三井住友建設株式会社(東京都中央区佃二丁目1番6号 社長 柴田 敏雄 以下、三井住友建設)は、AI(人工知能)を活用して倒木や落枝(枝の落下)による事故防止に寄与する、樹木リスク評価システム「tree AI(ツリーアイ)®」※1 の基本システム開発を完了というリリースニュースをおとどけします。
AIが倒木・落枝リスクを自動で判定、管理を効率化

実証実験の状況(京都府木津川市)
AIの画像解析により倒木・落枝のリスクを自動で判定し、樹木管理業務の効率化に寄与します。
現在、全国の複数の自治体においてこの基本システムを用いた実証実験などを行っており、樹木管理支援の事業化に向けて取り組みを進めています。
樹木リスク評価システム「tree AI(ツリーアイ)®」の概要
本システムは、樹木医などの専門家が目視で行っている樹木の初期リスク評価を、AIの画像解析技術を活用して、倒木・落枝の恐れがある危険木のスクリーニングを簡易に行うことが可能となります。
また、評価データをデジタル管理台帳(開発中)に蓄積し可視化することで、データに基づいた計画的な樹木管理を支援します。
本システムの特長
撮影するだけでAIが倒木リスクを評価(樹木に関する専門知識は不要)
誰でも簡単に大量の樹木をチェック可能(樹木1本当たり数分で評価可能)
点検結果は自動で地図データと連携したデジタル台帳に反映可能(管理手間が大幅に軽減)
インターネット接続されたスマートフォンまたはタブレットなどでシステムを利用可能

(参考)AIによるリスク評価画像
自治体での実証実験など実施状況
本システムは、開発の着手時に茨城県で同県内の街路樹を対象とした実証実験を行った後、本年7月には国土交通省の「令和7年度 民間提案型官民連携モデリング事業※2」に選定され、京都府木津川市を対象として本システムの導入に向けた調査事業に取り組んでいます。
さらに10月には宮崎県都城市の「都城市DXチャレンジプロジェクト※3」にも選定され、実証事業にも着手しました。
また、近年の樹木管理に関する社会的な関心の高まりから、現在20を超える自治体や民間企業などから、実証実験の実施や過去の診断データの提供などの協力を受けており、これらをAIの学習用データとして蓄積し、基本システムのさらなる精度向上に取り組んでいます。
今後の展開
今回、開発が完了した基本システムは、AIによる樹木リスク評価に向けた基盤として、「樹勢」「樹皮の状態」「キノコ」の3項目について評価機能の開発を行いました。
今後は、この3項目に加えて「開口空洞」「枯枝」の評価対象にも順次拡大するとともに診断精度の向上を図り、さらなる機能強化に向けた開発を継続して実施してまいります。
また、本システムの事業化に向けて、まずは2026年度にデジタル台帳の先行販売を開始し、その後、2027年度にAIリスク評価システムを加えた製品販売を目指して取り組んでまいります。
※1
「AIを活用した樹木診断システム「tree AI(ツリーアイ)™」の開発に着手」(2024年11月11日リリース)
※2地方公共団体が抱える課題(ニーズ)を、民間事業者から提案された新たな官民連携手法(シーズ)により解決することを目指す取組で、令和7年度は10件の提案が選定。本件は三井住友建設・HARDWOOD共同提案体で受託。
(参考URL:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanminrenkei/sosei_kanminrenkei_rd1_000099.html)
※3都城市が抱える各種課題をAIやIoTなどの先端技術などによって解決すること、また都城市において地方や自治体の未来を変えるような先端技術を先駆的に導入するチャレンジ精神のある企業の成長の支援を目的とした制度。
(参考URL:https://www.city.miyakonojo.miyazaki.jp/soshiki/99/45531.html)
資料引用:三井住友建設
おわりに
京都の「桜守」として全国の桜に命を吹き込んできた十六代・佐野藤右衛門氏が昨年、この世を去りました。
名人の「眼」が失われた喪失感は計り知れませんが、私たちは今、その志をテクノロジーで継承する転換点に立っているのかもしれません。
現在、地域や名所の桜の木々が「クビアカツヤカミキリ」という外来種による未曾有の危機に晒されています。
内部を食い荒らすこの脅威を、もはや人の目だけで監視し続けるのは限界に近いでしょう。
しかし、今回のリリースニュースで取り上げた三井住友建設が発表した「AIによる森林情報解析」のような最新技術を応用すれば、広大な森林や街の桜並木を「デジタル桜守」として見守る公共AIの創出が見えて来ないでしょうか。
高精度な解析技術で食害の予兆である「フラス(木屑)」をいち早く検知し、名人が持っていた「樹木の声を聞く知恵」をデータとして蓄積していく。
そうすることで、専門家不足に悩む地域でも、住民一人ひとりがスマホを通じて木々の異変を見守り、次世代へ繋ぐ「共助の仕組み」が構築できるはずです。
偉大な先人が守り抜いた美しい日本の景色を、絶やすわけにはいきません。
最新のAI技術と地域の人々の想いを掛け合わせ、100年後の春もまた、変わらぬ桜を咲かせ続ける。
そんな「デジタルと伝統が共生する未来」を、私たちは今こそ議論し、形にしていくべきではないでしょうか。
< お問い合わせ先 >
□三井住友建設株式会社
経営企画本部 広報室
リリースニュース:https://www.smcon.co.jp/topics/2025/12171300/
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