建設業界の労働生産性向上へ貢献。建材製品（※1）の見積り時間を50％以上短縮（※2）
概要
パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社（以下、パナソニックHS）は当社「Webハウズ（※3）間取り図積算システム」（以下、積算システム）を進化させた業界初（※4）の「間取り図AI積算」を2024年4月24日より開始。拾い出しを自動化できる「AI積算」機能や仕様選定の時間削減につながる「Life Style Fit（ライフスタイルフィット）連携」機能を搭載し業務効率の改善を図るというリリースニュースをお届けします。
間取り図AI積算
背景
パナソニックHSは『くらしの「ずっと」をつくる。“Green Housing”』を事業スローガンに、変化する価値観や社会課題に向き合い、持続性のある豊かな社会を作っていくことをミッションに掲げています。昨今の建設業界を取り巻く環境は、大工の人数の減少や物流2024年問題が顕在化し、労働生産性の向上への取り組みが課題となっています。
また、2019年4月施行の「改正労働基準法」が定めた猶予期間が終了し、建設業界でも2024年4月より時間外労働の上限規制が実施されたことで、今まで以上に業務時間内で煩雑な業務を効率的に行うことが求められています。
建設業界の業務プロセスは、積算、提案書作成、設計、納品、施工と言ったバリューチェーンを通じて、一定のスキル・経験が必要となります。特に建材製品（※1）の見積りは、居室の数や広さ、部屋の形などの住宅プランニングによって必要数量が都度変わるため、スキル・経験が不可欠で、定型化することが困難です。
パナソニックHSの積算システムは、そのような課題を解決すべく2023年7月にはCAD連携機能を追加し、住宅CADソフト上のデータと連携させることで必要数量の拾い出し等を自動化。拾い出し時間の削減につながると好評です。一方で、データ連携可能な住宅CADソフトが国内大手3社（※5）に限定されてしまうことが課題でした。
サービス概要
今回、新たに、「紙の図面」からも自動で拾い出し可能な「AI積算」機能を追加し、CADソフトを限定せずに拾い出し業務を効率化。また、コーディネートされた7つの空間パッケージから仕様を一括選定できる「Life Style Fit（ライフスタイルフィット）連携」機能も追加。概算見積りにおける仕様選定時間を削減しつつ、一次提案としての納得性を高められます。
これらの機能追加により、パナソニックHSの建材製品（※1）1棟分の見積り時間の50％以上短縮（※2）につながる「間取り図AI積算」の提供を開始します。
さらに、見積書以外にも、製品図面、間取り図付き提案ボード、間配りボードといった資料も自動生成して提供することで、供給主体やパナソニックHSのパートナーのバリューチェーン全体での業務効率化へ貢献します。パナソニックHSは持続性のある豊かな社会を作っていくために、今後も業務効率の改善に取り組んでいきます。
＜特長＞
（1）「AI積算」機能により拾い出し作業を自動化、手拾い不要
（2）「Life Style Fit（ライフスタイルフィット）連携」機能による仕様選定時間の削減
（3）関連資料もボタンひとつで同時アウトプット、提案・設計・施工の業務も効率化
（※1）内装ドア、クローゼット扉、床材、幅木、窓枠に限る。（2024年4月時点）
（※2）1棟分としてAI積算対象の「建具（ドア、クローゼット）15本、窓枠、床・幅木」を
パナソニックHS積算部門で見積りした場合の平均削減時間
（※3）パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社のパートナー専用の業務支援サイト
（※4）2024年4月現在、国内主要建材メーカーが提供する積算システムにおいて
（※5）福井コンピュータアーキテクト株式会社、株式会社コンピュータシステム研究所、株式会社DTS
（1）「AI積算」機能により拾い出し作業を自動化、手拾い不要。
紙の図面（※6）をパソコンで取り込むだけ。あとは任意の寸法を指定すると、AIが部屋別、部材別に自動で拾い出し（※7）を行います。そのためパナソニックHSの建材製品（※1）1棟分の拾い出しにかかる時間が、通常時の41分から、わずか15分と大幅に短縮（※2）することが可能です。使用面積から数量を把握する必要がある床材や、使用範囲（長さ）から数量を把握する必要がある幅木の拾い出しに特に効果を発揮します。
