祇園の歴史を未来へつなぐ─「弥栄会館保存・帝国ホテル京都建設プロジェクト」にピンディング工事で貢献

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京都・祇園の中心に立つ「弥栄会館」は、1936年に建てられた歴史的建造物として長年にわたり愛されてきました。国の登録有形文化財、さらには京都市の歴史的風致形成建造物にも指定されており、地域景観を象徴する存在です。このたび、その弥栄会館を一部保存しながら、帝国ホテル京都として新たに生まれ変わる大規模プロジェクトが進行中です。

本プロジェクトでは、株式会社大林組が設計・施工を担当しており、弊社は文化的価値の高い外壁を可能な限り保存するための「ピンディング工事による保存」により、重要な役割を果たしています。

※このプロジェクトは日経アーキテクチュアにも紹介されています。

出典:日経アークテクチュア:https://xtech.nikkei.com/media/NA/
日経BP SHOP:https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/04/

歴史的意匠の保全と現代技術の融合

老朽化と耐震性の課題を抱える弥栄会館において、「残すべきものは残す」という保存建築の基本方針に基づき、南面および西面の外壁とその構造体をL字型に保存することが決定されました。この保存方針に対応するため、弊社は高度な施工技術を求められるピンディング保存に取り組んでいます。

出典:日経アークテクチュア:https://xtech.nikkei.com/media/NA/
日経BP SHOP:https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/04/

ピンディング工法とは、外壁タイルなどの仕上材が剥落しないよう、アンカーピンを用いて現位置のまま固定・補強する手法です。特に今回の現場では、タイル一枚一枚が非常に脆く、施工には繊細な作業と高い熟練度が必要でした。また、現物を一度剥がして再利用する所謂、生け捕りをおこないながら作業を進め、合計16,000枚を超える外壁タイルの保存に成功しています。

歴史を次世代へ繋ぐ責任

祇園という歴史的景観地区において、文化財級の建造物を保存しつつ、現行法規に適合する新たなホテル機能を持たせるという挑戦は、極めて困難なものでした。中でも、外壁保存と建物高さ維持を両立させるためには、専門家による審議や高度な構造設計の検討が重ねられました。

このような状況下、弊社が担ったピンディング工事による保存作業についても、単なる施工の枠を超え、「文化と技術の架け橋」となる重要な役割を果たしました。

プロジェクトのこれから

現在も工事は順調に進行中で、帝国ホテル京都の開業は2026年春を予定しています。かつて祇園のランドマークであった弥栄会館の趣はそのままに、新たな時代の象徴として生まれ変わる姿を、私たちも楽しみにしています。

弊社は今後も、歴史的建築物の保存や都市景観の継承に貢献し続けるとともに、持続可能な社会の実現に向けて技術力を提供してまいります。

概要
名称:(仮称)弥栄(やさか)会館計画
場所:京都市
発注:【解体】八坂女紅場学園【増築】帝国ホテル
設計:大林組
概要:RC造一部SRC造、B2、7F、PH付、延10,804m²
工期:2021年6月1日~2025年10月15日(解体工事を含む)
施工:大林組


参考
日経アーキテクチュア:https://xtech.nikkei.com/media/NA/
日経BP SHOP:https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/04/

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