病院の物流動線を見える化「サプライくん」

sugitec

こんにちは。本日は台風20号の接近で各交通機関では、早めの運休等の発表がされています。台風は「非常に強い勢力」に変わり、夕方以降から強い風とかなりの雨量になりそうなので、お帰りの際は十分にお気をつけください。

さて、本日は清水建設が開発した病院内での物流の動線をわかりやすく見える化するシステムをご紹介。病院内といえば医薬品にリネン、食事など多くの物品が、薬剤師や看護師等のスタッフにより日々運ばれています。

しかしその時間帯も搬送の手段もバラバラで、決して合理化されているというものではなく、その複雑さに起因して無駄が多いというのは課題として認識されつつも、いざ設計段階で様々な物流までを考慮した図面を作成するのは困難。関係者の合意形成に時間が掛かるという問題もありました。

課題解決ソリューション「サプライくん」

そこで開発された「サプライくん」ですが、簡単な入力操作で複雑だった物流動線を見える化できるというものになります。清水建設の持つ病院運営経験に基づくノウハウを活かしたシステムとなっています。

簡単入力作業で見える化完了

まず始めに基本情報として病床数や各階平面図等の情報を入力。次に物流に関係する諸室や通路・エレベーターをシステムに認識させるためのアイコンを配置します。


出典:清水建設

これだけで一連の入力作業は終了。医療材料や薬剤、リネンなどカテゴリー別に平面図面上で最短の搬送経路の表示や、搬送距離のグラフ表示、搬送状況の3次元アニメーション表示の3通りの形式でシミュレーション結果がアウトプットされます。


出典:清水建設

さらに搬送時間帯の想定など、時間帯が重なる時を考慮できるのも大変有用ですね。これら基本情報の入力から結果表示までに要する時間は2~3時間程度でできるそうです。

合意形成が格段に容易に

搬送時間帯の想定や関係諸室などのパラメーター変更は、初期設定モデルの設定値を変更するだけということなので、部屋の配置を変えてみたり色々とシミュレーションしながら最適解が見つかりそうです。

シミュレーション内容は誰が見ても分かりやすくビジュアル表示されるので、経営者や職員、設計者などによる関係者の動線計画案に関する合意形成がこれまでよりも容易になりますし、コンサル業務では、既存の病院の基本情報を入力しシミュレーションをおこなうことで、運用面の課題抽出や改善計画の提案がスムーズに行えます。


出典:清水建設

さらにビーコン(位置情報システム)を活用し、スタッフの行動データを効率的に収集。現状のリアルな混雑状況を3次元アニメーションで浮き彫りにできるオプションサービスも用意されているということで、ここまでできればより合理的な動線計画が立てられそうですね。

この「サプライくん」ですが、今後は3Dアニメーション上での自動解析やCAD、BIMとの連動を目指しているそうです。

まとめ

アメリカでは4年程前からスタッフにリアルタイムトラッキングできるタグを取り付けて院内の改善点を浮き彫りにする、という取り組みをしていたようです。やはり病院の動線などの問題は世界共通。

その取り組みに関わった人は、そのようなITの力を借りなくてもその問題点に気づくだろうという人はいるかもしれないが、目が回るほど忙しい日々の中では中々それに気づけないのが実状だ。と言われていたそうです。

確かに現場にいる人は日々の業務に追われ中々問題には気づけない、ということはあるかもしれません。客観的に見て初めて分かるということはあるでしょう。

分かっていてもそれを言った所ですぐにどうこうならない、という意識もあるかもしれません。なかなかこの辺りは難しいですね。

「サプライくん」の登場で病院の大きな課題である動線を最適化した上での設計、まず動線有りきの設計というのが増えるのでしょうか?AIではないですが、AIが作る最適解の設計、みたいな感じで今までにない設計が出てきそうですね。

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