
新たに西日本向け工法を開発。東日本向けとあわせ普及に加速

西日本向け型枠一本締め工法(角アルミパイプ)

西日本中心の在来工法(角鋼製パイプ)
開発の経緯
鹿島は、丸形鋼製パイプ・ネジ式を採用した在来型枠工法に変わる合理化工法として、2024年5月に、新工法「型枠一本締め工法」を開発しました。
東日本を中心に多くの建設現場で導入され、技能者の身体的負担を軽減させるとともに、高い安全性と施工効率を実現してきました。
このたび、本工法の普及をさらに加速するため、角パイプ・クサビ式が主流である西日本をカバーする、角形のアルミパイプとクサビ式のフォームタイを利用した、新たな型枠一本締め工法を開発しました。

西日本向け(角アルミパイプ・クサビ式)

東日本向け(専用アルミパイプ・ネジ式)
本工法の特長
本工法の特長は以下のとおりです。
新型角アルミパイプ、新型角アルミパイプジョイント、新型クサビ式フォームタイで構成
新型角アルミパイプの採用により、在来工法の角形鋼製パイプと比べて、大幅な軽量化を実現
(鋼製:約4.1kg/m →アルミ製:約1.7kg/m)
『型枠の設計・施工指針(2011)』(日本建築学会)で求められている所定の強度を確保
新型角アルミパイプをつなぐ新型角アルミパイプジョイントの開発により、被せて嵌め込むだけの簡単 施工を実現
ロの字型の新型クサビ式フォームタイを開発。下のアームに新型角アルミパイプを預けられるため、 締付けの際にパイプを片手で支える必要がなく、両手での安定した作業が可能

施工方法が簡素化し、誰でも簡単・確実に締付け可能
本工法の導入効果
本工法の導入により期待される効果は以下のとおりです。
柱・壁工事においては、パイプの使用本数が在来工法の約2本1組から1本に削減できるため、型枠資材である柱・壁用パイプの総重量が約70%低減
RC造の建物に新工法を導入した場合、パイプ荷上げの総重量が約75%低減
パイプの軽量化と本数の削減により、型枠資材パイプの運搬に伴うCO2排出量を約50%削減
リサイクル率の高いアルミ製パイプの使用により、資源循環型社会へ寄与

柱・壁工事における施工方法とパイプの重量の比較
今後の展開
鹿島は今後、現場でコンクリート打設工事を行う全国の土木・建築工事に本工法を広く展開することで、技能者不足や労働生産性の低下、施工時に排出されるCO2削減の実現など、建設業が抱える諸課題の解決に貢献してまいります。
紹介映像
資料引用:鹿島
おわりに
鹿島が発表した「型枠一本締め工法」の西日本対応は、建設業界の生産性向上に向けた大きな一歩です。そもそも、なぜ「西日本向け」がわざわざニュースになるのでしょうか?
実は、日本の型枠工事には長年「東と西のローカルルール」が存在していました。
東日本:丸パイプ + ネジ式(在来工法)
現場加工が多く、複雑な形状にも柔軟に対応できる丸パイプとネジ留めが定着。
西日本:角パイプ + クサビ式(パネル工法)
あらかじめ規格化したパネルを並べ、ハンマー叩きでスピーディーに固定する角パイプが主流。
こうした職人文化や資材流通の違いから、2024年に先行開発された東日本仕様(丸パイプ代替)だけでは、西日本の現場へ普及しにくいという課題がありました。
今回、西日本で親しまれている「角パイプ×クサビ式」に完全対応したことで、ついに全国どこでも最新の省力化技術を導入できる体制が整ったのです。
この工法が現場にもたらすメリットは絶大です。
【主な導入効果】
身体的負担の軽減: パイプ本数を半減し、柱・壁用資材の重量を約70%削減
環境負荷の低減: 資材の軽量化により、運搬時のCO2排出量を約50%削減
施工の安全化: 新開発の金具で両手作業が可能となり、経験の浅い技能者でも安全・簡単に施工
人手不足や高齢化、脱炭素への対応といった課題に対し、地域ごとの長年の施工習慣に寄り添う形で
全国展開を可能にした今回の取り組み。東西の垣根を越えた技術革新が普及することで、これからの建設現場がより安全で働きやすい場所へと進化していくことが期待されます。
【リリースニュース配信元】
□鹿島建設株式会社
リリースニュース
https://www.kajima.co.jp/news/press/202607/7a1-j.htm