360度空撮ドローン「Antigravity A1」を展開するInsta360 Japan株式会社は、株式会社Nossaが提供する「Nossa360」と連携し、東急建設株式会社が運用を開始した「リアルタイム遠隔現場管理システム」に採用されたというリリースニュースをお届けします。
360度空撮映像を活用した建設現場の遠隔確認・情報共有を推進

Microsoft Teamsを使用したシステム活用事例(カーソルは各視聴者の視点の方向を示しています)(※1)
本システムは、建設現場でドローンが取得した360度全方位映像を、現場・支店・本社・発注者など複数拠点で共有し、遠隔地からでも現場状況を把握できるようにするものです。
Antigravity A1の360度空撮機能と、Nossa360の遠隔共有・コミュニケーション機能を組み合わせることで、従来のドローン映像では把握しづらかった現場周辺の状況を、より直感的かつ多面的に確認できるようになります。
建設現場における情報共有、合意形成、安全管理、移動時間の削減への貢献が期待されます。
課題
大規模な建設現場では、現場担当者だけでなく、本社、支店、協力会社、発注者など、複数の関係者が同じ状況を正確に把握する必要があります。
しかし、従来のドローン映像は撮影方向が限定されるため、遠隔地にいる関係者が現場全体の位置関係や周辺状況を把握しづらいという課題がありました。
特に、映像を見る側が「今どこを見ているのか」「どの箇所について話しているのか」が共有されにくく、認識のずれや確認作業の長期化につながるケースもありました。
解決策
今回のシステムでは、Antigravity A1で取得した360度空撮映像をNossa360上で共有することで、遠隔地の関係者が同じ現場映像を確認しながら、それぞれ必要な視点で現場状況を把握できます。
360度映像により、撮影後でも任意の方向を確認できるため、現場全体の把握に必要な情報を一方向の映像に限定せず確認できます。また、Nossa360を通じて複数拠点から同一映像を閲覧できるため、関係者間の認識合わせや意思決定をスムーズに行うことが可能になります。
本取り組みのPoCおよび導入にあたっては、一般社団法人 日本低空経済振興会(LEAD-J)より、Insta360/Antigravity製品の検証支援、導入支援、操作講習などの面でサポートいただいています。

Antigravity A1の操縦講習

Antigravity A1の画面
仕組み
a) Antigravity A1で現場を360度空撮
一度の飛行で、現場および周辺環境を360度映像として記録します。
b) 撮影データをNossa360上で共有・確認
取得した360度映像をNossa360で共有し、遠隔地の関係者が同じ現場映像を確認できます。
c) 複数拠点から同時に確認・協議
現場、支店、本社、発注者などが同一映像にアクセスし、それぞれの視点で確認しながら、注目箇所や現場状況について協議できます。
d) 付与したメモ・コメントからレポート作成
参加者はそれぞれ映像の場面と方向を指定して、指摘コメントをつけることができ、終了後はそのコメント・画像データからレポートを作成できます。
こうしたスムーズなワークフローは、Nossa360とInsta360のこれまでの連携実績に基づくものです。Nossa360は、Insta360 X3、X4、X5を含むInsta360 Xシリーズに対応しており、360度映像の取り込みから共有・確認までを効率的に行える環境を提供しています。これにより、360度映像をより扱いやすく、建設現場の業務フローにも取り入れやすい形で活用できます。
ハードウェア:Antigravity A1
Antigravity A1は、360度空撮のために設計されたドローンです。周囲全体を一度に記録できるため、従来のドローン映像のように撮影方向に制約されることなく、撮影後に自由な視点で現場を確認できます。
建設現場のように、広範囲の状況把握や複数関係者による確認が求められる業務環境において、Antigravity A1は現場の可視化と遠隔確認を支援します。特に、現場全体の位置関係、周辺状況、危険箇所などを俯瞰的に確認したい場面で有効です。
ソフトウェア:Nossa360
Nossa360は、360度映像を活用した遠隔現場管理・コミュニケーションを支援するクラウドサービスです。360度映像の共有・閲覧に加え、Microsoft Teamsとの連携により、日常的に利用しているコミュニケーション環境の中で現場映像を確認できます。
また、参加者が自由に視点を切り替えられるだけでなく、他の参加者がどの方向を見ているかを把握できるため、遠隔地間でも注目箇所を共有しやすくなります。これにより、「どこを確認しているのか」が伝わりにくい遠隔確認の課題を軽減し、現場状況に関する説明や判断を円滑にします。
導入により期待される効果
本システムにより、建設現場では以下のような効果が期待されます。
□360度空撮映像による、現場全体の把握精度の向上
□現場・支店・本社・発注者間における情報共有の円滑化
□関係者間の認識合わせと合意形成の迅速化
□現場確認に伴う移動時間・移動コストの削減
□危険箇所への不要な立ち入り機会の低減
□災害防止、進捗確認、安全管理における映像活用の高度化
現場に行かなければ確認できなかった情報を遠隔から共有できるようにすることで、業務効率化と安全性向上の両立を支援します。
建設現場での活用価値
建設現場では、現場の状況を正確に把握し、関係者間で迅速に認識をそろえることが重要です。
特に遠隔地から現場を確認する場合、従来の一方向の映像だけでは、周辺状況や位置関係まで十分に把握しづらいという課題がありました。
Antigravity A1の360度空撮映像とNossa360の共有機能を組み合わせることで、関係者は同じ現場映像を見ながら、それぞれ必要な視点で状況を確認できます。
空撮映像を単なる記録ではなく、現場判断や遠隔協議を支える実務的な情報として活用できる点が、本連携の大きな特長です。

