AIで工事検査の効率化と品質向上。まずは鉄筋継手から

sugitec

こんにちは。あらゆる業界で様々な活用が進むAIですが、実際に国内ではどのくらいのアクティブプレイヤーがいるのでしょうか?以下は2017年のデータですが総務省が調査した資料になります。


出典:総務省

意外にもAIを導入しているのは中小企業に多いという傾向。導入検討しているのは大企業が多いですが、既に導入しているのは中小企業が多いとの結果。この辺りは大企業の小回りの難しさが影響しているという所でしょうか。逆にになると比較的高い比率になっています。

我々建設業に関しては資本規模が50億円を超える企業が最も多く、これはスーパーゼネコンなどの導入率が高いことが示された結果と言えそうです。

建設業界はAIとの親和性が高く、近年の課題となっている働き方改革や人手不足の解消など、業界の課題解決と発展の為に尽力している結果でもありますね。

さて、本日はそんなAIを活用した工事検査の効率化と品質向上ができる、「NTTコムウェア」「清水建設」が共同で開発した画像認識AIシステムをご紹介。

AIを活用した鉄筋継手の検査業務効率化の現場トライアルを開始

この技術は、鉄筋のガス圧接継手に関する検査業務効率化と品質向上を目指した技術。ガス圧接継手とは、鉄筋の接合端面を突き合わせて圧力を加え加熱し、接合端面を溶かすことなく赤熱状態でふくらみを作り接合する工法です。

その圧接継手のAI検査の実証を清水建設が実際に施工中のビル現場で行っています。検査に使用するのはスマートフォンのみ。専用アプリでガイドに沿って撮影するだけで人を選ばず検査ができます。

背景

熟練技能者の高齢化に伴う大量離職が懸念されている建設業界では、若手技能者の育成が喫緊の課題。中でも施工品質を担保している工事検査業務において、目視による人でを介した作業が多く、検査項目も膨大です。

検査業務の自動化・省力化を図り、熟練者の保有しているノウハウを吸収した工事監理者を早期に育成することで、現場施工品質を維持する仕組みづくりが求められています。

鉄筋継手AI検査の概要

まず事前の検証フェーズの段階で、ガス圧接継手の輪郭画像をAIに学習させます。そうすることでセグメント検出の精度を高めます。


出典:NTTコムウェア

さらに所定の検査項目をロジックとして組み込むことによって、OKとNGの判定を行うというNTTコムウェア独自のAI判定方式「Deeptector®」を採用しているそうです。

スマートフォンで対象を撮影するだけでAIが判定。


出典:NTTコムウェア

まとめ

この圧接継手の検査ですが、実際に検査をする際には、専用測定器を用いて各部数カ所の計測を行う必要があるので、検査には数分間要します。また、人によって経験などの差でかかる時間は違ってきます。

このAI画像認識を使用することで、経験の深い浅いに関わらず誰がやっても掛かる時間も検査品質も一定の検査ができるというのは大きな利点。

清水建設ではこの鉄筋継手のAI検査を皮切りに、今後はその他の工事検査項目にもAI検査を拡大していくことで、工事検査の効率化と品質向上を図っていくとのこと。

現場では多くの検査がありますが、それらがこのような形で手軽に検査ができるようになることで大幅な効率化に繋がりそうです。近い将来スマートフォン等だけで、あらゆる検査が誰にでもできるようになっているかもしれません。

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