BIMデータと連携したロボット加工生産システム

sugitec

こんにちは。建築物の3次元モデルに、各建材の詳細な情報やコストに仕上げ、管理情報などの属性データを追加したBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)。業界でも随分と広まってきましたが、建築ライフサイクルを効率化するにはかかせない画期的なソリューションです。

最近ではIoTの環境センサー機器とBIMデータを連携させて建物内の環境データを取得、その取得データをBIMモデルで確認できるようにしたり、AIと連携させたりと、最新技術との連携技術も出てきています。

大規模木造用ロボット加工機+BIMで一気通貫の自動加工

今回ご紹介するのは、大規模な木造建築に使用する為に開発されたロボット加工機をBIMデータと連携させることで、構造材を高精度に自動加工できるようにした技術です。

こちらは前田建設株式会社と国立大学法人千葉大学の共同開発となります。

従来の大規模木造の加工の問題点

これまで大規模木造で使用する構造材の加工は規格外ということもあり、普段使用できる機械では対応できないため、大掛かりな専用の物を用意する必要がありました。

しかも機械が大掛かりなだけでなく、それに使用する3次元データも専用の規格にする必要があり、2重で手間になっていたのが現状でした。

今回開発されたロボット加工機ですが、産業用の多関節ロボット2基と専用搬送台という形の構成となっており、小面積でも設置が可能となっているようです。

ロボット加工機の特長

小面積での設置が可能な利点の他に、多関節により全方位からの切削と加工を同時に行うことができるようになっているということで、かなり自由度の高い加工が可能になり、従来の機械にはない自由なデザインの加工も可能なようです。

加工精度も今までの加工機種と比較して、その加工誤差は1.5mmから0.5mmにまで減少し精度がアップ。


出典:前田建設

そして一番の特長は、やはりBIMデータとの連携。

使用する3次元データは、業界で一般的に利用されているARCHICADなどのBIMデータをそのまま利用できるようになっているので、建築設計段階のデータをそのまま加工までシームレスに連携ができます。

今までは専用規格で別途データを作成していたものが、一気通貫で自動加工まで流せるようになったのは大きな革新で、工期の短縮・省力化が実現できるようになっています。

まとめ

ちなみにこの多関節加工機は、金属の切削加工などで有名なファナック社の物のようです。木造のことは良く分からないのですが、従来の木材加工機械でこのロボットアームのような多関節なものというのはなかったのではないでしょうか?(あったらニュースになっているはずですよね)

ロボットアームを大規模木造建築の構造材加工に使うという発想から、単に使うだけでなくBIMデータとの連携までしてしまう所が素晴らしいですね。

イプロスに掲載している企業さんで、他業種から「御社の技術はウチのこれに使えるかも」という話から新たなソリューションが生まれたりする事例が結構あるそうなので、困っていることの解決方法が、意外と他業種などに隠れていることは多いのかも知れませんね。

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