ライフサイクルコストの低いコンクリート舗装の補修材

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記事のポイント

・東急建設株式会社(以下、東急建設)と、世紀東急工業株式会社(以下、世紀東急工業)は、道路のコンクリート舗装のひび割れ補修材「CRACK REPAIR(クラックリペア)」を共同開発した。

・従来のシーリングによる補修は、ひび割れ表面のシールに留まるために、ひび割れが拡大したり割れたコンクリート片が飛散するなど安全面に問題があったが、CRACK REPAIRではひび割れ深部まで注入できるため、安全性が確保されるという。

コンクリート舗装のひび割れ補修材「CRACK REPAIR」を共同開発

東急建設は世紀東急工業と共同で、道路コンクリートの舗装に発生したクラックの補修材「CRACK REPAIR(クラックリペア)」を開発した。高耐久かつライフサイクルコスト(LCC)の低減が可能なコンクリート舗装の補修方法を確立することで、インフラ整備の長寿命化に貢献する。

道路コンクリートの舗装は、一般的なアスファルト舗装と比較しても耐久力が高く長寿命化に適していることから、LCCの低減が可能であり、また、タイヤの接地面積が小さくなることから自動車の低燃費にも貢献。白色系で路面温度の上昇も伴わないものとして環境面でも注目を集めている。

しかし、コンクリート舗装の長寿命化には、発生したひび割れをその都度補修していく必要がある。従来はシーリングや一般的な注入工法で補修されてきたが、前者ではコンクリート片の飛散等の安全面で課題があり、後者では準備工を必要とし施工に手間と時間がかかる。そのためコンクリート舗装の長寿命化を確保するには補修方法の確立が喫緊の課題とされていたという。


出典:東急建設

CRACK REPAIRでは、安全性の確保と施工の時間と手間の削減を実現。従来の課題を解決する工法になっている。

概要

CRACK REPAIRは、水のような極低粘度のポリウレタン系の薬液をひび割れに注入し、その拡大を防止する補修材である。

従来のシーリング工法は、ひび割れ表面のシール作業にとどまるためにひび割れが容易に拡大してしまう他、割れたコンクリート片が飛散する危険もあり、安全面に問題があった。CRACK REPAIRではひび割れの深部まで注入することが可能となっており、安全性を確保することができる。


出典:東急建設

施工手順としては、まず補修材の注入を妨げるひび割れ内の詰まり物を除去。ひび割れ部に薬液を注入したのち、表面の仕上げを行うという工程だ。従来必要とされてきたシール材設置の準備工を必要とせず、施工の手間を大きく削減。また、注入開始から仕上げまで完了し道路が通行可能となるまで約1時間であり、施工時間の短縮も実現している。

なお、ひび割れ内部に詰まり物が多い場合や、一般的な圧縮空気の吹付けでは詰まり物の除去が困難な場合、独自開発された、ひび割れ内異物除去工法※を併用することで、補修材の充填性が確保される。

[aside type=”boader”] ひび割れ内異物除去工法
専用装置をひび割れ表面に設置し吸引することで、ひび割れに流入する空気量を多くし且つ影響範囲を広くして詰まり物を効果的に除去する工法[/aside]

今後、CRACK REPAIRは両社の事業にて活用される他、関係者に対するオンラインでの施工デモンストレーションを実施し、有用性の理解浸透に努めていくとのことだ。


□東急建設株式会社
コンクリート舗装のひび割れ補修材「CRACK REPAIR」を共同開発
リリース記事:https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/assets/20210316_Newsletter.pdf

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