■AI積算による拾い出し
また、紙の図面を出力せず、CADデータをパナソニックHS積算システムにそのまま取り込んで拾い出しを行うことも可能。国内の主要大手3社の住宅CADソフト（※8）にはパナソニックHS積算システムへの連携ボタンが搭載されており、出力（エクスポート）したCADデータ（連携ファイル）を積算システムに取り込む（インポート）だけで、自動で拾い出し（※7）を行います。
また、初期設計段階で特に指定のない場合は、パナソニックHSのおすすめの色柄やデザインで提案するので、仕様の伝達に要する時間も不要となります。さらに、利用するCADにより異なる建具開口寸法は、暫定的にパナソニックHS標準寸法で見積りを提出するので、特注による納期や価格への影響を防げます。
■CAD連携による拾い出し
（※6）図面の精度によって、AIが内容を正しく読み取れない場合もあります。見積り内容の確認をお願いします。
（※7）仕様（色柄、ドアデザイン、ハンドル種類など）に関しては、パナソニックHSベリティスカタログに掲載されている「ベリティス WEBハウズ見積依頼書」の下線の内容（標準仕様）で読み込まれます。建具寸法は、図面寸法では拾われず、パナソニックHSの標準仕様にて積算されます。システム階段・手すりは自動積算されません。また窓枠は長さ3,950 mmの長尺サイズで積算されます。
（※8）住宅CADソフト 3社製品名
・ARCHITREND ZERO（福井コンピュータアーキテクト株式会社）https://archi.fukuicompu.co.jp/products/architrendzero/
・ALTA Revolution（株式会社コンピュータシステム研究所）https://www.cstnet.co.jp/archi/products/alta/index.html
・Walk in home（株式会社DTS）https://www.dts.co.jp/solution_pkg/package/walkinhome/
（2）「Life Style Fit（ライフスタイルフィット）連携」機能による仕様選定時間の削減
また、平面図の情報のみでも、積算システム上に簡易版3Dパースで立体的なスケッチモデルが生成されます。見積りをしながら3D表示で仕様を確認することができるため、細かな修正にも直観的に気づくことができます。
■3D表示による直観的な仕様確認
（3）関連資料もボタンひとつで同時アウトプット、提案・設計・施工の業務も効率化
見積り時間を大幅短縮できるだけでなく、関連資料もボタンひとつで同時にアウトプット可能。関連資料として「見積り書」はもちろんのこと、提案時に平面図の設置箇所ごとにどの製品が選定されているかも一目でわかる「間取り図付き提案ボード」や、見積り製品の寸法詳細がわかる「製品図面」、製品の梱包ラベルと連動して現場搬入時に便利な「間配りボード」まで合わせて提供することができます。さらに、「間取り図付き提案ボード」は積算システム上で確認した3DパースをQRコード（※9）化することができ、QRコードを読み込むことで、スマートフォンやタブレット上で施主や設計者が3Dパースとしての立面情報を確認することが可能です。
■同時アウトプット可能な関連資料
（※9）QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
間取り図AI積算サイト
https://sumai.panasonic.jp/contents/housing-biz/madorizu-sekisan/
資料引用：パナソニックHS
おわりに
上記の同時アウトプット可能な関連試料をみても、グループ企業のパナソニックホームの賃貸住宅でのメンテナンスで大いに活用が期待できる「間取り図AI積算」のリリース内容でした。
参考・関連情報・お問い合わせなど
□パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社
建築システム事業部 営業戦略企画部
電話：06-6909-7676（代表 受付 9:00～17:30）
リリースニュース：
https://news.panasonic.com/jp/press/jn240422-3
