斜張橋の調査用自走ロボット「コロコロチェッカー®」

sugitec

こんにちは。本日は台風の影響で朝から雨模様となっています。台風自体は少し北方向におりますので、そこまで大荒れになることはないとは思いますが、雨は強く降ると思われますので、外出時や仕事帰りなどの時にはくれぐれも気を付けていきましょう。

さて、本日は以前に斜張橋のケーブルを検査するドローンのようなロボットをご紹介したことがありますが、今回ご紹介するものも斜張橋の検査(斜材保護管)をおこなうものであり、形としては自走式のロボットとなります。


出典:西松建設

外部カメラ搭載自走式ロボット「コロコロチェッカー®」

以前にご紹介した「斜張橋検査のドローンロボット」は三井住友建設が開発したもので、先月に実証実験がおこなわれました。ようやく実用化されるかという段階ですね。

この西松建設と佐賀大学が開発したコロコロチェッカーは既に2012年に開発されており、現在までに国交省・NEXCO・地方自治体などの管理する斜張橋5件の実績(総本数460本、総延長15,000m)があるそうです。

そして今回そのコロコロチェッカーに新たな機能を搭載し、より正確な損傷箇所の検証が可能になりました。

コロコロチェッカー®とは?

これは斜張橋の斜材保護管をガイドとして遠隔無線操作で自走します。そして斜材保護管の外周を撮影するために内部カメラ4台が搭載されておりこのカメラで外周を撮影することで表面状況を調査します。


出典:西松建設

これがあることで、これまで調査が大変だった高所の小さな損傷も安全に確認ができるようになります。高所での細かい調査となるとやはり危険が伴いますし、調査員の高所での苦渋作業がストレスにもなります。

コロコロチェッカーが撮影した動画を解析ソフトで評価し、成果物となる調査結果を出力。損傷状況の展開図、調査データの一覧表、写真集など、これらがまとめられ報告書が作成できます。

コロコロチェッカーの新機能


出典:西松建設

1.外部カメラの搭載
本体の進行方向前面にFullHD外部カメラ3台を搭載することで、斜材保護管表面状況の概観や斜材と主塔接続部の全周の状況を把握できるようになりました。これにより、調査できなかった主塔接続部のカバーの破損、コンクリートのひび割れ状況などが確認可能に。


出典:西松建設

2.張力測定機能の追加
本体に装備している加速度計で斜材の振動を計測。斜材の張力の測定が可能に。張力を把握することで斜材の健全性の判定精度がより向上します。振動計測時は任意の場所でロボットの走行を停止させ、常時微動を計測。

従来の振動計測方法とほぼ同等の結果が得られながら、簡単・安価かつ高精度でケーブル張力を測定可能。


出典:西松建設

3.直径計測
撮影した静止画を解析することで、直径寸法の変化を約0.5mmの精度で検出可能。

まとめ

今後は非破壊で斜材保護管内部の鋼材の変化(腐食等)を把握できる機能の開発などをおこなっていくそうです。さすがに先行して開発されているだけあり、以前ご紹介したドローン型の物よりも一歩進んでいるような印象を受けます。

ドローン型のものはまた別のメリットがあるのだと思いますが、いずれにせよ両者ともに作業員の負担や作業自体が劇的に便利に、安全になるソリューションには間違いありませんので、同種の調査をされている業者様にはとても有効なものになるでしょう。

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