長谷工コーポレーション✕スマートロボティクス
マンション建設現場向け清掃ロボ「HRX™スイーパーS HIPPO™」を共同開発。

sugitec

概要

株式会社長谷工コーポレーション(以下、長谷工コーポレーション)と、株式会社スマートロボティクス(以下、スマートロボティクス)は共同で、マンション建設現場向けの自動清掃ロボット「HRX™スイーパーS HIPPO™」(特許出願中) (以下、HIPPO™)を開発・運用というリリースニュースをお届けします。


マンション建設現場向け清掃ロボ「HRX™スイーパーS HIPPO™」

長谷工コーポレーション(本社:東京都港区、代表取締役社長:池上 一夫)と、スマートロボティクス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井島 剛志)は共同で、マンション建設現場向けの自動清掃ロボット「HRX™スイーパーS HIPPO™」(特許出願中) (以下、HIPPO™)を開発し、試作機の運用を開始いたしました。

持ち運びが可能な清掃ロボット
現場で清掃をしている様子

多くの建設現場では、4週8休や残業時間の規制といった労働環境を改善するために業務の効率化が課題となっています。
現場の清掃業務は安全安心を確保するために欠かせない業務ですが、各種職方の毎日の作業時間を圧迫するため自動化の検討を進めてまいりました。
現場で排出されるコンクリート片や釘、粉塵、木片などの廃棄物を、安全面に十分配慮しながら捕集できる、小型かつ軽量な清掃ロボットの開発を目指しました。

今回開発したHIPPO™は、人手での持ち運びが容易にでき、誰でも簡単に操作ができます。
例えば約70㎡の住戸であれば1時間で約90%を自動清掃できます。

2022年7月より実際のマンション建設現場にて試作機の運用を開始しており、同年9月頃から本格的な運用検証を進める予定です。

長谷工グループでは、HIPPO™を利用したマンション建設現場の省人化・省力化による労働環境の改善を目指すとともに、今後、人工知能(AI)やICT、ロボティクス活用した業務改善についての検討を進めてまいります。

■清掃ロボット「HRX™スイーパーS HIPPO™」の特長
・落下回避機能、自動停止機能を搭載しており、安全に自動清掃ができます。
・小型かつ軽量であり、設置された取手でスーツケースのように持ち運べます。
・フィルターレスなので、目詰まりが発生しません。
・土嚢袋を利用できるため、専用のゴミパックが不要です。
・ブラシで掃き取る方式を採用しているため、様々な形状の廃棄物を清掃できます。
・事前の地図生成が不要で、現場でスイッチを押すだけで操作ができます。
・桟木材を置くことで、清掃エリアの指定をすることができます。
・スマートフォンで、清掃状況の遠隔監視ができ、エラー発生時に通知されます。

■清掃ロボット「HRX™スイーパーS HIPPO™」の仕様
サイズ   :幅63cm × 高さ39cm × 奥行103cm
本体重量  :28kg
センサ   :超音波センサ、姿勢計
バッテリー :リチウムイオンバッテリー(充電式、4個搭載可能)※1個あたり約1時間の清掃が可能
清掃方式  :ブラシ掃き取り方式
安全機能  : 落下回避機能、自動停止機能、エラー発生時のスマートフォン通知機能

おわりに

仕様をみるかぎり、工事現場に特化した自動ロボット掃除機と見るべきでしょう。
「桟木材を置くことで、清掃エリアの指定をすることができます。」とありますから、
「ホームマップ」を作成して、汚れているところをピンポイントに清掃して、バッテリーを節約したりというところまでは次の段階を待つところでしょう。

さて、ちょうど一カ月前にロボット掃除機分野で大きな動きがありましたね。
(以下は、Impress Watchテックの記事引用・要約 https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/nishida/1430731.html

現地時間8月5日、米Amazonは、ロボット掃除機「ルンバ」で知られるiRobotを買収する、と発表。
買収総額は約17億ドル(約2,285億円)。
iRobotは、現CEOのコリン・アングル氏が率いたまま、Amazonの傘下に入る、という一報です。

AmazonはなぜiRobotを買収するに至り、iRobotはなぜそれを受け入れたのでしょう?
「掃除機をロボット化し、家事の手間を減らす」という革命を成し遂げ、ブランド力を培ってきた
iRobotの買収を検討する側から見れば、買いやすいタイミングだったという判断もあるが、
iRobotの売上は増加しているものの、2021年度以降、粗利率が下がっています。
2020年度には18.3%であったROE(自己資本利益率)も、2021年度には4.2%まで低下。
販売戦略上、iRobotを悩ますのは、中国系企業を中心とした新興企業の低価格モデルの拡大です。

しかし、iRobotの主力は低価格製品ではなく、ミドル・ハイエンド層。決算資料によれば、2021年度通期実績では、ミドル・ハイエンドの比率は83%と高いが、この層にも新興国からの似た機能を持つ他社製品がくらいついてくる。
ロボット掃除機が家電の多くがECサイトを介して売られるようになった今、販売力の点でAmazonとの連携は非常に大きなものになります。
販売だけでなく生産支援の面でも、GAFAの一角であるAmazonと組めることはプラス。
独立系企業であることにこだわらないなら、Amazonとの連携はあり得る選択肢だったのでしょう。

では、Amazonから見て、iRobotにどんな魅力があるのでしょう。

Amazonは傘下には「Amazon Robotics」があり、各ファシリティでの貨物移動に使っています。
とはいえ、これらのロボットは「マーカーを設置できる」「配線を含め、設備の方を最適化できる」「重いものを持って高速で移動する」という条件があってのもので、ロボット掃除機とイコールではありません。

家庭内へのロボット導入という点では、昨年秋に発表された「Astro」あります。

Astroの役割は人とのコミュニケーションと家庭内の見守り。そのために人間が移動する速度に合わせて動く必要があります。

Astroがテスト販売にとどまっているのは、家の中で安全に動くためのノウハウを取集するためでしょう。階段の前で止まり、家のどこを監視すればいいかを考えるには、自分で「ホームマップ」を作り、活用する能力が必要になります。

iRobotの生命線は「ホームマップ生成」技術にあります。
かなり以前から、ルンバはAlexaやGoogleアシスタントと連携可能になっています。ハイエンド機種では、ルンバは自分で家の中を移動し、ホームマップを作って活用する。2019年の段階では、ホームマップの生成と活用はまだ初期の段階でした。しかし、今は同じような機能を多くの企業が持つようになってきている。AmazonはAstroのような製品で、高精度なホームマップ生成機能を欲しているところだった。このように条件がタイミングよく揃ったかたちに至る。

現に、以前からAlexaとゆるやかに「連携」している。
だが、iRobotがAmazon傘下になれば、Alexaと融合する。
ルンバにAlexaを載せ、「家を動くスマートスピーカー」というモデルも考えれる。
ひいては、警備・見守りカメラの領域で「Ring」を買収して実現したことを、ホームマップとロボットで実現していく展開も見えてくる。
このようにAmazonと連携することになれば、ビジネスモデルの多様化していく。
ハードの販売価格を下げ、警備や見守りなどを会員制にして収益源にしたり、他の機器とセット販売したりすることも視野に入っていくという新展開へと繋がるのである。


こうして見ていくと、Amazonが建設現場の掃除機に目をつけるときは、近いかもしれない。
ジャパネットで工事用自動掃除機のセールスを観れるかもしれない。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社長谷工コーポレーション
リリースニュース
https://www.haseko.co.jp/hc/information/upload_files/20220905_1.pdf

□株式会社スマートロボティクス
リリースニュース
https://www.smartrobotics.jp/news/2022/0905

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