アンドパッド
ゼネコン現場での施工BIMを促進する「ANDPAD BIM」β版をリリース。

sugitec

概要

クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を運営する株式会社アンドパッド(以下、アンドパッド)は、ゼネコン建設現場において協力会社とBIMを用いた現場コミュニケーションの効率化を支援するツールとして「ANDPAD BIM」β版※1をリリース。同時に国土交通省が推進する「建築BIM加速化事業」の補助対象ソフトウェア※2としても採択されており、開発協力企業として複数のゼネコン企業で活用されているリリースニュースをお届けします。

国土交通省「建築BIM加速化事業」の対象ソフトウェアとしても活用可能

背景

2009年のBIM元年から14年、建築の設計段階においてはBIMの活用は一般的になりつつあります。令和3年度の国土交通省調査※3によると、総合設計事務所での導入は8割、意匠系専門設計事務所では6割が導入されています。3Dモデルの活用も合わせるとこの数値はもっと高くなると予想されます。

一方、同調査では総合建設業も5割程度と高い割合となっており、施工現場においては先進的な取り組みは増えてきているものの、依然として一般的に活用されているとは言えない状況です。

実際に、開発協力をいただいた上村建設様、溝江建設様においても、設計段階のプレゼンテーション等では有効活用していた一方で、現場での活用は「これから」という状態でした。
その際、現場導入の障壁となっていた点の1つが、現場監督や協力会社へ簡単にBIM情報を共有するツールでした。
図面だけでは伝えきれない情報も多く、図面の延長として、3Dデータで分かりやすく施工情報を伝えること、また確認ができることも強く求められました。

これらの課題を解決し、ゼネコン現場での施工BIMの活用促進を目的に、「ANDPAD BIM」を開発、本日β版をリリースいたしました。
「ANDPAD BIM」を活用することにより、施工内容の共有工数の削減や、施工ミス削減に貢献してまいります。

プロダクトの特徴

「ANDPAD BIM」は、ANDPAD上でBIMデータ等を閲覧でき、現場でBIM情報を共有できる機能です。

開発協力企業の皆さまにご助言いただき、1つずつユースケースを検討しながら機能を開発しています。現在プロダクトは以下のような特徴を備えています。

・BIMデータを案件単位で管理。
・ANDPAD上(WEBブラウザ、アプリ)で閲覧可能。
・ANDPADユーザーなら誰でも閲覧可能なため、設計者、監督、協力会社など該当の案件の関係者全員が自身のPCやスマートフォンでいつでも閲覧可能。
・ビュー※4を設定し、任意の場所を3Dデータで確認可能。
・ビューを図面に登録するとともに、BIMへもリンクが可能なため、協力会社への指示を図面情報のみならず多くの情報提供を実現。
・「ANDPAD図面」のオプション機能であるため、図面とBIMとの連動性が高く操作可能。

上記機能の活用により、仮説足場計画や施工ステップ、配筋の納まり確認など、図面だけでは伝わりづらい情報を簡単に監督から職人へ共有することが可能になります。

開発協力をいただいた企業のみなさまからのメッセージ

設計施工を行う当社では計画~基本設計、実施設計の一部においてBIMを活用しています。一方でBIMを現場でどう活用していくか検討する段階にきていました。

現場管理ツールとしてANDPADを活用しており、施工にBIM活用を検討する中、ANDPAD BIMが開発されていると伺い、既に広く社内活用を進めている施工管理ツール内でBIMを活用できることが現場への導入に一番良いのではと考え、ご協力いただいております。BIM推進室や設計室で作成したBIMモデルを現場用に調整後、ANDPADに登録することで現場関係者が共通のモデルの閲覧や書き込みが出来る為、現場へBIMを普及させる点では非常に魅力を感じています。開発を通じ、現場との意見交換や課題抽出に本気で取り組んでいただき、当社としても2024年問題の対応・生産性の向上につながる成果を実証していきたいと思っています。

上村建設株式会社 BIM推進室 室長代理 上村 祐輝氏

ANDPAD BIMの活用以前は、施工BIMモデル活用作業所において、限られた関係者しかBIMデータを展開・共有できない状況であり、若手現場監督から協力会社の担当作業員まで展開・共有したいがBIMデータを利用する為には各自がハイスペックPCと高額ソフトの導入、大容量データのダウンロード、共有などハードルが高いことが大きな課題でした。

