宅建法改正から1年。住宅のインスペクションは浸透したのか?

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スギまる
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こんにちは。昨日は少し雨模様となりましたが、本日からまた強い日差しが戻っています。水分補給は忘れずに!さて、本日5月15日は沖縄復帰の日ということで昭和47年のこの日、施政権がアメリカから日本に返還されました。

スギヤマ
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沖縄県の誕生だな。当然日本政府としては本土並みの復帰を目指していたそうだが、実際は多くの米軍の基地や演習場、弾薬庫など本島の19.3%に上る面積が基地に占められている。

スギまる
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アメリカに優位な条件での返還ですからさぞや不満も大きかったことでしょう…

スギヤマ
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返還されたという事実自体は県民にとって歓迎するものだが、これに関しては密約や西山事件など色々と根深い。ここまでにしておこう…

宅地建物取引業法の改正から1年経過。市場は変わってきたか?

さて、本日は中古住宅のインスペクションに関する話題。昨年、平成30年4月1日に既存住宅の状況調査、いわゆる建物調査(ホームインスペクション)の義務化という、宅建法の改正が施行されました。

このホームインスペクションの義務化というのはインスペクションを義務づけるものではなく、中古住宅の売買時に依頼者に以下の説明を義務付けることです。

  1. 媒介契約締結時
    インスペクションをおこなう業者の斡旋の可否を示し、媒介依頼者の意向に応じ斡旋。
  2. 重要事項説明時
    宅建業者がインスペクション結果を買い主に対し説明。
  3. 売買契約締結時
    基礎、外壁等の現況を売り主・買い主が相互に確認し、その内容を宅建業者から売り主・買い主に書面で公布。

ということで、中古住宅を購入する際にこれまで一般の方は知らなかったであろう「インスペクション」の存在を知れますし、見てもらうことで安心感をもって購入できるメリットがあります。

アメリカなどではこのインスペクションは当たり前に行われていますし、日本でもインスペクションを取り入れることで安心できる取引で中古住宅市場を活発化させようというのが政府の目論見です。

インスペクションとは
調査・検査すること。建築物に詳しい専門分野の調査員が建物の不具合についてを調査し、欠陥部分や補修するべきところがないかを客観的に調査すること。

市場は変わってきているのか?

その宅建法の施行から1年以上が経過しましたが、国交省が既存住宅状況調査技術者の所属する事業所を対象として「既存住宅状況調査技術者アンケート調査」を昨年10月~11月にかけて実施。

改正された4月から9月までの半年間になりますが、そのアンケート結果の中身をみていきましょう。(調査対象事業所は3,513件、調査対象技術者は5,441名からの有効回答)

既存住宅状況調査の実施件数


出典:国土交通省

調査実施件数の推移として、平成30年度のこの期間の住宅調査を行った件数は、昨年度の数字から約2倍の5,932件に。これは既存中古住宅流通戸数の8%程度という数字になっています。

そして右側の円グラフは事業所別の調査実施件数の増減。インスペクションの実施件数が増減したかを事業所別に聞いたものになります。その結果は「実績なし」の回答が大半を占め81.1%。一方「増加」したとの回答は13.4%で「減少」は4.4%、「横ばい」は1.1%との結果に。

既存住宅状況調査実施にあたっての課題


出典:国土交通省

次に各事業所が感じている課題についてのアンケート結果ですが、課題として「制度がまだ認知されていない」が76.7%、「宅建業者が消極的」が33.2%、「売主・買主が消極的」が29.4%、これらが上位3つの結果で、他「トラブルの恐れ」、「相乗効果があるか不明」等続いています。

調査を実施しない理由としての回答は、一番多いものが「建物状況調査の依頼が見込めない」が59.0%と最も多くなっており、次いで「業務の具体的な実施方法が不明」の回答が23.1%。

まだまだ慎重なのか?何が問題か?

このアンケート自体は改正から半年後の結果になるので、まだまだ慎重になっているのか、インスペクション自体は認知はされているものの積極的に利用していこうという姿勢は感じられない結果となっています。

普通に考えて、住宅の売り主が不動産業者に売却依頼をかける際にインスペクションの説明義務が発生しますが、売り主が自己負担をしてインスペクションを実施するかと言われれば、しないという判断をする人は圧倒的に多いでしょう。

不動産業者にしても折角見つかった買い主に、インスペクションを行って不具合が発見されて逃げられては困る、という考えはあるはずです。なんとも難しいですね。

残念ながらインスペクションを活用する流れにはなっていますが、そこから先は不動産業者さんや売り主側の意識の問題が大きいのかと感じます。

まとめ

まだまだ問題というか始まったばかりなので、やはり制度が変わっても一気に普及という訳にはいかなそうですね。

アメリカでは8割以上の人が住宅購入前にインスペクションを行い安心な取引ができる仕組みが確率されていますが、導入当時はかなりの抵抗があったそうです。

日本もこのままという訳はなく徐々に普及していくことだと思いますが、それには行政、業界のさらなる協力が不可欠になるでしょう。

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