今後の展開
東急建設は、2027年度の全社展開を目指し、同システムの活用を進めていく方針です(※2)。
また、直近で開催された「Japan Drone 2026」においては、LEAD-Jのサポートのもと、Antigravity A1による360°撮影ソリューションを紹介しました。
様々な業種の来場者との意見交換を通じて、業務活用に対する高い関心と期待が寄せられました。
今後はLEAD-Jと連携し、PoCから導入・運用支援まで含めた法人向け展開を進めています。

Antigravityは今後も、Nossa360をはじめとするパートナー企業との連携を通じて、建設現場の実務に即した360度空撮ソリューションの普及を推進するとともに、建設業に限らない幅広い分野での活用可能性の開拓を進め、より安全で効率的な現場運営を支援してまいります。
Antigravityについて
Antigravityは、360度空撮体験を提供するドローンブランドです。Insta360とパートナー企業により誕生した、誰もが簡単に飛ばせる、没入感と創造性を備えた360度全景ドローンの開発を行っています。
Antigravityのミッションは、ドローンの世界をより身近に、表現豊かに、そして楽しくすること。
直感的な操作と360度全景撮影の融合により、空からの探索やストーリーテリングの新たなカテゴリーを切り拓いています。
公式サイト:https://www.antigravity.tech/jp
お問い合わせ先: enterprise@insta360.com
Nossa360について
市販の360度カメラを活用した、現場関係者間の情報共有・コミュニケーションを円滑にするクラウドサービスです。360度映像のリアルタイム配信をベースにした会議機能や、360度動画像を撮影位置×時系列で整理・共有する機能で、「今」と「過去」の現場を遠隔から確認できます。
建設業を中心に、製造業、物流業、造船業など様々な業界の国内外の現場で、安全パトロールや現地調査、検査・立会や見学会など、幅広いユースケースで利用されています。
公式サイト:https://lp.nossa360biz.com/
資料引用:Insta360 Japan株式会社
おわりに
今回の東急建設による「Antigravity A1」と「Nossa360」の連携システムの導入は、360度空撮とリアルタイム共有を組み合わせた、建設現場の遠隔管理を次のステージへ引き上げる画期的な事例と言えます。一方向の映像では難しかった周辺状況の把握や、複数拠点での直感的な合意形成は、現場の効率化と安全性の向上に大きく貢献するでしょう。
しかし、実務への本格導入や今後の全社展開を見据えるにあたっては、技術の利便性だけでなく、その「背景」にある市場の動向にも目を向ける必要があります。今回採用されたAntigravity A1は、カメラ市場で圧倒的なシェアを誇る中国・深セン発のグローバル企業「Insta360」が主導するブランドです。同社は近年、産業用BtoB分野やドローン市場へ莫大な研究開発投資を行っており、その高い技術力は間違いなく現在の映像・点検DXを牽引しています。
その一方で、近年の経済安全保障やサプライチェーンの安全確保という世界的な潮流の中で、海外製デバイス、特に中国製ドローンの重要インフラへの導入に対しては、データセキュリティの観点から慎重な議論がなされるケースも増えています。
日本政府の調達方針や将来的な規制リスクへの配慮は、官公庁案件や機密性の高い現場を扱う民間企業にとっても、今後避けて通れないテーマと言えます。
その点、今回の事例が非常に興味深いのは、ハードウェアには海外の圧倒的な最先端技術を活用しつつ、映像の管理・通信の基盤には日本のクラウドサービス(Nossa360)を組み合わせるという、賢明な「ハイブリッド手法」をとっている点です。
「最新技術の利便性」と「データ管理の安全性」をいかにバランスよく両立させるか――。
今回のニュースは、単なる現場の省力化という枠を超え、これからの時代におけるスマートでリスクに強いインフラDXのあり方を示す、大変示唆に富んだ一歩となりそうです。
【リリースニュース配信元】
□Insta360 Japan株式会社
リリースニュース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000052813.html
□東急建設株式会社
リリースニュース(※ 1-2)
https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2971.html