今回、ANDPAD BIMの導入によって若手現場監督はもとより協力会社の担当作業員までANDPADの案件に招待するだけで、課題であった施工BIMモデル活用が実現可能となりました。

今後もBIMを活用した生産性の向上と新しい建設プロセスの確立を目指す取り組みを前提として、アンドパッドとともに施工BIMで活用できる機能を意見交換しながら、引き続きANDPAD BIMを活用していきます。

溝江建設株式会社 建設部 所長 髙橋 健氏

アンドパッドでは今後も開発を続け、建設業界のBIM活用の促進を支援できるよう開発を続けてまいります。

先行ユーザーの募集

アンドパッドでは、「ANDPAD BIM」の先行ユーザーとしてご活用いただける方を募集しています。施工現場でBIMを浸透させたいとお考えのDX推進者、BIM推進者、現場所長の皆さまは是非お問い合わせください(お申し込みに際し、ANDPADのご導入の有無は問いません)。

問い合わせ先:https://andpad.jp/help/inquiry

※1 ANDPAD BIMは、ANDPAD図面のオプション機能です。また、ANDPAD BIMは現時点においてWEB、iOS向けの機能で、現在Androidには対応しておりません。
※2 「建築BIM加速化事業」の補助対象ソフトウェアにおいては、「ANDPAD図面BIM」という名称で登録しています。
※3 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/20230328_15.pdf_safe.pdf
※4 ANDPAD BIM上で、BIMデータを任意の位置・角度で投影した状態のことです。

資料引用:アンドパッド

おわりに

「建築BIM加速化事業」とは、一定の要件を満たす建築物を整備する新築プロジェクトにおいて、複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合に、BIMソフトウェアや講習等に要する費用に対して、国が補助を行います。
以下の3ポイントを満たしていると建築BIM加速化事業として認定されます。

ポイント1:令和5年度末までの基本設計・実施設計・施工のBIMモデル作成が対象

  • BIM作成に取組む元請事業者等(設計事務所・ゼネコン等)を公募し、令和5年1月~9月末までに「代表事業者」として登録
  • 準備が整ったプロジェクトから随時交付申請プロジェクトの要件は、2社以上・延べ面積1,000㎡以上等
  • 補助対象となるのは、代表事業者登録から事業者毎の設計・施工の業務完了までの間に発生した費用
  • 完了実績報告までに作成した設計BIMモデル又は施工BIMモデルにより出来高を確認後、補助金を交付

ポイント2:設計BIMモデルや施工BIMモデルの作成等に要する費用について幅広く補助

ポイント3:協力事業者(下請事業者等)だけでなく、代表となる元請事業者等も補助の対象

  • 設計BIMモデル又は施工BIMモデル作成費を上限として、設計費・建設工事費に対して補助
  • 元請事業者等に加え、プロジェクトに参加する専門設計事務所又は専門工事業者がBIMモデル作成に要した以下の経費が対象
項目含まれる経費
BIMライセンス等費・BIMソフトウェア利用費(ビューワーソフト、アドオンソフトの利用費、BIMモデルを利用するためのPC・タブレット・ARゴーグル等周辺機器のリース費等を含む)
・CDE環境(共通クラウド)構築費・アクセス費
BIMコーディネーター等費・BIMコーディネーター人件費・委託費
・BIMマネジャー人件費・委託費
・BIM講習に要する委託費・人件費・諸経費
BIMモデラー費・BIMマネジャーをサポートするBIMモデラー委託費
  • 延べ面積別に補助上限あり
延べ面積設計費建設工事費
1,000㎡以上、10,000㎡未満25,000千円40,000千円
10,000㎡以上、30,000㎡未満30,000千円50,000千円
30,000㎡以上 35,000千円55,000千円
  • 書類提出は代表事業者が取りまとめ、交付決定や補助金支払いは、実際に費用を要した各事業者単位で処理

以上の事情もあり、建築BIM加速化事業の申請が9月末に近づいているので、アンドパッド社各社のリリースが今後も続くものと思われます。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社アンドパッド
リリースニュース:https://andpad.co.jp/news/3364/
広報部
TEL:03-6831-4550
E-mail:info@andpad.co.jp

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