日揮HD、建設用3Dプリンタの本格導入に向け実証着手

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記事のポイント

・日揮ホールディングス株式会社(以下、日揮HD)は、海外EPC事業会社の日揮グローバル株式会社(以下、日揮グローバル)が建設工事における3Dプリンタの本格導入に向けた取り組みとして、国内プラント建設現場での建設用3Dプリンタの有効性実証に着手すると発表した。

・この建設用3Dプリンタの実証に関する取り組みは、世界のエンジニアリング会社の中でも先進的な事例になるとしている。

受注競争力の向上を目指し、DXの積極的活用を推進

日揮グループは受注競争力向上を目指し、DXの積極的な活用を推進している。2018年12月にはEPC(設計・調達・建設)プロジェクトの工数1/3、スピード2倍を目標とする長期情報戦略である「ITグランドプラン2030」を策定。「3Dプリンタ導入や建設自動化による建設工法最適化」をその取り組みのテーマのひとつとして掲げている。

この方針に基づき、日揮グローバルでは2020年9月にEPC DX部を新設。2021年4月より建設自動化技術や3Dプリンタ技術を推進する組織である「DFAMユニット」を設置し、現在は海外プラント建設プロジェクトにおける建設用3Dプリンタの本格的導入を目指しており、これまでに様々な3Dプリンタを提供する世界中の起業と協業しつつ、3Dプリンタや建設自動化に関するDX開発や実装に向け検討を進めているという。


出典:日揮HD

今回の3Dプリンタの実証はその一環として実施するものとなり、日揮グループの国内EPC事業会社である日揮株式会社が宮城県石巻市で遂行中のバイオマス専焼発電設備の建設現場において、デンマークのCOBOD International A/S(以下、COBOD)のガントリー型※コンクリート系建設用3Dプリンタを用いて、2021年内に構造物の造形を開始。工期やコスト、品質などの導入効果の検証作業を行い、その有効性を確認する。

COBOD社は、ガントリー型コンクリート系建設用3Dプリンタを提供するスタートアップ企業。欧州、アジア、北米、アフリカなどで販売実績を有している。他社の製品と比較して大型構造物の造形、屋外での利用も可能な点が特長だ。

※ガントリー型
門型フレームで囲んだ範囲を、ノズルが縦、横、高さ方向に自由に移動できる3Dプリンタ


出典:日揮HD

建設現場で3Dプリンタを導入することで、型枠を組みコンクリートを流し込むという従来工法と比較し、「構造物の形状の自由度が高い」「複数部品の一体化が可能」といった設計の効率化や「ロボット活用による省人化」など建設工事の効率化が期待できる。

国内建設現場において、3Dプリンタの有効性を確認したのちに、海外を含めた建設プロジェクト全体への本格的な導入を進めていく方針とのことだ。


□日揮ホールディングス株式会社
3Dプリンタの本格的導入に向け、国内プロジェクトで実証に着手
―受注競争力向上を目指し、DXの積極的活用を推進―
リリース記事:https://www.jgc.com/jp/news/2021/20210630.html

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