こんにちは。昨日からまた急激に暑くなりました。週末もこの暑さは続きそうですが、週明けの月曜日がまたグッと10度近く気温が下がるということなので気を付けましょう。
さて本日は、劣化は劣化でも鋼材などの表面劣化、錆などの劣化部分を綺麗に処理できるというクリーナーのご紹介。こちらは屋根の防水工事などを手掛ける、株式会社トヨコ―の開発となります。
レーザー照射型クリーニング「CoolLaser®(クーレーザー)」
このクーレーザーですがレーザー照射型ということで、従来では難しかった狭隘部の鋼材の錆や旧塗膜の除去、またコンクリートの表面処理や、斫りなどもできるという技術となっています。
出典:前田建設
レーザー照射によって塗膜と錆を落とす、㈱トヨコ―独自のレーザー除去工法。ハンディ型レーザー装置でレーザー照射し、高速に塗膜や錆を除去できます。光の照射だけなので、何か物理的な接触があるというものではありません。
軽量・無反力・クリーンという光の特性を生かした特長で、作業負荷の改善面にも期待できそうです。
クーレーザーの5つの特徴とその実力
1.円形照射(特許技術)で面を作り高速除去
ファイバーレーザーの光をヘッド部で特殊なプリズムを透過し屈折させ、高速回転させることで円形に照射。これをスライドすることで、軽い装置でも面での照射が可能となり、高速な塗膜除去が可能。
2.非接触・無反力
装置は非接触のハンディ型でレーザーを照射するだけなので、反力の発生もなく力の弱い方や女性でも作業が可能。
3.入り組んだ表面も除去可能
構造体の溝やボルト面などのディスクサンダーでも入らない場所であっても、表面の光が届けば除去が可能。溶接ヤケやスラグもレーザーで研磨ができます。
4.局所的な照射が可能
光を当てた場所だけで局所的に発生する熱反応で除去するので、狙った場所だけを除去できます。
5.廃棄物量が圧倒的に少ない
光を照射するだけなので、二次廃棄物が発生せず、圧倒的な廃棄物の削減が可能。(ブラスト比100分の1以下)
塗装の除去事例がこちら
出典:株式会社トヨコー
背景
高度経済成長期につくられた社会インフラは、建てられてから既に約半世紀が経過しつつあり、これらの老朽化に対する迅速な対応が求められています。
構造体の劣化は表面部分から始まり、内部へと進行していくことから、健全化のために劣化した表面部分を適切に除去、処理する必要があります。
まとめ
こちらの技術ですが、レーザーなのでレーザーの種類や波長を変えることで、様々な応用の可能性があるとのことです。具体的には、
・パルスレーザーで熱ひずみを減らして、板金などの薄物にも対応させる
・レーザーの周波数を変えて、カーボン素材の表面にダメージを与えず除去する
・水中透過率の高いレーザーを使用し、海洋土木の表面クリーニングや造船に応用する
ちなみにこの株式会社トヨコーさんの事業に前田建設が出資しているそうです。社会インフラの老朽化に対する対応、長寿命化に寄与する技術開発を共同で取り組んでいくとのこと。
レーザーを使用しているので色々と応用範囲が広いのが素晴らしいですね。これらの技術が実用化されればあらゆる状況に対応できる万能のものになりそうです。