ARを活用した建設機械の故障診断アプリがリリース

sugitec

IT関連コンサル事業を行う株式会社モンスター・ラボ(東京都渋谷区)と、建機や農機の開発を手掛ける株式会社クボタは、ARと3Dを活用した故障診断を効率化するアプリの「kubota diagnostics(クボタ ダイアグノティックス)」を企画開発した。

このアプリは故障時のダウンタイムを低減するもので、ダウンタイムの50%を故障診断を占めるという米国KTC(Kubota Tractor Corporation)を、まず初めの導入先としてリリースする。

KTCへのリリース後、効果検証を経ての来年以降に日本国内を含む世界各国の市場に順次展開を行っていく予定だ。また、このアプリの使用を通じディーラーの持つ故障情報を効率的に収集することで、故障予防を含むサービス向上も見込んでいるとのこと。


出典:株式会社モンスター・ラボ


出典:株式会社クボタ

開発の背景

建機の故障による稼働率の低下はユーザーの収益低下に直結することから、故障によるダウンタイムの短縮はメーカーやディーラーの重要課題となっている。

クボタでは、建機を取り扱うディーラーで故障時に診断を行うサービスエンジニアの経験、スキルによってはマニュアルのみでは不十分で本社へ問い合わせが必要な場合があり、ダウンタイムが長期化するという問題があったという。

そこで、機械が発するエラーコードや発生している症状から、故障箇所を特定する診断フローの提供や、3DモデルとARを組み合わせたガイダンスによる迅速かつ効率的な故障診断をサポートするサービスエンジニア向けのアプリ「Kubota Diagnostics」を企画。モンスター・ラボが、設計・デザイン・開発を担当した。

診断フローの整備と可視化で、ディーラーの業務効率化とサービスエンジニアの知識経験に左右されない故障対応が可能となり、人材の教育や人員確保の面でも貢献が期待されている。


出典:株式会社モンスター・ラボ

機能と特長

故障診断フロー
機械からのエラーコードや不具合をアプリに入力すると、自動的に点検箇所や修理方法が示される。これによりサービスエンジニアの経験や知識に関わらず一定レベルでの故障診断が可能となる。

また、スマートフォンを建機にかざすことで、3DモデルとARを通して故障の該当箇所がハイライト表示され、対象の部品特定も容易となる。


出典:株式会社クボタ

最新情報の提供
製品情報や故障情報をリアルタイムにエンジニアに共有することで、作業効率や未熟練エンジニアの教育に役立てることが可能。

UIデザインの工夫
可視性の高いUI、片手でもタップしやすい操作性など、現場での使用に最適化。

現場での担当引継をスムーズにする診断レポート

ログとフィードバックの蓄積
現場の故障情報を収集し、最適な診断フローの整備と故障予知につなげる。


出典:株式会社モンスター・ラボ

アプリは12月16日に米国にてリリース、効果検証が行われており、米国市場での検証データの収集と分析を元にモンスター・ラボでは精度向上や機能拡充を進め、また世界各国でのローカライズ支援も行っていくとのことだ。


□株式会社モンスター・ラボ
クボタとARを活用した建設機械の故障診断アプリ『Kubota Diagnostics』をリリースいたしました
https://monstar-lab.com/ml-news/kubotadianostics_201221/

□株式会社クボタ
スマートフォンで建設機械の故障修理を効率化するアプリを開発
https://www.kubota.co.jp/news/2020/20-75j.html

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