ARを活用した振動ローラの転圧を管理するAR転圧管理システム

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記事のポイント

・三井住友建設株式会社(以下、三井住友建設)が、土工事の転圧作業において、振動ローラの運転手が操縦しながら転圧回数をARで確認できる「AR転圧管理システム」を開発したと発表した。

・システムは、振動ローラのフロントガラスに設置された透過型のディスプレイにARで表示するものとなっており、目線を変えること無く転圧回数を把握しながら操縦できるものとなっている。

転圧回数を見える化。ARで転圧を管理するシステムで安全性と生産性を向上

三井住友建設は土工事における転圧作業にて、振動ローラの運転手が転圧回数をARで確認できる「AR転圧管理システム」を開発したことを発表した。

[aside type=”boader”] 転圧とは
道路舗装工事などで土砂やアスファルト混合物等を押し固める作業のことをいう。土砂やアスファルト混合物には粒子間に隙間があるため、それを押し固め隙間を無くすことで強度を高めるというものである。これを行わないと隙間から空気や水が入り込み強度が弱くなる。[/aside]

このシステムは転圧回数の色別画像をフロントガラスに設置した透過型のディスプレイにAR表示を行うもので、振動ローラの運転手は目線を変えることなく転圧回数を把握しながら操縦できるため、安全性と生産性の向上が実現するという。システムは実現場で有効性確認のため試験導入され、実用化に目処をつけたとのことだ。


出典:三井住友建設

従来の振動ローラによる転圧作業は、転圧回数を運転席に設置したタブレットに表示される色別二次元画像で確認を行っていたそうだが、操縦中に目線を動かす必要があるため、安全性への問題とタブレットということもあり画面が小さいことから、転圧箇所の確認精度向上が課題となっていたという。

そこで三井住友建設はAR技術を用い、盛土の転圧回数を色別で確認できる画像をフロントガラスに設置した透過型のディスプレイ上に、実際の盛土に重ね合わせて転圧回数を見える化できる「AR転圧管理システム」の開発に至った。


出典:三井住友建設

システムの特徴としては、透過型ディスプレイ上に設置した2台のアイトラッキングカメラ、これは人の視線を計測できるもので、これで運転手の目の動きを認識することで、目線に合わせてAR画像の表示を補正できるものとなっている。

ディスプレイ上には加速度センサーが設置されており、車体の傾斜を自動認識することで、こちらでもAR画像の表示を補正するようになっている。また、GNSS(全球測位衛星システム)と360°カメラにより、車体の位置と方位を自動認識することでもAR画像の表示を補正している。


出典:三井住友建設

三井住友建設では、この「AR転圧管理システム」を実際の造成工事現場で稼働している振動ローラに導入し、盛土転圧作業における作業性と安全性についても確認していくとしている。また、今回開発したこのAR技術を、ブルドーザーの敷均しやバックホウでの法面仕上げなどにも適用を検討していく考えだ。


□三井住友建設株式会社
転圧回数を見える化する「AR転圧管理システム」を開発
リリース記事:https://www.smcon.co.jp/topics/2021/11291300/

□この件に関するお問い合わせ先
三井住友建設株式会社
広報室:平田 豊彦
TEL:03-4582-3015 FAX:03-4582-3204
お問い合わせフォーム:https://www.smcon.co.jp/contact/

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