EggAI ✕ IHIインフラ建設 設計照査業務の効率化に向けAI活用の新システムを共同開発から運用開始。

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株式会社EggAI(以下、EggAI)と株式会社IHIインフラ建設(以下、IHIインフラ建設)が、橋梁などインフラの設計照査業務における照査報告書の作成を自動化する「設計照査報告書自動作成システム」を共同開発というリリースニュースをおとどけします。

年間1000時間以上の工数削減を目指す

本システムは、既存の図面チェックリストの情報を活用し、照査報告書(照査一覧表および問題点の説明資料)を自動で効率的に作成します。
これにより、年間1000時間以上の工数削減が期待されます。システム開発・運用トライアルを経て、2025年度下期より本格稼働いたします。

背景と目的

橋梁などの大規模インフラ建設の設計においては、図面や計算書に対する設計照査が欠かせません。現在、照査報告書は担当者ごとに独自に作成していることが多く、特に若手社員ほど作成に要する時間が長く、業務負荷が高いという問題がありました。

そこで株式会社EggAIと株式会社IHIインフラ建設では、以下のような目的を掲げ、本システムの開発を決定、着手しました。

照査報告書作成の自動化
各担当者が「図面チェックリスト(Excel形式)」に入力した不適合項目を自動抽出し、それを基に「照査一覧表」や「問題点の説明資料」のテンプレートを自動生成する。

担当者の負荷軽減と品質確保
若手社員が行う照査報告書の作成時間を大幅に削減し、所要の品質で素早く書類を作成できるシステムを構築する。

将来的なデータベース連携とAI活用拡大
将来的には橋梁のデータベース自動更新や、AIによる図面チェックリストの自動作成も視野に入れ、業務効率化のさらなる推進を目指す。

システムの概要

業務フローのBefore After

名称: 設計照査報告書自動作成システム(仮称)

主な機能:
図面チェックリストを入力データとし、不適合項目を抽出して照査報告書のテンプレートを自動生成
Excelベースの入力データを解析し、必要事項をテンプレートに転記
将来的には、案件ごとに必要な問題点説明用の図面作成などについても、自動化を検討

期待効果

工数削減:
年間1000時間以上の工数削減を想定しており、担当者の作業効率向上に寄与

品質・スピードの向上:
所要の業務品質を維持しつつ、作業を大幅にスピードアップ

将来拡張:
図面チェックリストのAI判定や橋梁データの自動読込みなど、業務範囲拡大が可能

今後の展望

両社は今回のシステム導入を皮切りに、橋梁建設プロセスのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進すべく、AI技術を活用したソリューションの開発・展開を進めてまいります。

資料引用:EggAI

おわりに

おおよそは「照査報告書自動作成システム」の仕組みについて、以下のように推測できるでしょう。

入力データの形式化とデータ抽出
AIが処理しやすいように、入力データを構造化していると考えられます。
この記事によると、このシステムでは「図面チェックリスト(Excel形式)」が使われています。

このチェックリストには、橋梁の設計図面を確認した結果、発見された不適合項目(問題点)が入力されます。項目は、たとえば以下のような形式で入力されていると推測できます。

図面番号: C-34
不適合項目: 部材の接合方法に不備がある
関連法規・基準: 土木学会基準 2024年版 p.15
担当者: 山田太郎

AIは、このExcelデータから、必要な情報を自動的に抽出します。
この抽出プロセスには、自然言語処理(NLP)技術が使われ、不適合項目の内容を理解し、分類している可能性があります。

テンプレートとルールに基づく文書生成
抽出されたデータを基に、あらかじめ用意されたテンプレートに沿って報告書を自動生成します。
これは、「ルールベースの文書生成」または「テンプレートエンジン」と呼ばれる仕組みに近いでしょう。

このシステムには、以下のようなものが組み込まれていると考えられます。

照査一覧表のテンプレート: 不適合項目や担当者、関連法規などを一覧形式でまとめるための雛形。
問題点説明資料のテンプレート: 不適合項目の詳細な説明や、なぜそれが問題なのか、解決策などを記載するための雛形。

AIは、抽出したデータをこれらのテンプレートの適切な箇所に流し込むことで、人が手作業で作成していた報告書を、自動的に生成します。この段階で、文章の表現や体裁も統一されるため、品質が担保されると考えられます。

AIによる付加的な機能と将来の展望
現在のシステムは、手動で入力されたデータを基に文書を生成していますが、将来的にはより高度なAI技術が組み込まれる可能性もあるでしょう。

AIによる不適合項目の自動検出: 設計図面そのものをAIが解析し、不適合項目を自動で洗い出す機能。これは画像認識やコンピュータビジョンの技術を応用したものと推測されます。

AIによる解決策の提案: データベースに蓄積された過去の事例や知見を基に、検出された問題点に対する適切な解決策をAIが提案する機能。

これらの機能が実装されれば、システムの自動化レベルはさらに高まり、設計業務全体の効率が飛躍的に向上すると考えられます。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□株式会社EggAI
https://eggai.co.jp/
リリースニュース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000137510.html
※EggAIについて
株式会社EggAIは、東京大学での研究開発をベースにしたAIソリューションを提供するスタートアップ企業です。私たちは、技術力で顧客企業や社会の問題解決に貢献することを目指しています。

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