自動計測データをクラウド管理。大成建設が橋梁架設CIMシステム構築

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記事のポイント

・大成建設株式会社(以下、大成建設)は、張出し架設工法で施工する橋梁上部工工事において、自動化システムや情報通信技術を活用して施工管理の自動化・省力化を図る「T-CIM/Bridge」を構築したという。

・T-CIM/Bridgeは、張出し架設工法管理で必要となる「移動作業者管理システム」「自動緊張管理システム」「上げ越し管理システム」「自動出来形管理システム」の4つのシステムから構成されている。

施工管理の自動化・省力化を図り、施工品質・生産性、安全性を向上

大成建設は、張出し架設工法により施工する橋梁の上部工工事において、自動化システムや情報通信技術を活用した施工管理の自動化・省力化を図るシステム「T-CIM/Bridge」を構築したと発表した。

張出し架設工法では、コンクリートの品質管理に加えて「移動作業車の移動・設置」「プレストレス導入時のPC鋼材の緊張管理」「橋面高さに係る上げ越し管理」「桁断面形状の出来形管理」を繰り返し行う必要がある。

これら管理は従来、技術者が現場に常駐して行うことが一般的であったという。管理項目は多岐に渡り、かつ連携も必要なために、これまで多くの時間的労力的コストが費やされてきたという。
そのような現状の中、橋梁上部工工事での各主要の管理工程において、これらの課題解決のために自動化された管理システムとクラウドなどの情報通信技術を用いた橋梁架設CIMシステム「T-CIM/Bridge」を構築に至っている。


出典:大成建設

このT-CIM/Bridgeは、張出し架設工法の管理で必要となる4つのシステムから構成されている。それぞれ以下各システムで自動計測された各種データをクラウドに集約・解析し一元管理することで、発注者を含めた工事関係者間で現場での管理状況の見える化と共有化を行うことで遠隔臨場が可能となる。

1.移動作業車管理システム
電子制御化した各種機構と無線タブレットを連携することで、張出し架設工法で使用する移動作業台車を一元管理する。作業車の制御や設置位置などの管理、省力化や誤操作を防止する機能により、作業効率と安全性の向上が図れるとしている。

2.自動緊張管理システム
プレストレス導入作業時に緊張用ジャッキの荷重値とPC鋼材の伸び量を自動計測し、各データから緊張管理図を自動作成。現地の計測作業員の削減が可能となり、緊張管理の省力化と安全性を向上させることができる。

3.上げ越し管理
橋面高さや温度などを自動計測し、それぞれ各データをクラウドに自動転送。クラウド上では、上下床版の温度差等を補正した自動計算を行い上げ越し値を評価でき、現場での計測や型枠高さの管理を省力化し、出来形の品質向上が図れる。

4.自動出来形管理システム
従来の出来形管理は計測員が断面寸法を計測し、出来形帳票に数値を記入するという管理方法だったたが、自動出来形管理システムは、3Dスキャナを用いて断面寸法を自動計測し、計測値の帳票への記入も自動化できる。計測作業員と書類作成を省略できるため、現地作業の省力化と安全性を向上させることができるとのことだ。

大成建設では、今後このシステムを様々な橋梁現場に適用し、引き続きシステムの改良と開発を行っていく。橋梁工事管理の自動化・省力化を図ることで、施工品質、生産性、安全性のさらなる向上を推進していくとしている。


□大成建設株式会社
施工管理の自動化・省力化を図り、施工品質、生産性および安全性を更に向上
リリース記事:https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2021/211104_8537.html

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